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リスクマネジメント

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で24万3483人で、高止まりしています。政府(岸田首相)は、全数把握の見直しを発表しました。これまでの全数把握では、医師の入力負担が大きく、今回見直された全数把握では、詳細なデータ入力は重症者・高齢者に限定し、他は簡易なデータ入力となるようなので、医師の負担が大幅に軽減されます。ただ、問題なのは、全数把握の見直しを各自治体に任せている点です。自治体間にばらつきがでるだけでなく、見直し内容が不明確なため自治体で判断できかねることにもなります。政府が明確な基準を示し、政府主導で全国一律に実施すべきものです。結局は岸田首相の責任逃れの現れで、リーダーとしての資質が疑われます。

さて、今日は、ダイヤモンドオンラインの「リーダーがリスクマネジメントで示さなければならないこと」という記事を取り上げます。

コロナ禍だけでなく、刻一刻変化し続ける社会や環境の中、企業が抱えるリスクは増大しています。これまで経験したことのないようなリスクも多く、経営者やリーダーにとって、「いかにそれらのリスクをマネジメントしていけばいいのか」が大きな課題となってきています。

1.何を達成するためのリスクマネジメントなのか

 リスクマネジメントで重要なことは、「何を達成したいのか」を明確にすることです。企業に波、大企業だけでなく中小企業においても、組織が目指すべき方向性を示すものが多く存在します。経営理念やビジョン、バリューはその典型ですが、それらを明確に文章化していなくてもその企業に流れる風土や文化は必ずあります。中長期計画や丹念計画の中にも、企業が目指すべき方向性は示されます。

 リスクマネジメントというのは、近い将来から遠い将来まで、これから発生するかも知れないリスクを洗い出し、それらのリスクを回避するための管理活動です。ここでいる「リスク」は「今後発生する不確定事象」のことで、マイナスの影響を及ぼすことだけではありません。思わぬ出来事で企業に利益をもたらすものもリスクとなります。

 リスクマネジメントと似た言葉に「危機管理」という言葉がありますが、これは、事業の目標達成や事業継続を脅かすような危機が発生した際に、その影響を最小限に食い止めるとともに、危機的状況から一は泰抜けだし、正常の状態への回復を図るための管理活動です。

 リスクマネジメントにおいて、重要なのは、何のために行なうのか」という目的です。リスクマネジメントを行うことで、「何が達成できるのか」ということです。この目的を明確にしないと、リスクマネジメントは「リスクマネジメントのためのマネジメント」になってしまいます。結局は何の役にも立たず、絵に描いた餅です。

2.「目的」と「目標」の違いを理解する

 「目的」を明確にする必要があるのとともに「目標」を明確にする必要もあります。ここで大切なことは、「目的」と「目標」は違うということです。

 「目的」というのは「何のために(Why)」の答えであり、「目標」は「何を目指すのか(What)」の答えです。目標は目的を達成できたかどうかを測るための指標であり、測定可能な指標であることが望ましいのです。例えば、「売上アップ」という目的を掲げれば、いくらの売り上げが達成されたら目的が達成されたと言えるのか、その数値(例えば売上1億円、前年比3割増)が目標です。

 このような定量指標を定めないことには、リスクマネジメントでどれだけ頑張るべきか、その結果、目的達成に貢献できたかどうかも、判断できないことになります。

 リスクマネジメント活動の仕組みの継続的改善を図るためにも目標は必要になります。それは、測定できないものは改善できないからです。

3.リスクマネジメントと危機管理

 ここからはこの記事からは離れます。

 リスク管理では、事業目標達成や事業継続を妨げるようなリスクについて細部まで考えを巡らせて今後発生するかも知れないリスクを想定し、そのリスクに優先順位をつけて優先順位に応じた対策をとることです。

 一方で、危機管理は、すべての企業が等しく陥る可能性がある危機的状況に対し、実際に危機的状況に陥った際にどういうプロセスで被害を最小化し、できるだけ早く正常に戻すためにどうするかを計画することです。

 両者は異なるものですが、往々にして同じように捉えられています。この違いを意識しながら、リスクマネジメントと危機管理の両方で対策を考えていく必要があります。  

 危機管理において重要なのは、危機が発生する前の、危険予知・予防・発生時の準備です。危機が発生してから慌てては失敗するだけです。危機的状況を余地・予防するとともに、仮に回避に失敗したときに備えて対処の方法を平時から準備しておかなければなりません。

 十分な準備を行なった上で

  1. 現在発生中の被害を最小限に食い止めること
  2. 危機のエスカレーション・2次被害を防止すること
  3. 危機を収束させ正常な状態に戻すこと

の3つが大切です。これができなければ危機甘露は失敗です。政府のコロナ対策はこの3つのいずれもできておらず、完全に失敗です。