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ダメなリーダーの口癖

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で1万9387人で、前週同曜日よりも4000人近く増えています。島根県で過去最多となるなど、このまま全国的に急増するのではないかと第7波が懸念されます。今一度気を引き締めるしかありません。

さて、今日は、プレジデントオンラインの「『理屈はいいから、早くやって』職場のやる気をみるみる失わせるダメなリーダーの3つの口癖」という記事を取り上げます。

これまでもダメなリーダーについては書いていますが、ダメなリーダー・上司に当たった部下やメンバーは悲劇です。ダメなリーダーにならないように注意しなければなりません。この記事では、ダメなリーダーを3つの口癖に分けて説明しています。

1.「いつもこうしているから」~惰性型上司

 部下が色々と考えて、上司に提案しても「いつも通りにやって。別に不満も問題も出ていないから」という上司です。これも以前書いた「前例踏襲」で、前例という過去の経験を枠として、それをなぞって事を行なうだけで、自分の頭で物事を考えアイデアを生み出してチャレンジすると言うことができません。これでは、部下の成長の機会を奪ってしまいます。

 こうした前例踏襲の惰性型上司に当たれば、部下は、過去の経験をなぞるだけの誰でもできるような仕事をやらされていると感じ、残念な気持ちになります。

 前例踏襲であれば、自分の頭で考える必要はなく、マニュアルや過去のやり方を踏襲すればいいだけでラクと言えば極めてラクです。しかし、だれもが楽な仕事を求めているのではありません。むしろ多くの人はやりがいのある仕事を求めています。惰性型上司は、こうした人たちのやる気を削いでしまいます。

2.「それは禁止。ルールだから」~問答無用型上司

 前例踏襲に似ていますが、「ルールだから」という理由で、部下の言うことに全く耳を傾けず、部下の言うことを問答無用に否定する上司です。

 確かにルールは必要です。しかし、現在のように何が正解か分からず先行きが見通せない時代では、過去のルールがそのまま妥当するかどうかも分かりません。なぜそのルールが必要なのかという観点で、もう一度ルールを見直さなければなりません。その上で、現在もそのルールが必要であるのであれば、部下に「ルールだから」と一点張りに言うのではなく、そのルールが必要な理由を丁寧に説明して部下に理解させなければなりません。

3.「理屈はいいから、言われたとおりにやって」~思考停止型上司

 部下が口を開いて何かを言おうとすると、「理屈はいいから、言われたとおりにやって」という上司がいます。部下は自分なりに考えてよりよく仕事を進めようとしています。しかし、上司から「言われたとおりにやれ」と言われれば、自ら考えるのを辞めるしかありません。それでは思考停止に陥ってしまいます。言われたとおりにやればいいのならこれほど楽なことはありません。しかし、それでは部下は成長できません。

 「部下は自分の言うとおりにやっていればいい」と思っているのなら、上司は大きな勘違いをしています。上司の仕事の一つは部下の育成です。何度も書いているように部下の育成は「認めて、任せて、褒める」です。「任せる」と言うことは、自分の指示通りにやらせることではありません。

4.同じ仕事でも、社会的価値を知ればやりがいを感じる

 上で書いたのが部下のやる気を失わせる上司の3つのパターン、上司の口癖です。

 どのような仕事であっても、会社の目標達成には必要不可欠なものです。どんなにクソどうでもいい仕事であっても会社にとっても社会にとっても必要なものです。つまり、どんな仕事であっても意味や意義があるのです。

 仕事というのは社会貢献が実感できる仕事だけで成り立っているわけではありません。社会貢献が実感できる仕事は一握りで、本当に意義があるのかと思わせる地道な仕事が大半です。そうした仕事をこなさなければ会社も社会も回りません。

 ここで重要なのが、目の前の仕事と本人がやりたい仕事をどのように結びつけるかというマネジメントです。地道で一見すると意味のないような仕事が、会社の目標本人がやりたいと考えている仕事とどのようにつながり、それをこなすことでどのような成果が生まれるのか、どのように社会に貢献できるのか、ということを上司が部下に丁寧に説明することが大切なのです。部下が自分の囲碁との意味を理解し、納得し、腹落ちすれば、やる気が生まれ、自分の意思で積極的に仕事に取り組もうとします。

 多くの企業が理念やミッション、ビジョンなどを重視し従業員に伝えるのも、そのような価値観の共有が重要だと考えているからです。社外だけでなく、社内に向けて「会社の社会的意義」「ここで働く意義」「大切にする価値観」などを丁寧な言葉でしっかりと伝えることが、従業員の仕事への「やりがい」に繋がるのです。

5.部下に仕事の背景や意義を伝えることこそが上司の仕事

 先ほど挙げたダメなリーダーの3つの口議せ・パターンは、いずれも「その仕事をなぜやるのか」「どうしてそういう手段をとるのか」などの仕事の本質を考えたり伝えなりすることを一切行なっていないケースです。

 以前紹介したレンガ職人の逸話があります。レンガを積むだけの仕事なのか、歴史に残る大聖堂をつくる仕事なのかによって仕事に対する重要度の認識が変わります。単にレンガを積むだけの仕事と考えていれば、その日の日銭を稼ぐだけのつまらない仕事になってしまいます。しかし、歴史に残る大聖堂を作るという目的を持ってレンガを積むのであれば、レンガを積むという仕事がいかに価値のあるものかが理解でき、達成感や充実感を抱きながら仕事ができるのです。

 上司の仕事は、部下に仕事の背景や意味・意義、目指すべき価値観などをしっかりと伝え共有することです。本質を理解し腹落ちすれば、部下は指示されるまでもなく率先して最適な行動をとるようになり、創意工夫が生まれます。

6.常に原点に立ち返ることで会社は進化していく

 価値観の共有に欠かせないのが「ゼロベース」で考えることです。現状の価値観や判断基準を伝えるだけでなく、同時のそれまでの常識を疑うことです。今はないが正解か分からない時代です。制顔が一つとは限りません。これまでの考えや常識が通用しない時代です。

 常に原点に返り、物事の本質からゼロベースで考えることが大切です。そうすることで、共有すべき価値観や判断基準を風化させることなく、進化させることができるのです。変化の激しい時代です。当然価値観や判断基準も変わっていきます。時代の流れに合わせて、それらも臨機応変に変化させることが必要です。そうすることで企業も変われるのです。