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指示や方針に従わない部下の対処法

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で3万6903人で、若干減少しているように見えますが、予断を許しません。政府は6月から実施予定の外国人観光客受入れ解禁に合わせ一部の国に対する入国時検査を免除する方針でいます。水際対策をきっちりと行なわなければ再び変異株が海外から流入し、取り返しのつかない事態になります。オミクロン株では、身体に侵入したウイルスを排除する免疫細胞があまり作られず、後遺症が長引くという研究結果があります。ウイルスは変異を重ねるにつれ巧妙な戦略で身体に留まろうとします。新型コロナウイルスは、これからも変異を続け、感染力は強くなり、重症化リスクは低くなっても長期間身体に留まり新たに後遺症を引き起こします。まだまだ注意が必要です。

さて、今日は、プレジデントオンラインの「指示に従わない『くせもの部下』との1on1面談で、一流の上司が最後にする”最強質問”」という記事を取り上げます。

上司や会社の指示や方針に従わない部下というのも結構います。この記事では、こうした「くせもの部下」にどのように対処すればいいのかについて書かれています。

1.人は人の言うことを聞かない

 両足院副住職の伊東東凌氏は「『人は人の言うことを聞かない』というのが大前提」と言います。「言うことを聞いてくれるもの」という大前提でいるから、指示や方針に従わない部下に対して憤りを感じるのです。「人というのは本来言うことを聞かないもの」と割り切ることができれば、苛立ちを覚えることもなく、別の対処の方法を考えることができます。

 「部下が言うことを聞いてくれない」と悩んでいる上司も、自分が部下だったときに素直に上司の言うことを聞いていたでしょうか? たとえ、これまで上司の言うことを聞いて出世街道を歩んできたとしても、上司や会社の指示・方針に不満がなかったわけではないはずです。

 人というのは人の話を聞くことは難しいものです。まして指示や方針を一方的に押しつけられると、自分の選択肢を奪われてしまうので、拒否反応・拒絶反応が出ます。

 いつも書いていますが、「聞く力」がコミュニケーションで最も大切ですが、つい自分のことを話したくなり「聞く」ことが疎かになってしまいます。

 部下も同じです。聞くことが疎かになり、上司の言う内容を十分に理解できないまま、自分の判断で行動してしまうのです。

 「人は人の言うことを聞かない」という大前提に立って、「言うことを聞いてくれる」ように対処しなければなりません。

2.そもそも部下の言うことを聞いていたか

 確かに企業組織は、社長を頂点に、平社員を底辺にしたピラミッド構造でできています。しかし、上司や部下というのはあくまでも組織における役割の違いにしか過ぎません。人間的に上下はないのです。上司や部下だと言っても、役割の違いにしか過ぎず、対等なのだということを認識しておくべきです。

 部下が話を聞いてくれないという事例はさまざまです。部下に権限委譲して自律的に行動を促しても、自分で考えず指示待ちで何もしないということもあります。また、自由に行動していいけれども行動に移す前に上司に確認を取るというルールがあるのに、無視して暴走するというケースもあります。

 部下が言ったことを聞いてくれない、方針に従わないというのは、上司が指示や方針を伝えるだけで部下の話を聞かないところに原因があります。単に指示を出し方針を伝えるだけでは部下の本音を聞き出すことはできません。時間がない中でも「仕事の仕方で困っていることはないか」「どんなサポートがあればやりやすいか」など上司がきちんと「聞く」べきなのです。

部下が、今何を感じ、何を考えているのか、少しでも耳を傾けると、コミュニケーションの方向が変わり、部下が心を開いて言うことを聞いてくれる、方針や指示に従ってくれるようになるのです。

3.「聞く」ことは簡単なようで難しい

 仏教の世界に、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上、声聞、縁覚、菩薩、仏という10層に分ける考え方があり、最初の6つが凡人、後ろの4つが聖者の世界です。六道輪廻を繰り返しそれを抜け出た聖者の最初が「声聞」(声を聞く)です。これは聖者にあがる第1ステージともいうべきもので、「人の話を聞く」というのはそれくらい難しいものです。

 人の話を聞くというのは3つのステップがあります。

  1. 受け入れる気持ちを持つ・・・自分自身に余裕がないと、相手の話を聞くことで自分の感情が振り回されてしまいます。普段から気持ちや心に余裕を持つことで相手を受け入れることができるようになります。まずは、相手を受け入れる気持ちを持つことです。
  2. ともに変わろうとする・・・相手の話を聞いたら自分もともに変わっていこうという余地や余白を持つことが大切です。そういう姿勢で話を聞くと、その雰囲気は相手にも伝わり、行動変容を起こさせるきっかけを作ってくれます。
  3. 心理的安定性を与える・・・上司がいきなり部下を呼び出すと、延々と説教されるのではないかと不安になります。話を聞くときのコツは「心理的安定性」を与えることです。まずは、時間設定をすることと話題をあらかじめ簡潔に伝えることです。終わりの時間が決められ、話題が明確であれば、不安になることはなく「心理的安定性」を与えることができます。

4.「10分」と決めたら「10分」で終わる

 上述の3つのステップで、部課の話を聞く姿勢が整ったら、いよいよ本題です。

 その際、対面で座ると、部課は上司からの圧力を受け、プレッシャーと緊張でまともに話すことができなくなります。そのような相手には、横に座って緊張を和らげることが必要かも知れません。

 又、話を聞く際にも、一緒に考えるというスタンスが重要です。相手の立場に立ち、相手の視点で親身になってともに考えることです。上から目線ではなく、同じ立場でともに考えるという態度が重要なのです。

 そして時間を決めたらその時間で終わらせることです。乗ってきたからといって時間を延長するのもよくはありません。1回目に10分と決めたのに、話が盛り上がり1時間話したとします。2回目に10分と言って10分で終わると、相手からすると物足りなくなります。時間通りに終わっているのに、2回目はサボっているように見えたり、自分に関心がなくなったように感じたりします。決めた時間通りに終わらせるのがいいのです。話の途中なら、次回の日程を組んで、次に続きを話せばいいのです。

5.最強の質問

 話を行なった最後に「今日は何%話せた?」と聞いてみることです。部下が「40%くらい話せた」というと「来週にその続きを話そう」と言うのです。そうすれば、部下も「やりましょう」と積極的に乗ってきます。

 2回目には1回目に出てきた部下の何気ない話から「あれはどうなっている?」と言ったコメントを適切なタイミングで挟むことです。そうすると、部下は上司が自分の話をちゃんと聞いてくれている、覚えてくれている、時分に関心が向いていると思い、信頼関係が生まれるのです。

 そのためには次回の面談までの間に、前回までの話をきちんと整理して、準備をしておかなければなりません。そこまでして、この人の言うことなら聞きたいと思わせるようになるのです。

 信頼関係の構築ができなければ、部下は上司の言うことを聞いてくれません。何ごとにおいても信頼関係の構築が大切でなのです。