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ドラッカーからのメッセージ

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で2万828人で、少しずつではありますが着実に減少しています。政府が屋外ではほぼマスク不要と認めても、道行く人の多くはマスク着用しています。「マスクをつけないと人の目が気になる」という同調圧力もありますが、マスク生活に慣れ「外して顔を見せるのがいや」という意見や「自分だけでなく家族に移したくない」という意見もあります。もはやマスクが日常生活の一部になっているようで、「どのような場面でマスク着用を推奨するのか」政府が場面を限定し明確に示した上で、各人の判断に委ねるのが良いと思います。

今日は、ライフハッカーの「幸せな人生を歩むために活かす。ドラッカーからの5つのメッセージ」という記事を取り上げます。

これまでも何度かドラッカーについては書いていますし、多くの経営者がドラッカーの言葉に勇気づけられています。しかし、以前にも紹介しましたが、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授は、その著「世界の経営学者は今何を考えているのか」の中で「アメリカの経営学の最前線にいるほぼすべての経営学者はドラッカーの本などほとんど読んでいません」と言っています。今の経営学が科学としての経営学を目指しているからで、嘗て経済学が科学を目指し、経済事象をすべてモデル化し数式で解を出そうとしたのに似ています。学門としての経営学が、経済学と同じように机上の学問に成り下がり、現実の経営から離れていっているように思えてなりません。

日本においては、ドラッカーの本は今も流行っています。それはドラッカーの明言が経営者の心にスッと入ってくるからです。現場で経営に携わる経営者にとって必要なのは机上の学問ではなく、日々現場で起こる切実な課題を解決するための指針です。企業によって抱える課題も違えば、実情も違うので、解決方法もさまざまです。モデル化して経営理論を当てはめただけで解決できる課題などほとんどありません。突き放した言い方ですが、経営者やリーダーが自分の頭で考えて取組み自ら解決していくしかないのです。経営理論で解が出てくることなどありません。その点ドラッカーの言葉は、経営者の心にスッと入って、取り組む勇気を与えてくれるのです。「いかにして苦しい企業経営を乗り切っていくのか」「赤字企業を黒字に変えるにはどうすればいいのか」「売上や利益を上げるために何をすればいいのか」といった切実な問題に指針や心のよりどころを与えてくれるのがドラッカー経営学です。

この記事は、山下淳一郎著「超訳 ドラッカーの言葉」(同友館)をベースに、「幸せな人生を歩む」ために、ドラッカーの言葉(メッセージ)を紹介しています。

1.2度挑戦してうまくいかなかったら

 ドラッカーは「2度挑戦してうまくいかなかったら、3度目は違うことをやるべきだ」と言います。これはこれで間違っていないのかも知れませんが、私自身は、3度、4度と何度も果敢にチャレンジすることにも意義があるように思います。

 2度挑戦しても何ら進歩が見られず、向いていないのであれば、ドラッカーが言うように、スパッと切り替えて新しいことにチャレンジすることもいいと思いますが、少しずつでも進歩の跡が見えるのであれば、何度でも繰り返し、前進していくことで目標を達成できます。少しずつでも前進し目標に到達できれば、大きな自信に繋がります。

2.自己実現に必要なこと

 人は幸せになるために生きているものです。幸せとは自己実現することです。そして、ドラッカーは、自己実現とは「仕事を通じて人の役に立てている喜びを実感している状態である」と言います。

 自己実現には、次の5つのことに取り組むべきだと言っています。

  1. 明確な目標を持つこと
  2. 真摯さを重視する
  3. 自分を高めるために継続的に学習を行なう
  4. 自分の仕事の良し悪しを測る物差しを持つ
  5. 新しい仕事では、貢献すべきことを明らかにする

3.今の時代、すべての人が何かを学び続けなければならない

 社会はどんどん変化していきます。過去にあぐらをかいていたのでは、どんどん取り残され、気づいたときには浦島太郎状態になっています。あらゆる業界、あらゆる分野で仕事をする人に必要なのは、次から次へと「新しい何か」を学び続ける姿勢です。

 しかし、闇雲に漠然とした何かを学んでも、それが自分の仕事、自分の人生に役立たなければ意味がありません。「自分は何を学ぶべきか」を考えて選ばなければなりません。ドラッカーは、次の視点で選ぶことを薦めてくれています。

  1. 自分が得意とするものに関係あるもの
  2. 次のチャンスに活かせそうなもの
  3. 自分が大事だと思えるもの

4.より優れた人格の習得を目指す

 ビジネスにおいて重要なのは人と人とのつながり、関係です。ビジネスパーソンである前に人間として人格を備えていなければなりません。自分絵お人間としてより高い段階へと上昇させようとする高位、より高い能力、より高い成功、より他充実した生き方、選りすぐれた人格などの習得を目指さなければなりません。「心の成長、人間として大きくなることが大切だ」とドラッカーは言っています。

5.Build on Strength!!(強みの上に強みを築け!)

 自分の弱み・苦手を克服しようと努力している人は多いと思います。それはそれで、本当に素晴らしいことで、頭が下がる思いがします。しかし、目先を変えれば、弱み・苦手を克服しても、マイナスがゼロになるだけです。マイナスをゼロにするだけに途轍もない労力と時間がかかります。人は仕事(ビジネス)だけでなく日常生活でも一人で生きていくことはできません。自分が苦手でもそれを得意としている人はいます。得意としている人の助けを借りればいいのです。

 何事においても、平均的な能力を持った人よりも、一芸に秀でた人の方が重宝されます。それなら、弱み・苦手を克服するより、強み・得意を伸ばした方が得策です。弱み・苦手を克服するのは並大抵ではありませんが、強み・得意を伸ばすのに苦痛を感じることなく楽しく取り組むことができでる成果も大きいのです。

 ドラッカーは「誤解を恐れず断言します。自分の弱みは無視してください。自分の強みを磨くことだけを考えてください」と言います。

 しかし、弱みや苦手を克服できた方がいいのは言うまでもありません。自分の強み・得意を伸ばすのに8割注力したら、弱み・苦手を克服するために2割労力を向けるべきではないかと思います。