中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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目的思考

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で8万364人で、ピークアウトし高止まりしているように見えます。なくなられた方は一昨日の300人超からは減少しましたが、246人と相変わらず高い水準にあります。欧米では、ステルスオミクロン(BA.2)に置き換わりつつありますが、日本でも近い将来BA.2に置き換わると考えられます。BA.2はBA.1よりも感染力が強く、重症化リスクも高いとみられています。デルタ株に比べオミクロン株は重症化リスクが低いと言われていますが、多くがワクチン接種を終えているか過去に感染した人が感染しているからで、病原性そのものは従来株と同等であるという専門家もいます。2回目のワクチン接種から時間が経ち重症化予防効果が低下しており、ステルスオミクロンの市中感染で、更に感染拡大、重症化・死亡者数が増えるのではないかと懸念します。私も、モデルナ製ワクチンで副反応に苦しめられたことから、3回目ワクチン接種を躊躇していましたが、先日ワクチン接種券が届いたので、3回目のワクチン接種を検討しようと思っています。

さて、今日は、ライフハッカーの「思考、意識、行動までも変える『目的思考』が働く人に不可欠な理由」という記事を取り上げます。この記事は、山梨広一著「目的思考」(スバル舎)をベースにしています。今日は平日なので本の紹介ではありませんが、昨日祝日であることを失念し、本の紹介をしませんでしたので、代わりに、今日、本の紹介のような記事を取り上げました。

経済的、社会的環境が大きく変化する中で、これまでの既存のルールや常識が通用しなくなり、また価値観の多様化によって、個人の目的(目標・夢)も企業(ビジネス)の目的(目標)を大きく変わってきています。山梨氏は、こうした時代だからこそ「目的設定の重要性と、その目的を設定する際の目的思考について考えるようになった」と言います。

体操競技やフィギアスケートが例に挙げられますが、今は「規定演技」よりも「自由演技」の力量が問われる時代で、かつてないユニークな演技でファンを喜ばせることが求められるようになっています。こうした価値観はビジネスにも個人の生き方にも当てはまります。つまり、自分自身で「目的」を設定し、その目的を達成し、その結果生じる成果まで一連の責任を持つことが求められているのです。決められた演技を決められた通りにすればいいという時代ではないのです。

そうなると、目的を設定する能力が極めて重要になってきます。

1.「目的思考」とは

 山梨氏は、「目的思考」を「物事の成果を決める最大の要因は目的だから、それを第一に考える思考方法」と定義づけています。

 日常的に意識する機会が決して多いとは言えない「目的」とはそもそもどのようなものなのか、目的の意味を確認することから始める必要がありそうです。

 山梨氏によれば、「目的とはすべての行動の起点になるもの」です。誰にでも目的はあって、人によってその目的を意識しているか、していないかの違いがあるだけだと言います。人は朝起きてから寝るまでの中で、ルーティーンに従って行動しています。朝歯を磨くというルーティーンがあるはずです。歯を磨くというルーティーンは「虫歯にならないため」「口臭の原因となる菌を取り除くため」という目的があり、この目的を実現するために「歯を磨く」という行動をとっているのです。歯を磨く際にいちいち目的を意識している人もいれば習慣となって目的を意識していない人もいます。もしもその目的がなければ、歯磨きをするという動機が生まれないことになります。目的がすべての行動の起点になるというのはそういう意味です。

 「すべての行動の起点に目的がある」ということは、仕事やビジネスにも言えることです。多くの人にとっては、仕事の大半も歯磨きと同じようにルーティーン化し、目的を意識しないでやっていることもあります。しかし、すべての仕事には目的があり、日頃は意識していないだけです。山科氏は「特別なことがあれば目的が意識されるようになるはずだ」と言うのです。

2.「目的」とは「自分が決めた意思」

 毎日の行動の目的を決めているのは「自分」です。そこには自分の意思が働いており、すべては自分が決めた目的のために行動しているわけです。

 ビジネスの場面で「与えられた目的」といわれるものがあります。社員(部下)が自ら設定した目的ではなく、会社(上司)から与えられた目的のことです。しかし、そこには(嫌々ながらも?)本人が受け入れたという意思があるのです。納得して受け入れた場合も嫌々ながら受け入れた場合も、最終的にはすべて自分の意思で決めているのです。いずれにしても「すべての行動の起点になる目的」は「自分の意思で決めたもの」なのです。

 目的思考とは、「目的を意識し、認識し、重視し、よく考え、行動し、その目的にこだわる思考法」なのです。こうしたプロセスを経て獲得された目的思考は、結果として人の思考のみならず、意識や行動まで変えるものです。

3.ビジネスにおける目的思考

 この本からは離れますが、ビジネスの場面での目的思考をもう少し詳しく考えてみます。ビジネスにおいて課題や問題の解決は避けて通ることはできません。

 課題や問題の解決には、まず目的があって課題や問題があり、具体的な手段(解決方法)を考えて取り組みます。しかし、目の前の業務に集中していると、その順序が逆転し、手段が目的化してしまうことがあります。何度も「手段の目的化」については書いていますが、手段は目的解決のためのツールにしか過ぎません。どのような目的があって、その目的達成のためにどういう手段をとるのがいいのかを考えなければならないのです。DXにしろジョブ型雇用にしろ、自社の課題があってその課題解決という目的達成の手段として必要ならば導入すればいいのであって、社会の流行だからと飛びつくのでは手段の目的化になってしまいます。

 手段が目的化すれば、成果の出ない努力に資源を浪費してしまうことになり、成長・発展するどころか逆に衰退してしまうことにもなりかねません。そのような事態に陥らないためには、ひたすら「Why?(なぜ)」を問い続けることです。そうすることで、目的が明確にあり、目的と手段が区別でき、目的達成に最適な手段(解決方法)が見つかります。これが目的思考です。

 当然、目的が変われば手段が変わります。目的に合わせて手段を変えていかなければならないのはいうまでもありません。ある目的のためにはAという手段が最適であっても、別の目的のためにはAとう手段は最適でないかも知れません。目的に応じて柔軟に手段を修正していかなければならないのです。