信頼関係を築く聞き方
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で2万3448人、下げ止まりから増加の局面に入っています。今後も増加傾向は続くと考えられますが、これまで通りの感染防止対策を続けるしかありません。熱中症にも注意しつつ臨機応変に行動しましょう。今後BA.5に置き変わる懸念もあり、後遺症も辛いようなので、風邪やインフルエンザと同じと侮ることなく、しっかりとした感染対策は行なうべきです。
さて、今日は、ライフハッカーの「『わかる~』は禁句。信頼関係をつくる聞き方」という記事を取り上げます。これまで何度も「聞く力」の重要性について書いてきました。コミュニケーションはよりよい人間関係や信頼関係の構築する上で大切ですが、特に聞くことが重要です。多くの人は自分のことばかりに注力し、相手の話を聞いていません。それでは、よりよい人間関係も信頼関係も生まれません。よりよい人間関係・信頼関係を築くには、相手の話を親身になって聞くことが大切なのです。
口下手なのに顧客に信頼され業績トップクラスの営業マン、部下から慕われ本音を話してもらえる上司など、彼らは話上手ではなく聞き上手なのです。
この記事では、聞く技術には共通の聞き方の秘訣があり、「受容・共感・自己一致」だと言います。
1.受容・共感・自己一致
この記事では、受容・共感・自己一致について次のように説明しています。
- 受容=相手の価値観や考え方を無条件に受け入れること
- 共感=相手の感情を想像して理解すること
- 自己一致=「自分が自分のあるがままでいること」。そして、相手が「自分はこれでいい」と思えるようになること。
これは、アメリカの心理学者カール・ロジャーズの「傾聴の3原則」、つまり、傾聴を構成する3つの要素を前提にしています。傾聴の3原則は、
- 無条件の肯定的関心・・・相手の話を善悪の評価や好き嫌いの評価をせずに、聞くこと。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるのか、その背景に肯定的ナ関心を持って聞くこと。それによって話しては安心して話ができる。
- 共感的理解・・・相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとすること
- 自己一致・・・聞き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話がわかりにくいときにはわかりにくいことを伝え、真意を確認すること。わからないことをそのままにしておくことは自己一致に反する。
先日も書きましたが、部下の意見や考え・提案を頭ごなしに否定する上司は結構います。部下と上司とでは勤務年齢や経験にも差があります。意見や考え方・提案に同意できなくても最後まで真剣に話を聞き、一旦は受け入れることです。せっかく話をしている部下の気持ちを踏みにじってはいけません。まずは受け入れることです。意見や提案に同意できない場合には、いったん受け入れた上で、なぜ同意できないのかについて丁寧に説明して理解させることです。
また、相手の感情を理解できなければなりません。相手の感情を理解し、それに寄り添うことです。
更に、自分の気持ちも相手の気持ちの大切にし、相手の話の中でわからないこと・理解できないことがあれば、そのまま聞き流して放置するのではなく、きちんと問い直して理解するように努めながら真摯な態度で聞く頃が大切です。
2.安心して話してもらえる信頼関係をつくる聞き方
会話において、話し手と聞き手の距離感は大切です。ここで言う距離感は場所的な距離感ではなく心の距離感です。相手が心を開いてくれるところまで近寄らないと、真意を話してくれませんし、逆に相手の心に踏み込みすぎると、心を閉ざして何も話してくれなくなります。
上手な聞き手になるには、「相手のことをもっとよく知りたい」という思いが大切ですが、近づき次もせず離れすぎもせず、といった「ほどよい距離感」を保つことが大切です。この「ほどよい距離感」というのは人によって違います。コミュニケー所Pンを取り、信頼関係を築きながら、それぞれの「ほどよい距離感」を把握するように努めることです。
3.「わかる~」はわかっていない
「わかるよ」という言葉は、相手の気持ちに寄り添おうとすると、つい口からに出る言葉です。しかし、それは禁句です。なぜなら、はっきり言って、相手と自分とは違うので分かるわけがないからです。
「わかる~」と言われた相手は、心の中で「そんなに簡単にわかって欲しくない」「自分の本当の気持ちなんて他人に分かるはずがない」と思っているかも知れないのです。しかも「自分の以前・・・」と過去の経験談を話すのは更に良くないことです。相手の気持ちがわかっている・理解していると思い、自分の話をするのでしょうが、相手からすれば、「自分の話をしたがる人」「話を聞いてくれない人」という印象が残ります。深刻な話であればあるだけ、「わかる」は禁句です。相手に寄り添うには、黙って相手の話を聞いてあげればいいのです。「わかる」と口にするのではなく、時折頷くだけでいいのです。
4.人にはそれぞれ「言葉マップ」がある
相手の話と似たような経験を自分もしたことがあると、本当に「わかる」と思ってしまいます。しかし、それは個人的な感覚であり、「わかる」というより「想像がつく」というレベルにしか過ぎません。
一つの言葉から連想されるイメージは人それぞれです。相手の頭に浮かんでいることと、自分の頭に浮かんでいることとは異なって当然です。
どんなに親しい間柄であっても、あるいは同じ環境で生活しているものであっても、完全に一致すると言うことはありません。極端な話、一卵性双生児であっても違います。年齢も性別も、生まれも育ちも違うものなら、尚更大きく異なります。
あたしたちの頭の中には。生まれてからの経験を元に、膨大な言葉と、それに連なるイメージが蓄積され、それが「言葉マップ」と呼ばれます。「言葉マップ」は人それぞれに異なり、全く同じ人はいないと言っていいでしょう。会話のとき、相手の言葉を自分の「言葉マップ」に合わせてイメージしているのです。相手の言葉を自分のイメージに合わせて解釈・翻訳して理解しているのです。
言葉マップが人それじれ異なるのに、安易に「わかる」と100%理解しているように共感してしまうのが間違いなのです。
5.相手のことを「わかっているつもり」にならない
特に親しい間柄の場合、「相手のことは自分ほど知っているものはいない」「相手のことはすべて知り尽くしている」と思い違いをしています。大切なことは、一呼吸置いて考えてみることです。どんなに長い付き合いで親しくても、隅から隅まで相手のことを知っているわけではないことに気づくはずです。
相手の話を聞く場合、「自分が思っているほど相手のことを正確に理解していない」「相手のことを100%理解できていない」ということをわかった上で、相手の話を聞くことです。「わかる」などという言葉を安易に使うべきではないのです。