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「部下が育たない」と嘆く上司にならないために

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で12万9793人で、全国的に減少していますが、世界で見れば、7周連続世界最多、死者数は2番目となっています。政府は、水際対策の緩和や療養期間の短縮、自宅療養者のマスク着用での外出を認めることにしましたが、こうした緩和措置が再び感染者増を導くのではないかと懸念します。

さて、今日は、ビジネス+ITの「『部下が育たない』と嘆くダメ上司の共通点、『寄り添い系』も『パワー系』と同様のワケ」という記事を取り上げます。

部下の育成については、これまで何度も書いていますが、部下が成長しないのは、部下自身に問題があると言うよりは、上司に問題がある場合も多いのです。

日本の管理職の多くは、自らもプレイヤーであり、部下の管理やマネジメントだけを行なっているわけではありません。ついつい部下の育成は後回しにされてしまいます。部下が成長しなければ、組織やチームの生産性は上がらず、組織やチームの成長もありません。部下が成長すれば、上司の業務負荷を軽減してくれ、管理やマネジメントに時間を割くことができ、更にチームや組織は成長します。

先程も書きましたが、「部下が育たない」と嘆くのであれば、自分に問題があるのではないかと考えてみることです。

1.「『部下が育たない』と嘆く上司」に共通する2つの特徴

 この記事では、「部下が育たないと嘆く上司には2つの共通点がある」と言っています。その2つとは、

  1. 部下を成長させる責任が自分にあると思っていないこと
  2. 感情を使ったマネジメントをしてしまうこと

です。

⑴ 部下を成長させる責任が自分にあると思っていないこと

 上司の仕事は部下に指示や命令を出すことだと考えている上司がいます。志かも、指示や命令を出しても、部下に任せることができず、色々と口や手を出し、挙げ句のはてには、自分がやった方が早いと強引に引き取り自分で処理してしまいます。

 こうした上司は、部下を成長させるとか、部下を育成するという意識が欠如しています。こうした上司は「いざとなったら、自分がなんとかすればいい」と考えているため、部下の育成や成長のための仕組みを用意していません。

 確かに、経験豊富な上司がやれば、短期的には生産性は上がりますが、中長期的に見れば、チームや組織は成長せず、生産性も低下していきます。

 このような上司は、どんな部下であっても同じルールでマネジメントせず、場当たり的な指導に終始してしまいます。

 上司の役割は、自ら仕事をすることではなく、部下を率いて仕事をさせることです。部下が能力を最大限発揮し、チームや組織が成果を上げることです。そのためには、部下を育成し、成長させなければなりません。

⑵ 感情を使ったマネジメントをしてしまうこと

 上司も人間ですから、感情的になることは当たり前です。しかし、マネジメントに感情は不要です。

 上位志は、部下を責めたり大声で怒鳴ったりしてはいけません。また、この記事では、優しい言葉を掛け励ましたり部下に寄り添う態度を見せるのもNGだと言っています。感情を理由に行動する人は感情を理由に動かなくなるからです。

 部下に怒りをぶつける指導の問題点は、その指摘の内容が事実であっても、部下が帳面から受け止めず、上司の怒りの感情に反発する恐れがあります。上司が怒りにまかせるような態度をとれば、部下はそれを回避すべくミスを画したり、言い訳をしたりします。更に感情にまかせて叱責すればパワハラに当たるケースも出てきます。

 一方で、部下に寄り添いたがる上司は、部下がルール違反を犯してもとがめることができません。以前から、部下の育成は、『認めて、任せて、褒める』と言っていますが、何でもかんでも褒めるのではありません。叱るときにはしっかりと叱るのです。叱るというのは感情を表に出すのではなく、事実を指摘して、間違っていることを自覚させることです。褒めるというのも、事実を指摘して、よくできたこと、上手くいったことを評価するのです。

2.上司の本業:仕事はこう任せる

 上司にとっては、自分の成績よりも、「チームが目標を達成できるかどうか」が重要です。そのため、プレイヤーとしての時間を確保するよりも、マネジメントに集中することが求められます。

 まずは、ルールの設定やそれを部下に守らせることからスタートです。そして、部下には機嫌と状態を明確にした目標を設定することです。部下に一度仕事を任せたのであれば、上司は結果が出るまで口出ししてはいけません。部下の方からアドバイスを求めてきたときには部下に正解を与えるのではなく、部下が自分で考えて正解を導き出せるヒントを与えることです。しかし、チームが掲げていた期限と目標が達成できないと判断したときにはそれを避けるために自らプレイヤーとなる必要があります。その見極めも大切です。

3.モチベーションマネジメントに潜む罠

 上司は、淡々と部下に指示を出せばいいのです。部下からの報告も感情を表に出さず淡々と聞けばいいのです。そうすれば、部下はミスを隠すことなく報告するはずです。

 ルール違反をした部下がいれば、怒鳴らず、「ルール違反だからダメです。気をつけて」と事務的に伝えればいいのです。

 「目標を達成した部下を安易に褒めるのはやめた方がいい」と言っています。目標が100だx忠太として150の成果を出したのであれば「よくやった」と褒めてもいいのですが、110や100だった部下をいちいち褒めていたら、部下はそれに満足してしまい、90や80でも頑張った気になってしまうからです。

 これは、部下のモチベーションを引き上げることによって成果を出す「モトベーションマネジメント」とは逆の考え方ですが、モチベーションマネジメントの難点は再現性が低いことです。モチベーションマネジメントがうまくいくのは部下の数が少ないときです。部下の数が多くなると再現性が難しくなり、モチベーションマネジメントが機能しにくくなります。

 部下のモチベーションを上げるということは極めて重要ですが、モチベーションマネジメントの罠に陥ることなく、部下のモチベーションを上げる工夫を行なう必要があります。