中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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ジェフ・ベゾスの言葉

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で5万1913人で、34道府県で先週より上回っています。1ヶ月前にまん延防止等重点措置が解除された沖縄では、9日連続で前週同曜日を上回り、10万に当たりの感染者数は全国1位となり、感染拡大の徴候が見られます。東京都では、8226人と、5日ぶりに先週同曜日よりは減少しましたが、高い水準にあることは間違いありません。既に約半数がステルスオミクロン株(BA.2)に置き換わっているようで、BA.1よりも感染力が強く。第7波が懸念されます。

さて、今日は、Forbes JAPANの「日本一のビジネス本翻訳家が紐解く、アマゾンを世界一にした『ジェフ・ベゾスの言葉』」という記事を取り上げます。

Amazonジェフ・ベゾスについては何度か取り上げてきました。アマゾンやベゾスの経営哲学は、中小企業にとっても役に立つからです。

1.長期思考

 ベゾスは、2021年7月20日、自ら創業したスタートアップ企業が開発した宇宙船に乗り、宇宙旅行を楽しみました。ベゾスにとって、宇宙旅行は単なる趣味ではなく、「人類と地球を救う」という壮大なビジョンの一環です。ベゾスは、どんなに時間がかかっても、一歩ずつ着実に物事を進めていきます。彼の頭の中には、そこに至るまでのステップが明確に描かれています。この長期的に物事を捉える姿勢こそが、ベゾスを形づくる、一番の特徴です。

 ベゾスは、常に「長期思考」を大切にしています。以前長期的な目標の重要性について書き、その実現のためには細分化して一歩ずつ着実に進めていくと言いましたが、まさにベゾスの長期思考も、これに似ています。多くの経営者が「ぶっ飛んだ目標」を掲げ、それに向かって中短期の目標に細分化して進めていきます。ベゾスも同じです。

ベゾスは、株価の反応よりも、長期的に市場のリーダーの地位を固めることを考え、経営判断を続けるという意思表明を随所でしています。短期の結果に一喜一憂することなく、常に将来のビジョンに向かって、事業を続けていく決意を表わしています。

2.顧客第一主義

 アマゾンやベゾスの経営哲学の第一は「顧客第一主義」です。これも中途半端なものではありません。創業時から、「徹底して顧客にこだわる」という姿勢が貫かれています。「お客様は賢くて、鋭い」「恐れなければならないのは、ライバル企業ではなく、お客様です」顧客を第一に考える言葉は繰り返し語られます。

 長期的なビジョンを持つことや顧客を第一に考える姿勢の重要性は、多くの経営者が理解しているはずです。しかし、大抵の企業では、市場や株主からの発力によって目先の短期的な利益を優先し、長期的なビジョンやお客様のことを考えるのは二の次にされてしまっています。

 ベゾスは、そうした圧力に屈することなく、何年赤字が続こうとも、市場や株主からの圧力が強まろうとも、冷静に、自分の哲学を貫きます。

3.経営とは、常に結果論をはらむもの

 経営とは常に結果論をはらむものです。結果がすべてと言っていいかもしれません。

 それにもかかわらず、ベゾスをはじめとした優れた経営者は、長期志向やぶっ飛んだ目標にこだわるのでしょうか?

 1つは、卓越した未来構想力にあります。将来起きる世界がどのようなものになるのか、ベゾスはありありと思い浮かべることができるのです。だから、自信を持ってそこに突き進むことができるのです。これは、稲盛和夫氏・永守重信氏・孫正義氏らといった他の経営者も同じです。

 もう1つは、ベゾスが「変わらないことは何か」を正しく理解しているからです。企業が成長を指向するとき、変化を優先します。時代のニーズを拾い、それに適応しながらビジネスを変えていくことに、資源を集中しがちになります。しかし、本質的に変わらないもの・変えてはいけないものが存在します。ベゾスは、変化と同じくらい「何を変えないか」にこだわります。

 変えることと変えないこと、やることとやらないことを明確にして、突き進んでいくことです。やることとやらないことの明確な判断基準を持っているから、短期の誘惑に惑わされることなく、正しいことを続ければ、決して道を外すことはないのです。

 ベゾスは「アマゾンのやり方が正しい唯一のやり方だとは決して言わない。他だ私たちには私たちのやり方があるだけだ」と言います。

 「自分を信じて、とことん経営していく」ことです。自分を信じ切ることができなければ、経営はできません。

4.意思決定はゆっくりと、慎重に下さなくてはならない

 大切な意思決定に正しい判断を下すことが経営者の役割です。大切な意思決定に間違った判断は許されません。

 ベゾスは言います。「経営層は何に対して給料をもらっているのだろう?数少ない、優れた判断をすることに対してだ」「一日に3つでも良質な決定ができたらそれで十分だし、その3つの判断の基準を最高に上げなければならない」と。

 しかし、ベゾスは、自らの意思決定に関しては直感に従っています。何度も書いていますが、経営というのはセンスです。直感はセンスです。

 ベゾスは、重要な意思決定を行なうとき、「80歳になってその判断をふりかえったときに、どう思うか(後悔するか)」を想像するというのです。

 ベゾスの考え方は、一緒に働く人々にも当然浸透しています。以前紹介した「アマゾンのリーダーシップの14項目の信条」の中にも浸透し、アイデアを次々と実現できる原動力になっています。

ベゾスの言葉や考え方から学べることは多くあります。その中で最も重要なことは、長期的な視点を持ち続けることと、自分を信じて突き進むことです。

経営者が日頃からどのような問題意識を持って事業に臨んでいるかが問われます。 自分はどのような未来を実現したいのか、どのように社会に貢献したいのか。常に考え続けることが大切ではないかと思います。