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出世を絶たれた管理職の逆転劇 独立起業という道

おはようございます。

今は、特にこのコロナ禍では、企業のミドルにとっては不遇の時代かもしれません。働き方改革で65歳定年・70歳定年が導入され始めたとはいえ、終身雇用が保証されず、出世コースから外れて給与も減少し、いつ早期退職勧奨されるかとビクビクしながら出社している人、会社からお荷物扱いされている人、年下に偉そうにこき使われている人などストレスをため込んでいる人も多いのです。

こういう状況に追い込まれると、「こんな会社辞めてしまおう。独立だ」などと思いながらも、低いとはいえ安定した給与を投げ出して独立する勇気が持てない人も多いのです。「会社内での評価も高くなく、出世コースから外れるような自分には独立してもうまくいくわけがない」とネガティブ思考で一歩を踏み出せないのです。

しかし、『会社内の評価=自分の本当の実力』とは限りません。仕事のスキルが低くそのために社内の評価が低いのであれば、独立しても成功はおぼつかないでしょう。しかし、たいていの人は、ジョブローテーションで自分が得意とする分野の仕事に就けていないケースが多く(この点が日本型雇用のメンバーシップ雇用のデメリットです)、能力がありながら上司との関係がうまくいっておらずに上司から低評価を点つけられている場合もあります。

「会社という場における一面的な評価」「仕事上の話で、自分の人格とは関係ない」と割り切ればいいだけの話です。しかし、なかなか割り切れないのが人間です。ついクヨクヨと悩んでしまいます。でも他者からの評価がすべてではありません。自己評価をすれば自分にもいいところが見つかります。逆に、評価した人間を評価して見れば、自分と大差ないことがよく分かるはずです。評価とはきわめて主観的なものです。脳科学によれば、脳は騙されやすいのです。「自分はできる」「やればできる」と100回、1000回言い続けていれば脳は騙され、「できる」という意識が植え付けられます。こうした脳のコントロールは、鬱状態にならないためにも必要です。

一人の管理職Aさんの例を取り上げます。Aさんは非常に優秀な管理職であったのに役員になれなかったことで鬱状態になります。Aさんは、非常に優秀ですが尖ったタイプ。現場では大胆な発想や決断ができ、部下をぐいぐいと引っ張り結果も出せたのですが、同調圧力の強い日本企業では、このタイプは上に行けば行くほど敵を作ってしまいます。上司や周囲とぶつかることもしばしばで、まさに半沢直樹タイプと言ったところです。日本においては、こうした尖ったタイプよりは丸いタイプが好まれます。昨日の話によれば、「率い型」ではなく「まとめ型」です。Aさんは能力がなかったから役員になれなかったのではなく、会社が役員に求めるタイプとは違っただけのことです。しかし、Aさんは、自分に能力がない、会社に評価されていないと思い込み鬱になってしまったのです。

このようなAさんこそ、独立向きです。その後、Aさんは、会社を退職し、独立し、生き生きと仕事をされているようです。現実の組織の中では半沢直樹タイプは生き残るのは難しく、波風立てないバランス感覚が求められますが、独立して一人社長として働くならば、尖ったタイプこそ成功するはずです。特にコロナ禍のような危機的状況では、自ら率先して行動を起こす尖ったタイプが求められます。率い型のリーダーが必要なのです。

Aさんのエピソードはレアケースではなく、会社内で評価されなかった人が、独立して成功されている事例は多くあります。社内の評価と、独立後の成功とは何の関係もありません。独立しようと考えている人には勇気と希望を与えてくれます。

社内での評価があたかも自分の社会的価値のように思い込むのを止めにしましょう

強い意志と熱意を持った尖った起業家が出てくることが日本経済の復興には必要なように思います。 今後多くの強い意志と熱意を持った人が独立起業されることを期待します。