中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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幅広い世代が働く企業の生産性

おはようございます。

これまでも高齢者雇用について書いていますが、今日の内容もそれと関係します。

業務を支えるテクノロジーは絶えず変化していますが、同時に職場の年齢構成にも変化が起きています。アメリカでは55歳を超えても仕事を続ける人が増え、1つの企業の中に5世代の人が働いているという状況が生まれています。仕事のハイテク化についていくためには、これらすべての世代の人に新たなスキルの習得が必要になります。

高年齢の従業員は新しいテクノロジーに適応できないという固定観念は間違いです。55歳以上の従業員は、若い世代の従業員よりもストレスを感じることなく、職場で新しいテクノロジーを使用できているという調査結果があります。テクノロジーの難しさより高齢従業員はテクノロジーの使い方を習得できないという固定観念が高齢従業員の雇用環境・学習環境に弊害を与えているのかもしれません。高齢者だからと言って新しいテクノロジーを習得する意欲がないということではありません。若い人以上に意欲を持っています。テクノロジーの習得は適性や能力よりも慣れに負うことが多いのです。経営者や上司はこのことを頭に置いておく必要があります。

若い世代は、インターネットやスマートフォンのアプリ・ゲームとともに過ごし、社会生活のかなりの部分をデジタルで賄っているかもしれません。ところが、そうしたデジタル時代の考え方が、仕事の成功に求められる唯一の条件というわけではありません。過剰にテクノロジーに依存すれば、チームワークや対人コミュニケーションなどのソフトスキルが損なわれる可能性があります。だからと言ってこの世代の人たちもソフトスキルを学ぶ意欲がないわけではありません。

どの世代にも得意分野があります。人によって学び方が違うために、新たなスキルの習得には柔軟性がカギとなります。自分のスケジュール、適性、好み、得手・不得手などに応じてトレーニングを受けることができるということが重要です。トレーニングの最適化に特に重要なのが、マイクロラーニングとフローの中での学習です。

マイクロラーニングでは、情報を少しずつ提供し新しい知識を覚えやすくします。フローの中での学習では、従業員の1日の業務を通して手元の作業と最も関連性が高くなるタイミングに合わせて、各トレーニングを分散して行います。

デジタル研修(オンライン研修)が普及したからといってすべてをオンラインで行う必要はありません。上の世代の従業員と下の世代の従業員に協力させ、様々な経験を強みとして研究を行うのが賢いやり方です。

上の世代の従業員は、業務に関する個人の知識を提供し、ネットやソフト経由のトレーニングでは得られない「ソフトスキル」を下の世代の従業員に伝えることが出来ます。また、下の世代の従業員は上の世代がテクノロジーの進化に馴染めるようにサポートすることが出来ます。従業員を繋ぎ、互いに教え合うことが出来れば、デジタル研修以外の方法でも、その都度学び合うことが出来ます。

多様な世代が働く職場は、上の世代と下の世代が繋がり協力し合うことで生産性が高まります。上の世代が持つ経験に基づく知識も下の世代が持つ若々しい才能も、企業にとってはどちらも無視できない資産です。

上の世代の経験・知識と下の世代の才能を結び付けるためには、上の世代と下の世代とを結びつけうまく機能させるような組織や仕組みを作ることが大事です。 特に重要なのは上の世代と下の世代の人間関係、対人コミュニケーションです。