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コロナ禍とデジタル化で大きく変わる社会

おはようございます。

デジタル化が浸透し、これまで世界が長い時間をかけて変わろうとしてきた中で、新型コロナウイルスの感染拡大が社会・経済を揺るがし、その流れを大きく加速させています。

世の中の環境や人々の生活様式が変わると商品への需要動向は大きく変わります。これまでは長い時間をかけゆっくりと気づかないうちに変わっているということもありました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は、急速に社会の環境や生活様式を変えました。人々の生活様式やライフスタイルが変わると需要や市場のニーズも変わります。当然のことながら、新しく生まれるものもあれば消えてなくなるものもあります。新たな需要を満たすために企業は新しい商品やサービスを開発しなければなりません。新しい業態が生まれることもあります。

そうした中、社会のデジタル化が進行しています。「デジタル化社会」「デジタル時代の到来」はすでに始まっています。われわれの身近にみられる現象から3つの重要な流れがあります。

1.データのデジタル化

 1つ目は「あらゆるデータがデジタル化されて捕捉できるようになる」ということです。われわれは、普段の生活の中で様々なデータを生み出しています。監視カメラやドライブレコーダーで記録された映像に始まり駅の改札を通過する、ETCで高速道路のゲートを通過する、コンビニでスマホ決済するといった行動のたびにデータが生み出され保存されます。今後、生活者の衣・食・住、健康状態、購買、移動などの行動に関わる情報にとどまらず、気候、交通、災害などの社会環境に関わる情報、企業における次号や業務に関わる営みなど、あらゆる情報がデジタルデータとされ捕捉できるようになります。データは捕捉されて保存されるだけではありません。このデータは、分析や予測に活用されることで、利用者がより便利になったり、新しいサービスやビジネスが生まれたりすることで、現実の社会にフィードバックされることが重要なポイントだと言っています。しかし、こうした利点ばかりではなく、個人情報が集約されることからくる危険性(情報の漏洩など)にも気を配る必要があります。

2.人とモノのつながり

 2つ目は、「インターネットなどのネットワークによって人とモノが繋がりを持つ」ということです。人と人とのつながりはSNSの普及で広がってきています。こうした人と人との仮想的なつながりを利用することで、企業のマーケティングや顧客との接点の作り方にも変化が生まれます。あらゆる行動や事象がデジタル化されると、それをやり取りすることで新しい価値が生み出されます。それは人と人とのコミュニケーションかもしれませんし、商取引かもしれません。例えば、宅配便が届く日時をメッセージアプリで伝えてくれたり、海外のインストラクターの映像を見ながらエクササイズしたり、オークションサイトやメルカリなどで消費者同士が物の売り買いをすることもできます。こうした人と人とのつながり、消費者と事業者の繋がりを活用して、企業のマーケティングや顧客との接点の作り方も変わってきています。また、人と人だけではなくlot(モノのインターネット)によって、センサーを搭載したエアコン・冷蔵庫や自動車がネットと繋がるようになると、繋がる対象は一気に広がります。

3.仮想的な世界

 3つ目は「物理的な世界の他に仮想的な世界が存在し、それらを行き来できる」ことです。デジタルデータがネットワークと通じて行きかうことで、現実世界とは別の仮想的な体験や価値という概念が生み出されました。データとネットワークが作り出す仮想の空間で会議をしたり、教育を受けたりすることが出来るようになっています。仮想の通貨を使うこともできますし、仮想の世界で遊ぶこともできます。今後はさらに観光をしたり、診療を受けたりと、あらゆる場面に広がっていきます。

クラウドやモバイルはすでに広く普及していますが、AI、Iot、5G、ビッグデータブロックチェーン、AR・VR(拡張現実・仮想現実)などこれからのデジタル化社会をけん引するテクノロジーは多岐にわたります。これらは単独で活用されるより組み合わせることで大きな影響を及ぼすと考えられます。この点については、以前5Gについて書いたところで書いていますので参照してください。

今後、われわれがまだ想像もしていない応用分野を生み出していくに違いありません。ウイズコロナやアフターコロナにおける新しい日常を創り出したり、支えたりするためにもさまざまな技術が適用されていくでしょう。

まずは、こうしたAI・ビッグデータなどの新しい技術の活用でコロナウイルスとの闘いに勝つ方策を考えることです。

デジタル化の波は急激に進んでいくでしょう。日本はこの分野で後れを取っています。日本経済や企業の復興のためにも、国を挙げてこの分野に力を注ぐことが重要だと思います。