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部下を知る3つのポイント

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で4万5821人で、昨日の3万人台から1日で4万人台に増えました。東京では8341人、大阪4621人と前週より2倍以上、このスピードで増加すれば7月中旬には10万人を超えることになるかも知れません。昨日も書きましたが、行動制限の撤廃、換気不足とともに、一番大きな要因は感染力の強いBA.5に置き換わりつつあることです。重症者数や死者数は第6波のときに比べて大幅に減少しています。現在の感染者の3割が30代未満ですが、ワクチンの効果が低下し、高齢者に広がれば、重症者数も死者数も増えていくように思われます。若者には、高齢者に移さないためにも感染防止策を行ない節度ある行動をとってもらいたいものです。

さて、今日は、幻冬舎GOLDONLINEの「部下のことをどれくらい知っていますか?部下を知る3つのポイント」という記事を取り上げます。

これまでも何度も書いていますが、ビジネスは人と人との関係、信頼関係が基本です。よりよい人間関係や信頼関係の構築に欠かせないのがコミュニケーションです。これは部下との関係においても当てはまります。

1.部下との信頼関係は、すべての土台となる要素

 昨日も書きましたが、よりよい人間関係や信頼関係の構築には、相互理解が必要であることは言うまでもありません。今は多様性の時代でさまざまな考えや価値観を持った人が会社にもいます。人が一人ひとり違うように考え方や価値観、それが生まれた背景やプロセスも違います。相互理解というのは、そうした異なった考えや価値観を無条件に受け入れることではありません。自分とは違う考え方や価値観があることを認めた上で相手の存在を受け入れることです。相手の考えや価値観が生まれた背景やプロセスを知ることができれば、相手の考えや価値観には賛同できなくても、相手の存在を受け入れることができます。

 そのためにも、単に何を考えているのか、どんな価値観を持っているかだけでなく、なぜそのように考えるようになったのか、なぜそのような価値観をもつに至ったのかという背景やプロセスを共有することが大切なのです。

 コミュニケーションにおいて大切なのは相手を知ることです。相手のことを知るためには相手に聞かなければなりません。いつも書いていますが、コミュニケーションにおいて大切なのは「聞く力」であり「質問力」です。概してコミュニケーションと言えば、話すことばかりに気がとられ、聞くことが疎かになります。また、人は自分のことを話したいもので、お互いが好き勝手に自分のことばかり話していたのではコミュニケーションは成り立ちません。

 特に上司と部下という上下の関係では、コミュニケーションは難しいのです。上下関係と書きましたが、これはあくまでも仕事上の役職の違いであって人間的な上下でないことは言うまでもありません。人間的には対等なのです。ところがこれを勘違いしている上司やリーダーが多いのです。自分が偉くなったような勘違いで権力を振りかざし、部下に命令や指示を出す者がいます。これでは部下はついてきてくれません。このような上司なら、部下に聞いたり質問したりしても正直に本音を語ってくれることはありません。

 部下のことを知るためには、よりよい人間関係・信頼関係の構築に全力で取り組まなければならないのです。

 部下は機械ではありません。生身の人間です。一人ひとりの個性も違えば、長所・短所も違います。上司である自分との相性も違います。また、その日のコンディションやモチベーションも変化します。それにプライベートの事情も影響します。

 このように、一人ひとり異なり、また日によって異なる部下を知るというのは本当に難しいものです。しかし、部下のマネジメントを行なうために、部下を知るということは避けて通れません。

 まずは「部下の価値観・考え」と「今のコンディション」を把握することに努めることです。これは難しいことではありません。何度も書いていますが、すれ違ったときにちょっと声かけすればいいのです。そのときの部下の表情や声などからその日のコンディションを把握できますし、声かけを続けていけば、相手の考えや価値観を知ることもできます。また、1on1ミーティングを行ないながら相手の考えや価値観を知ることも有用です。

2.部下との信頼関係を築く3つのポイント

 この記事では、部下との信頼関係を構築するための3つのポイントが書かれています。信頼関係は人と人との間に生まれ、その間を繋ぎ満たすのがコミュニケーションです。コミュニケーションは言葉と思いのキャッチボールです。

 上手くキャッチボールを続けていくためには

  1. 「相手の興味・関心」に関心を持つ
  2. 共通点を見つける
  3. できていることを「承認」する

という3つのポイントが重要です。

⑴ 「相手の興味・関心」に関心を持つ

 この記事でも書かれていますが、コミュニケーションの基本は、話すことよりも「いかに聞くか」です。つまり、信頼関係を構築するには、「意識の向けどころ」が重要になってきます。相手が興味・関心のないことを聞いても、相手は乗り気にならず、会話は発展していきません。

 「相手の興味・関心」に意識を向ければ、相手も安心して楽しく話してくれるはずです。相手の興味・関心があることを見つけたら、徹底的に聞くことです。そのときには教えてもらうという姿勢で聞くと、相手は丁寧に話してくれます。そして、相手は「受け入れられた」と感じ安心して心を開き、話を聞いてくれている人を信頼するようになります。この積み重ねが信頼関係を強くしていくのです。

⑵ 共通点を見つける

 いかに馬が合わない相手であっても、必ずどこかに共通点があるはずです。共通点を見つけることは、信頼関係を築く上で強力な方法の1つです。

 好きなことや趣味の共通点が見つかれば一気に距離が縮まります。人は自分と似たところがある相手に対して親しみを覚え、安心感・信頼感をもつからです。

 「初対面」であっても「出身地」「共通の知り合いがいる」「贔屓にしている野球チームが一緒」などの共通点があると、相手に親近感が湧き、話が弾んだという経験は誰でもしているはずです。

 距離を感じている相手や、これから一緒に作業(プロジェクト)をする相手などには、意識的に共通点を見つける努力をすれば、共通の話題を作ることで親近感が増し、ひいては信頼関係に繋がります。

 共通点は何でもかまいません。趣味、好きな旅行先、スポーツ、よく行くお気に入りの店、好きな温泉、好きなアーティスト・タレントなど、どんなことでも、どんな些細なことでもいいのです。どんなものでもそこから話が弾み、親近感を抱き距離が縮まり、信頼関係の構築につなぐことができればいいのです。

⑶ できていることを「承認」する

 人との信頼関係の構築に大切なのは、相手への「承認」です。人は、「相手から承認されたい」という欲求を持っています。

 「承認」というと「褒めるのは苦手」「賛同できないのに承認できない」という人がいます。しかし、「承認」は「褒める」ことでも「賛同する」ことでもありません。

 何度も書いているように、部下の育成方法は「認めて、任せて、褒める」ですが、褒めるのが苦手という人は多いのです。しかし、「承認」は「褒める」ことではなく、「認める」ことです。「認める」というのは、事実を認めることです。「承認」というのは、「相手のできているところを見つけ、できていると指摘する」ことです。

 部下を承認することができれば、部下は「ちゃんと見てくれている」「わかってくれている」という安心感が生まれ、信頼関係に繋がるのです。