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部下の隠された意図をつかむ

おはようございます。

昨日は「リーダーは立ち位置」ということを書きました。今日は、それとも関連しますが、「部下の隠された意図をつかむ」ということについて、過去のブログを貼り付けます。
昨日の話では、上司が部下の相談に乗っていいのは、①「部下の権限では決められないこと」を決めるとき ②「部下が自分で決めていい範囲かどうか」迷っているときの2つだけということです。部下が自分の権限で決めることができる内容については「突き放す」ということが基本だという話でした。もっとも、思い悩んだ末に自分では決めかねて、部下が上司に相談しているのなら、何に悩んでいるのかを聞き出し、結論への道筋をアドバイスするのは許されると思います。
今日の話もその続きで、部下に安易に解決策を与えたり、仕事自体を引き取ってしまうといつまでたっても、部下は自分で考えて行動するようにはならないということです。
上司は、部下から「教えてください」と素直に頭を下げられると弱いもので、ついつい甘くなって教えてしまいます。それでは部下の成長はありません。
部下から「教えてください」と言われたときには復唱と合いの手を貫くのがいいのです。つまり部下が「教えてください」と言ってきたとき、上司は「教えてほしいんだね」と復唱し、「それで?」と合いの手を入れて部下の反応を待つのです。
「教えてください」という言葉に素直に乗らないことで、部下の感じていることや考えていることへの理解を深めることができるのです。部下が何に悩んでいるのか、どのような解決策で悩んでいるのかが分かるかもしれません。また、上司が「それで?」と問いかけることで、部下自らそのことを考える中で、自らの悩みへの解決策を見出すかもしれません。
また、部下が上司に怒られるかもしれないリスクを冒してまで「教えてください」と言ってくるのは、同僚や先輩に相談しても解決できなかったからかもしれません。そうであるならば、「何かあるな」とアンテナを張って、部下の「教えてください」という言葉の裏に「隠された意図」を探さなければなりません。部下の「教えてください」という言葉の裏には、「別の相談したいこと」や「伝えたい何か」が隠されているのかも入れないのです。
部下の「隠された意図」をつかむための具体的な対話のスキルとして、次の4つがあります。
ステップ1:復唱する・・・単純な復唱のコツは、キャッチボールをイメージすること。具体的には相手が投げてきたボール(言葉)を受け取り、それをそのまま相手に投げ返すイメージです。
ステップ2:真意を引き出す・・・部下が本当に話したかったことを引き出す。キャッチボールをしながら、会話の中から部下から言いにくい真意を引き出すこと。何気ない相談の裏に深い「真意」が隠れているかもしれません。
ステップ3:テーマを設定する・・・部下の真意をつかんだら、それを基にテーマ設定すること。相手の言葉を復唱して伝え確認を取ることで、上司と部下はこれから同じ話題について話していくのだというプロセスへの理解が深まります。
ステップ4:合意形成する・・・テーマ設定が完了すれば、上司と部下が同じ話題について話すということについての合意を取り付けること。
ただ、「教えてください」という言葉の中には単に「聞いてほしい」だけということもあります。こういう場合にも無碍に突っぱねてはいけません。
これからのリーダーシップには、相手の感情を理解して働きかけるコミュニケーション力が必要です。
以前にも書きましたが、現代の職場では様々な価値観を持つ人がいて多様化しています。報酬や昇進といった外的要因ではなくどのような感情を抱くかという内的要因がモチベーション向上に役立つようになっています。こうした機会は部下との信頼関係を構築するためのチャンスであり、これによって部下のモチベーションを高めることにもなるのです。