休日の本棚 ダントツになりたいなら「たった1つの確実な技術」を教えよう
おはようございます。
今日も新しくブログを書く時間的余裕がありません。申し訳ありませんが、過去に紹介した本を再度紹介しておきます。
エリック・ベルトランド・ラーセン著「ダントツになりたいなら、『たった一つの確実な技術』を教えよう」(飛鳥出版)です。
著者のエリックは、アスリートや企業エリートなどにメンタルトレーニングやコーチングを行い、マイクロソフトやイケア、ボルボなどの大企業で講演しているノルウェーのメンタルコーチです。「ダントツの人を育てる」スペシャリストです。本書の監修者は、最近よくテレビに出ている弁護士の山口真由氏が行っています。
アスリートや企業エリートのような高い目標を持って努力している人にも必ず不安が付きまといます。不安を感じても後ろ向きに考えるべきではなく、前を向いて進まなければならないと頭では分かっていても、なかなかできることではありません。
多くの自己啓発本は、ポジティブ思考を訴えますが、その大半は精神的なもの、スピリチュアルなものです。
本書は、「精神的なフィットネスは単なるスキルだ」と言っています。抽象的な精神論ではなく、誰でもがすぐの実践できる「スキル」(技術)なのです。
1.自分が思っているよりも、はるかの上に行けるのだ。
自分で決めたハードルをいとも簡単にクリアする「ダントツの人」とそうでない人との違いは驚くほどわずかな違いであり、それが大きな差を生むのです。「ダントツの人」は普通の人が見落としそうな小さなこと、日々のちょっとした習慣に心を砕いているのです。そして、「ダントツの人」は、日常の小さな「正しい決断」を下すのが上手なのです。
その差を生むのがメンタルトレーニングだと言っています。少しだけ日々の習慣を変えてみる、それが将来のパーフォーマンスに格段の変化をもたらし、いざという時に最高の実力が出せるようになるというわけです。
「ダントツの人」、「結果を残せる人」は正しい選択を積み上げているだけです。人間は本能的に一番楽な解決策を選びたがるものです。理性が何を主張しようとも感情が勝ってしまいます。その時に「正しく質問をする習慣」を身につけることが重要です。
正しく質問することで自己認識の能力を伸ばす、考え方を変えることが出来れば、努力の結果によって「いい気分」が生まれます。その感覚は、外部から与えられるものではなく、内面から生まれます。運や偶然ではなく、意志力や目標を持った行動の結果から得られるものです。
日常生活でも競争の場でも「あの快感」を追いかけることが、前に進む原動力になります。そこで大切なのは、何によって「あの感覚」を得られるかということです。その答えは、自分がどんな人間で、どんな価値観と欲求を持っているか、によって異なってきます。
まずは己を知り、自分の価値観と欲求を知ることがスタートとなります。
2.日常生活を変える。
- まずは自分の現在位置を確認すること(人生を俯瞰で見る)・・・習慣を変えるには感情を引き出す、感情を引き出すための方法のひとつが人生を俯瞰で視ること。人生を俯瞰で視るということは、人生には終わりがあるという意識を持つということです。そう意識することをやる気につなげていくというのです。人間は本質的に変化を嫌う生き物です。惰性を嫌悪する感情を引き出すのです。人生を変えるのは感情です。次に「他人が出来ることは自分もできる」という意識を持つことです。人生を俯瞰で見る目的は、自分の「価値観」と「欲求」を正確に知ることです。「価値観」とは「その人が完全で調和した人生を送るために必要な、最も基本的な要素」です。「あらゆることを総合してあなたにとって一番大切なものは?」という質問に対する答えです。価値観が明確ならば、「これからしようとしていることは自分の価値観に合っているか」と自問し、答えがイエスなら実行し、ノーならやめればいいのです。人生を俯瞰で視ると、価値観だけでなく、欲求も明確になります。生存のために不可欠な欲求のみならず自尊心や自己実現の欲求など、自分の欲求を順位付けします。優先したい価値観と譲れない欲求を知ると、人生の核心が見えてくるはずです。人生を俯瞰で視て自問を繰り返すと、それが行動を伴う習慣に変わります。
- 今すぐ成功に備えなさい・・・不安や恐れのスイッチが入ると、個人的成長や夢の実現を大きく阻害することにもなります。ほとんどの不安には実体はありません。不安はコントロールがきく感情で、前進を続けたりパフォーマンスを向上させたりするために利用できるものです。実体のない不安に心を砕くのではなく、「どんな結果を望むのか」に意識を集中することが重要です。つまり、成功することを念頭に備えるということです。失敗した時の不安を軽減するために、第二の選択肢を考えておくというのも大切です。パーフォーマンスを阻む可能性がある様々なシナリオを想定することは欠かせません。20%は最悪のシナリオへの備えであり、80%は成功への備えとすべきです。次に目標を設定することです。目標が決まればエネルギーを適切に注ぐことが出来ます。目標の決め方は、その目標によって感情が書きたてられるかということです。良い目標とは、考えているだけで「あの快感」が得られるものです。迷ったら「あの快感」を探すことです。良い目標、感情を揺さぶる目標を持っていれば、そのことを考えるたびに自動的に正しい選択ができるようになります。過去の絶好調を思い出すというのも未来のヒントが得られます。アスリートでもビジネスでも目標設定は同じです。成功するビジネスには必ず明確なゴールがあります。会社の長期目標を立てその方向にかじ取りすることに加え、経営者自身がどのようになりたいかという目標を持つことも重要です。良い目標を設定するということは、捨てるべきものが見えてくるということで、何かを犠牲にする決心もつきます。覚悟を決めて犠牲を受け入れれば受け入れるほど目標に近づく力は強くなります。決断するなら早い方がいい、しかし遅すぎるということはありません。
- 努力を自動化する・・・目標を常に思い出し、自分が何と戦って何を手に入れたいのかを確認することが大事です。そのために思い出すためのスイッチを作ることです。アスリートもビジネスでも1年以内に出したい結果を高望みしがちですが、1年はあっという間に来ます。忍耐強く、粘り強く、あと一歩踏ん張る力が必要になります。少ない労力でよい結果を出すようになるには長期間の忍耐と集中力が求められます。長期的な視点を持ち努力を続けることが、人生のあらゆる分野で大きな価値を持ちます。長期的な視野を持つと、逆境が楽しめるように自分を訓練することも重要になってきます。逆境は強さと個性を発揮するチャンスの場です。ミスをする可能性を前もって冷静に備えておけば、低迷期が意外なサプライズではなくなります。逆境に立ち向かう最良の道は、小さなことをプラスの方向に修正していくことで、それによって希望が生まれ、うまく事が運ぶと思えるようになります。小さな障害に直面した時に前に進め能力こそが、ダントツとその他大勢を分ける差になるのです。
- あらゆる才能は作られたものでる・・・非凡な結果を出すための唯一の方法は鍛錬です。どんな分野でも成功のカギを握るのは鍛錬であり、一万時間」を費やせば平凡な人間でも特定の分野において世界レベルの能力が得られるようになります(一万時間の法則)。「人生で特別なことを成し遂げたいなら、とにかく練習、練習、ひたすら練習。僕はそう信じている」(ベッカム)かけた時間の分だけ成長するのはビジネスでも同じです。好きなことをやれている人は、長期間にわたり自分を律する能力と、も区報に向けた不屈の頑張りが、どこまで高みに行けるかを決めます。リーダーを目指す場合も然りです。初めは必要な資質に欠けていても、自分の問題に気づき、フィードバックを受け入れ、コンフォートゾーンから脱出して行動を起こすことで、優れたリーダーに生まれ変わることが出来るのです。
- 心のつぶやきが人生を決める・・・人間は常に何かを考えているが、状況を他dし食捉えていないことが非常に多い。思考はコントロールできるものです。思考のコントロールを訓練すれば、かなりの程度まで感情を操作でき、自分の行動のかじ取りが出来るようになります。「すること」と「しないこと」を決めるのは感情だからです。使う言葉は感情に影響を及ぼします。ネガティブな言葉はネガティブな感情を生み出します。常に「何をしないか」ではなく「何をするか」に意識を向けるべきです。「どうして成功しないのか」と自問すると脳が即座に成功できないネガティブな裏付けを始めます。「成功するにはどうすればいいか」と自問すれば脳はその答えを探し始めます。自信は正しい質問で形作られるものです。
3.本番力をつける。
- イメージの視覚化・・・何らかのイメージを思い描くことです。これは自分が望むパーフォーマンスをイメージすることです。簡単に言えばイメージトレーニングですが、前もって心の目で見ておくことではるかに楽に実践できるものです。イメージの視覚化とは、これから起こることを予想する作業です。つまり、本番の前に「経験済み」の境地に達しておくことです。問題に取り組む前にポジティブな感覚を持たせることが大切です。最初に誇りに思っていることに意識を向けるとうまく流れに乗れます。自信にあふれ穏やかな気持ちで事に臨むことが重要です。自信というのは自己評価です。過去にタフになれたら再びタフになれますし、一つの領域でタフの慣れたら別の領域でもタフになれます。無関係は領域で自分に負荷をかけた経験によって憑けた自信が最も苦手な状況で発揮するのです。緊張は戦いの準備です。緊張した時には、この緊張を利用してやろうと考えると緊張を軽減できます。イメージトレーニングを10回行うと精神的にも余裕が出ます。しかしイメージトレーニングは趙リアルでないといけないのです。また、うまくいかなかったときについてもイメージしておかなければなりません。
- なりたい人のしぐさを真似る・・・脳はしぐさと感情を同化するようにできています。笑う時に使う筋肉は前向きな感情と連動しているために、気分が少し軽くなりますし、落ち着いた深い呼吸はリラックスと連動しており仕事のパフォーマンスを向上させます。意識的に自分のなりたい気分にしてくれる服装選びも重要になります。
- モードを使いこなす・・・「モード」とは「最適なパフォーマンスを行える精神状態のこと」です。誰でも最適のパーフォーマンスを粉いやすい領域、ムード、時間帯、エネルギーレベルを持っています。そのモードを突き止め、そのモードに入るテクニックを習得すれば、余計な心配や不安を抱くことを軽減できます。しかもはるかにいいパフォーマンスが出来ます。トレーニングの目的は本番を自動操縦で行えるようにすることです。本番中はやるべき作業について考えてはいけません。思考は正しいモード、つまり最適な精神状態に入るために使うのです。自分のモードを探すために、これまで最高のパフォーマンスをした状況をできるだけ鮮明に思い浮かべることです。過去の経験をリアルに呼び出し、「ベストの状態にいるとき、自分がどんな人か」を調べるのです。定義には2つ、3つの単語を使います。過去の境地にたどり着いて、その経験の中に身を置いたまま、モードで選んだ単語を繰り返すのです。そうすることで、その単語を思い浮かべることで正しい感情を生み出すことができ、気が付けばモードに入り最高のパフォーマンスを行うことが出来るようになります。
- 折れない心を作る技術・・・タフであることは、意識を持って選択することです。何かを決める時にはその選択肢を取る理由を常に意識すべきだからです。タフになるということは自分の望む生き方をすることです。タフであるということは違う考え方をする勇気を持つことです。タフであるということは、辛くても進み続けるということです。人生は厳しいものです。しかし、大切なのは、人生に痛い目にあわされたことではなく、どれぐらい受け入れて、それでも前に進み続けられるかということです。
この本は、人生でもビジネスでも役に立つ本だと思います。別にダントツの人を目指さなくても読む価値はあります。