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PQ(自己表現指数)の鍛え方

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で4万4466人で、先週の火曜日より2万人以上増えています。これは先週の月曜日が祝日だったことも関係していると思いますが、秋田や鹿児島では過去最多の感染者が確認され、また各地で下げ止まっています。再び感染拡大に転ずるも時間の問題かも知れません。そうならないために、一人ひとりが気を引き締めてこれまで通りの感染防止策を徹底するとともに、できるだけ早く3回目のワクチンを接種することです。

さて、今日は、ダイヤモンドオンラインの「中国人より自己表現が下手な日本人、『PQ』を鍛える3つの条件とは」という記事を取り上げます。

以前、「IQよりもEQである」と書きました。その一部を紹介しておきます。

 「ビジネスにおいても、リーダーにはアタマの良さが求められます。ここで必要な知能指数ⅠQだけではありません。重要なのはEQです。EQとは「心の知能指数」と言われるものです。EQ(Emotinal intelligence Quotient)は心の知能指数EIを測定する指標のことで、「心の知能」というのは「自己や他者の感情を理解することや、自分の感情をコントロールする能力」のことです。以前にも書きましたが、優れたリーダーというのは自分の感情をうまくコントロールできる人です。その意味で、リーダーにはIQのみならずEQも必要なのです。』

 しかし、この記事では、「IQやEQ以上にビジネスに必要なものが『PQ』である」と言っています。この記事がいう「PQ」は、Performance Quotientの略で「自己表現力指数」のことです。

1.なぜいまPQが必要なのか

 IQやEQ以上にPQが必要なのは、いくらIQやEQがあっても黙っていては何も伝わらないからです。どんなに知的な力であるIQが高くても、更にその上の自分や相手の感情をよく理解するEQが高くても、その2つを適切に表現する力がなければ、真意は伝わりません。

 PQはIQやEQ以上に重要な「第3の知性」であり、人間の対人能力の統合形かつ最終形なのです。

 この記事では、「譲らない中国」の例が挙げられていますが、概して中国人は自己主張が強く譲歩すると言うことがありません。それに対して日本人は控えめで、すぐに譲歩してしまいます。いまこそ、日本人もはっきりと自分の意思を明確に主張し、ときに安易に譲歩しないということが必要です。

2.タフな主張力の相手への傾向と対策

 人類学者E・T・ホールによると、「高コンテキスト文化」というのは「周りの状況に鑑みれば情報は大体分かるから、明言を避けてうまく人間関係を丸く収めようという社会観」のことで、その際たるものが日本人です。

 譲らない国や国民に対して、大切なことは、彼らの主張に飲み込まれないこと、主張すべきは主張する勇気と習慣を身につけることです。

 知性や感性があるだけでは何も始まりません。それだけではタフな主張力の相手には太刀打ちできません。

3.PQを向上させる3つの条件

 PQが無ければ、いくらIQやEQが高くても、この2つの知性を適切に表現し伝えることができません。

 ここで重要なのは、PQは考え方と訓練次第でどこまでも無限に伸ばせるということです。

 スピーチには3種類あります。

  1. エンターテイメントのスピーチ・・・これは相手を楽しませることが目的ですから、わかりやすくユーモアのスキルを満載し、顔の表情変化を駆使するなど「なんでもあり」で相手が笑顔になれば成功です。
  2. インフォメーションのスピーチ・・・どんな情報であるかが問題で、不確かな情報ならない方がましです。陽は情報を正確に伝えることが目的です。余計なことは入りません。
  3. パースウェイジョンのスピーチ・・・相手を説得することが目的です。これにはロジカルプレゼンに共通なテクニックが必要です。

 このなかで最も重要なのが「パースウェイジョンのスピーチ」です。

 ここで大切なのは

  Ⅰ:発見があるか

  Ⅱ:批判があるか

  Ⅲ:統合があるか

の3点をしっかりとチェックすることです。

4.言葉のキャッチボールの2大ルール 「分かる」と「快適感」

 これまで何度も書いていますが、コミュニケーションは「言葉と思いのキャッチボール」です。相手に思いが伝わらなければなりません。相手が言葉と思いを受け取って、その相手から言葉と思いが投げ返されることでコミュニケーションは成立します。

 コミュニケーションには大きな可能性があるとともに限界があります。送った人の言葉や思いを、受け取った人が理解できなければ(意味が分からなければ)、メッセージは伝わりません。相手が受け取って共感・共有し返してくれなければ人間関係や信頼関係は作れません。

 そのためには相手が「分かる」という条件が必要です。「四苦八苦して分かる」のではなく「スッキリ分かる」ことが大切です。スッキリ分かれば、「この会話は快適だ」という快感を味わうことができます。

5.相手の言語・知的文化能力を予め確認する

 キャッチボールが成立するためには、まず使う言葉の問題をチェックする必要があります。政治家の中には、英語交じりの言葉を使うのが好きな人がいますが、通じなければ「ちんぷんかんぷん」となるだけで、本人の自己満足、意味がありません。

 また、使う言葉が同じでも、相手の理解力のレベルが違うと「言ったつもり」「聞いてない」などトラブルの原因になります。

 相手の言語や知的文化的能力がほぼ同じであることの確認が必要です。それが違うのであれば、相手のに合わせた言葉を使うことが必要になるのです。

 コミュニケーションというのは相手が理解して相手の心に響くことが重要なのです。分からない言葉を並べても意味がありません。相手が分かる・理解できる言葉で丁寧に伝えることです。