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中小企業の勝ち残り戦略

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国14万9906人で、大都市圏及び全国で減少傾向にあります。9月に入り新学期が始まり、人との接触が増えると学校など教育機関クラスターが発生し感染者が増加に転ずる可能性も指摘されています。減少しているとは言え、まだまだ10万人を超えています。気を緩めることなくできる範囲で適切な感染防止策をとるしかありません。

さて、今日は、幻冬舎ゴールドオンラインの「中小企業の勝ち残り戦略 新規事業開拓の成功率を高める<3つの視点>とはなにか?」という記事を取り上げます。

コロナ禍で苦境に立つ中小企業ですが、中小企業においても活性化には、以前紹介した「両利きの経営」が必要です。

両利きの経営」というのは、極めてシンプルで、既存事業を深めていく「深化」と、新しい事業を開拓する「探索」を同時に行うということに尽きます。「両利きの経営」の基本コンセプトは「まるで右手と左手が上手に使える人のように『知の深化』と『知の探索』について高い次元でバランスをとる経営」ということです。

ここで、「知の深化」も重要ですが、特にイノベーションということを考えると、「知の探索」つまり新規事業開拓が意味を持ってきます。新規事業開拓の取り組むことは、企業が成長発展を遂げるために必要ですが、どこから取り組めばいいのか悩む中小企業経営者は多いと思います。

1.中小企業に求められる「未来へ向けた、多角的な視点」

 中小企業が新規事業を構想する際には、企業それぞれにさまざまな背景があります。このため、取組み初期の段階では、多角的な視点を認識し、最適なアプローチをとることが重要であると考えられます。

 この記事では、「中小企業の両利きの経営」(ロギカ書房)をもとに、各企業の得意分野に基づく10の視点を提示しています。

  1. 成長戦略の必要性
  2. 組織のあり方
  3. イノベーション戦略
  4. 見えない資産活用
  5. 新事業創出の5つのステップ
  6. 新事業開発手法
  7. 第二創業
  8. D X 戦略
  9. フランチャイズ契約活用
  10. M&A

 この記事では、この10の視点の中から特に重要な3つが説明されています。

2.新規事業開発手法:デザイン思考・仮説検証の活用

 新規事業開発といっても、どこから手をつけていいのかわからない、あるいは迷ってしまうという場合には、具体的なアプローチ方法として、「デザイン思考」「仮説検証」の感慨方を取り入れることが推奨されています。

⑴ デザイン思考アプローチ

 デザイン思考アプローチは、優れたデザイナーが日常的に使用している「人の行動を深く観察する」「ブレーンストーミングで大量のアイデアを出す」「素早くプロトタイプを作る」といった手法を事業開発に応用することです。

 まずは顧客に行動を深く観察し、共感し、そこに隠されたニーズや秘められた価値を見いだします。

 次に、なぜ人がそのような行動をとるのかという洞察を行ない、課題へ変換します。出てきた課題に対して、プレーンストーミング等によりなるべく多くのアイデアを出し、有望なアイデアがあったら、手軽な方法で短期間にビジュアルイメージ(試作品)を作ります。

 人々の反応を確かめながら、取捨選択の上、改善に向けてこれらを繰り返すので、優れた商品やサービスを得ていくために有効な方法と考えられます。

⑵ 仮説検証アプローチ

 仮説検証アプローチは、仮説を元に最低限の機能を持った製品・サービスを提案し、顧客の反応を見ながら改善若しくは方向転換を行なうアプローチです。

 大規模9ナ事前調査をしないので、コストや時間の節約になります。「小さく初めて、素早く、大きく育てる考え方」です。

3.第二創業:後継者の受け入れ時に行なう、新しい取組み

 第二創業というのは、事業承継によって後継者を迎え入れるタイミングで行なう新しい取組みのことです。後継者問題は中小企業にとって切実な問題ですが、新規事業の観点から見れば大きなチャンスになります。

 第二創業による「両利きの経営」では、自社事業を見つめ直し、後継者の特長を活かすことを見当した上で、事業の立脚地を換えていくことが良いのです。一般的な創業と異なり、第二創業では、過去に築いた資産や強みを活かすことができます。その際、ヒト、モノ、カネといった経営資源に加え、それらによって培われた「見えざる資産」に着目することが大切です。「見えざる資産」というのは、「技術や生産のノウハウ、顧客情報の蓄積などの環境情報、企業の信用やイメージなどの企業情報、組織風土や経営管理能力などの内部情報処理特性などが蓄積されたもの」です。

 後継者の経験や感性の違いは、第二創業に向けて重要な要素になります。現経営者が経験していない何かの経験は事業に新たな風を吹き込む源となります。

4.M&A:スピード感のある成長戦略

 中小企業においても、経営者の高齢化や後継者難から第三者承継(M&A)が増えてきています。最近では、M&Aを成長戦略として捉え、他社を積極的に買収する例も増加しています。

 中小企業が新規事業創出を担い、買い手としてM&Aを活用することは、スピード感を持った取組みに繋がります。中小企業のM&Aは、株式譲渡と事業譲渡が主ですが、ジョイントベンチャーのような資本提携も広義のM&Aに含まれます。

 M&Aを検討する場合、全社戦略の変更が必要です。「会社全体としてどのような宝庫9ウニ向かうべきか」検討した上で、「新規分野に対して既存の組織能力をどのように活かせるか」十分に考え、M&Aの必要性を見極めることです。リスクについても十分に考慮する必要があります。

 買収先を検討する場合には、買収後のシナジー効果を得られるかどうかがポイントになります。シナジー効果というのは、自社と買収した企業が相互に関係することでプラスαの効果を生み出すことです。既存事業とのシナジー効果が生み出すことができれば、買収した事業は売り手が想定していた以上の価値を持つことになり、M&Aの成功につなげていくことができます。