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休日の本棚 人生と経営はタクシー運転手が教えてくれる

kyuu

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で3万6672人で減少しました(GWに突入し検査数が減少したからかも知れません)が、今なお高い水準にあります。3年ぶりに何ら制限のないGWで、各地は賑わい経済的には良いことかも知れませんが、感染再拡大で再びまん延防止等重点措置や緊急事態宣言発出となっては元も子もありません。また、コロナとの共存を図るウイズコロナに向けて、しっかりとした枠組みや仕組みを作ることが重要です。経済を回すことと感染防止とのバランスをとるためには、まずは一人ひとりが3密を避け、マスク、手洗いなどの基本的な対策を徹底することです。旅先で開放感に浸るのは良いですが、くれぐれも基本的な感染対策を忘れないことです。

さて、今日は、小宮一慶著「人生と経営はタクシー運転手が教えてくれる」(サンマーク出版という本を紹介します。

小宮一慶氏は、経営コンサルタントで、「財務諸表を読む技術 分かる技術」「1秒!で財務諸表を読む方法」などの著書があります。

この本の目次には

  • 損をしたくないと考えるか、させたくないと考えるか
  • 46年走っても「分からない道」がある
  • 「分かったつもり」に陥りがちな「3年の落とし穴」
  • 小さなことをおろそかにするのは二流の証拠
  • 「100引く1はゼロ」だと思いなさい
  • 今ある豊かさは何一つ「当たり前」ではない
  • 「一流」と「一人前」の間には「道一本」の隔たりがある
  • あなたは何を「預かって」仕事をしていますか?

などがあります。そこでは

  1. 人に損をさせてはいけません。小さな得を追う人ほど大きな得から離れていく
  2. 「道を極めた人」とは、自分が分かってうぃないことは何かを知り、その道の奥深さを知っている人である
  3. 小さなことをおろそかにする人にプロはいない。雑事に見えることをいかに極めるかが、凡人とプロの差を生む

など「人生と仕事に役立つ19のヒント」が紹介されています。

小宮氏は年間200回以上タクシーに乗り、これまで2000人以上のタクシー運転手と出会ってきました。小宮氏によれば、運転手から聞く景気の話は、そのままミクロ経済の定点観測になり、運転手の身の上話は人生と経営について多くの気づきを与えてくれる勉強の機会なのです。運転手から聞く話の中には、成功者の話と同じくらい、岩徳があり、仕事や経営、人生において大事にしたい考え方が内包されているのです。

この本の中から、いくつかを紹介します。

1.他人のお金を大事にできる人は成功できる。

 あるとき、タクシーに乗った小宮氏が、運転手がメーターを上げていないことに気づき、それを指摘します。すると、「私は大きな道に出るまでメーターを上げないんですよ」という返答が返ってきます。

 タクシー運転手にとって、客のお金は他人のお金であるが、これをじぶんのお金のように大事にできる人が成功します。会社のお金も同様で、「会社のカネだから」と言って無駄遣いする人は出世できません。

 このタクシー運転手には言外に「お客様に無駄なお金を使わせたくない」という思いがにじみ出ていました。それが評判を高め、mr繰り巡ってじぶんの多摩、会社のためになるのです。

2 一流の運転手ほど「知らない道はある」と言う

 小宮氏が、タクシー歴46年というベテランの運転手に「もう東京で知らない道鼻印綬内ですか」と尋ねところ、「東京は変わるから、まだまだ分からない道があります」と言う答えが返ってきたのです。

 小宮氏によれば、10年以上のタクシー運転手に同じ質問をすると大半が「まだまだ分からない道がある」と答えるのに対し、タクシー歴3年くらいの運転手にかぎって「100%分かっています」と答えるのです。

 どんな仕事でも3年くらいやると自信が出てきて「自分一人でできる」「一人前になった」と思うようになりますが、それまでの成果は周囲の助けがあってのものです。「自分一人でできる」といった勘違いをするのはビジネスパーソンも同じです。

 「その道を極めた人」というのは、「分からないことがあることを知っている人」のことです。ベテラン運転手は、慢心することなく、変化する道を探し、覚え頭の中にたたき込んでいます。「分からないことがまだまだある」と思えることは、自分の仕事に対して謙虚に向き合っている証拠なのです。

3.100引く1はゼロ

 小宮氏は、あるときタクシーに乗りますが、その運転手の態度が悪く、気分を害します。それ以降、そのタクシー会社のタクシーに乗るのを避けるようになりました。たった一人の意識の低さが会社の評価を下げ、信用を失いました。これはタクシー会社に限ったことではなく、すべての会社・店舗に当てはまることです。一人の従業員や店員の態度の悪さが会社や店舗の評価をゼロ(場合によってはマイナス)にしてしまうのです。逆に、社員一人ひとりが自分が責任者であると思い意識を高めて行動すれば、会社の評価は100どころか無限大になります。

社会人として基本的で大切なことが書かれていて役に役に立つ本ですが、中には決めつけ感が強く、考え方があわないところもあります。しかし、誰との会話からでも何かを学ぼうという姿勢はたいせつで、それは人生でもビジネスでも同じです。

肩がこらず、GWに寝そべって面白く読める本です。