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休日の本棚 人は話し方が9割

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で5万2741人で、東京は8012人で先週同曜日より707人増えています。全国的にもリバウンドの兆しが見えます。若い世代の感染者数が増加し、後遺症も見られます。高齢者の3回目ワクチン接種は進んでいますが、若者のワクチン接種が進んでいません。家族や高齢者を守るためにも3回目のワクチン接種を積極的に受けてもらいたいものです。

さて、今日は永松茂久著「人は話し方が9割」(すばる舎を紹介します。「2021年Amazonランキング第1位」「2021年一番売れている会話の本」といわれています。

これまでもビジネスにおけるコミュニケーションの重要性を指摘してきました。コミュニケーションは「言葉と思いのキャッチボール」ですが、このキャッチボールは実際のキャッチボールよりも難しいものです。しかし、よりよい人間関係・信頼関係を築くのにコミュニケーションは欠かせません。これはビジネスに限ったことではなく、日常生活でも同じでしょう。コミュニケーションがうまくとれれば、人間関係・信頼関係の構築は容易いでしょう。その意味で、この本のタイトル「人は話し方が9割」は間違っていません。しかし、この本を読めば分かりますが、重要なのは「話し方」よりも「聞き方」です。「人は聞き方が9割」です。新年度が始まり、新たな人との出会いがあり、新しい人間関係を築いていかなければならない時期ですが、コミュニケーションのコツを身につけるのに役立つ本です。

1.話し方よりも聞き方

 「会話が苦手」という人も多いと思います。「何を話していいのか分からない」と言うこともありますが、これまでの失敗やうまくいかなかった経験がトラウマとなっているのかも知れません。そういう人でも、仲の良い人や家族とは普通に会話はできています。見ず知らずの人は初対面の人との間では距離を作ってしまっているのです。初対面だからと言って気負う必要はないのです。自信を持って臨むことです。そのためには相手との間に「全肯定空間」を作るのです。それは「否定禁止」「笑顔でうなずく」「前向きな話」です。人というのは「自分を肯定する人を肯定するようにできている」のです。

 コミュニケーションがうまい人は、「拡張話法」を使っています。「拡張話法」というのは、感嘆⇒反復⇒共感⇒称賛⇒質問の5つのステップで相手の話を広げるテクニックです。

  1. 感嘆・・・「へぇー」「うわぁー」「ほんと!」
  2. 反復・・・相手の言葉を繰り返す
  3. 共感・・・相手の話に感情を込めて理解を示す
  4. 称賛・・・「すごい!」「さすが!」
  5. 質問・・・相手の話を更に展開

 これまでも書いていますが、重要なのは話をすることではなく、相手の話を聞くことです。「聞いて質問をして、時々自分の話をする」のです。相手の話に耳を傾け、頷きながら聞いて質問をすれば、相手は自分の興味を持ってくれていると、気分をよくし、益々話をしてくれます。

2.好かれる話し方のコツ

 多くの人は「うまく話そう」と考えがちです。うまく話す必要などありません。プレゼンであれば用意周到準備をしてうまく話す必要があるかも知れませんが、「プレゼンの極意」で書いたように、経験を積めばうまくできるようになりますし、重要なのは「伝えたいことを相手が理解して納得する」ことです。「うまく話をする」のではなく、「わかりやすく話をする」ことが重要なのです。

 この本でも言っていますが、うまく話をする必要はなく、「何を伝えたいか」「どういう意識で相手を接しているか」という思いやスタンスが重要なのです。

 コミュニケーションが「言葉と思いのキャッチボール」であることからも分かるように、内面や思いは会話の中に滲み出てきます。

 誰でも今すぐ実践できるコツを3つ紹介します。

  1. 独り言で褒める・・・面と向かって相手を褒めるというのは気恥ずかしいものです。また謙遜する文化がある日本では面と向かって褒められるのも苦手です。しかし、褒められて悪い気になる人はいません。「独り言で褒める」のです。それならば、相手は謙遜する態度をとる必要もなく良い気分を味わえるのです。相手が良い気分になれば会話は自然と弾みます。
  2. 名前を呼ぶ・・・人は自分の名前を頻繁に呼ばれると安心感や親近感を抱きます。名前を知ったら、「○○さん・・・」と名前から会話を始めることです。また、2回目に会ったときも、「○○さん」と名前で呼びかければ、「自分の名前を覚えていてくれたんだ」とうれしくなります。
  3. 一緒に笑う・・・人は楽しいときやうれしいときにその気持ちを周りの人に伝えたくなります。そのときに、共感し一緒に笑ってくれる人がいるとうれしさや喜びは倍増します。人は「笑わせてくれる人」よりも「一緒に笑ってくれる人」を好きになるものです。

 更に重要なのは、自分の話したいことではなく、相手の話したいことを話題にすることです。大事なのは相手に「好かれる話」です。「好かれる話」というのは相手が「好きな話」「興味を持っている話」です。自分のことを延々話をしたり、相手のことを考えずに自分が好きな話題を延々とする人がいます。これは嫌われる話し方の典型です。

3.嫌われる話し方の共通点

 この本では「『好かれる前に、まず嫌われないこと』が大事だ」と言います。好かれるのに時間がかかります。その前に嫌われたら、再び好きになってもらうには何倍もの時間と労力がかかります。

 ここでは、嫌われる話し方には共通点があると言っています。そのいくつかを挙げておきます。

  • 4Dワードを連発する・・・「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」すべて否定的な言葉です。このような否定的な言葉を使われたら不快になるのは当然です。
  • 下ネタを話す・・・もし振られても笑ってスルー酒の先なら世ピノかもしれませんが、よほど親しい間柄でない限りはすべき話題ではありません。
  • お笑い芸人の真似をする・・・いじりはプロだからできるテクニック。これもよほど親しい間柄でない限りやるべきではありません。
  • 話をまとめてしまう・・・会話とフリートークは別。話しを纏めてしまえば、それ以上話は進みませんし、相手が抱いた話題なら、相手の気分を害します。
  • 相手の話を奪う・・・共通点を見つけたときは要注意。相手の話を奪って、自分が延々と話をするのもNGです。相手の話を奪うのではなく、質問して話を広げていくことです。
  • すぐ馴れ馴れしくする・・・「さん」付けや敬語でも仲良くなれる。初対面からなれなれしくする人がいますがNGです。相手の地位や立場を考えながら少しずつ距離を縮めていくことです。
  • 負け惜しみを言う・・・嫉妬心を表に出してはダメ。コミュニケーションは人間関係の構築するためのものですし、自分が成長するためのものです。

これまでのも会話やコミュニケーションの重要性については指摘してきました。コミュニケーションはビジネスでも日常生活でも重要なスキルです。しかし、メンタルが占める割合が大きいのも事実です。コミュニケーションスキルを磨くには、メンタルを磨くことも重要です。スキルとメンタル双方を磨きましょう。スキルとメンタルの双方を磨くのに役に立つ本です。