中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

中小企業経営のための情報発信。中小企業から日本を元気に

休日の本棚 世界最強の商人

おはようございます。
今日は、オグ・マンディーノ著「世界最強の商人」「その後の世界最強の商人」(いずれも角川文庫)を紹介します。「世界最強の商人」の原著はアメリカで1968年に出版された小説で、セールスにかかわる人の哲学が、更に人生を成功に導く知恵が語られています。最初はあまり売れませんでしたが、当時の経済界の重鎮の目に留まりその後ベストセラーとなり、今も読み継がれている本です。日本では、最初、1996年に日本経営合理化協会出版局が豪華な箱入りの書籍として9800円で出版しましたが(経営者が会社の経費で購入することを想定したのでしょう)、今は角川文庫で600円あれば購入できる本になっています。ただ、日本経営合理化協会の本にあるワークブック形式の実践編はついていませんが、角川文庫の本編だけでも十分に読む価値があります。
ある善行がきっかけで、少年ハフィットは師から成功のための秘訣が書かれた10巻の巻物を譲り受けます。巻物の教えを忠実に守り実践したハフィットは大成功を収めます。ハフィットは、巻物を受け継ぐ人物を秘かに待ち続けます。時は流れ、年老いたハフィットを埃まみれの青年が訪ねてきます。本書は物語形式で、巻物の内容を語りながら、人生の成功の原理を説いています。
ハフィットが師から教えられた教訓・・・「もし成功しようとする決意が十分に固ければ、失敗することはない
第1巻 私は今日から、新しい人生を始める。この本の読み方について・・・私はそれぞれの巻物を30日間、ここに規定された方法で読み続ける。それを終えるまでは次の巻物に進んではならない。朝起きたとき・昼食後に黙読する。眠りにつく前に音読する。これを30日続ける。これは教えを習慣化させるということ=「私は良い習慣を作り、その奴隷になろう」「成功者と失敗者の違いは、ただ一つ習慣の違いだ
第2巻 私は今日という日を心からの愛を持って迎えよう。愛はいかなる事業においても成功に導く最大の秘密だ。愛は人のハートを拓く私の武器であるだけでなく、愛は憎しみの矢と怒りの槍を跳ね返す私の盾でもある。「今から私はすべての人を愛そう。今この瞬間から、憎しみを私のすべての血管から追い払おう
第3巻 私は成功するまで頑張りぬく。私は敗北のために生まれてきたのではない。「あきらめずに何度も試み続け、前に出て戦い続ければ、絶対に成功するだろう私は絶対に敗北を考えない。私の辞書に『やめる』『できない』『力不足』『不可能』『問題外』『失敗』『実行不可能』『希望なし』『撤退』という言葉はない」「私は昨日の成功で自分を甘やかして、今日の自己満足にしたくない。何故なら、それこそが失敗の最大の原因になるからだ」
第4巻 私はこの大自然最大の奇跡だ。私は唯一かけがえのない存在だ。「私はこの地球に偶然に生まれたのではない。私はここに目的を持っていまれたのだ。その目的とは偉大なる山のように成長することだ。今日から私は自分の可能性をその限界まで活用し、最高の山になるためにあらゆる努力を惜しまない」「大自然は敗北を知らない。自然は最終的には勝利する。私も同じだ」
第5巻 私は今日が人生最後の日だと思って生きよう。残された貴重な一日をどのように過ごすべきか?昨日の不運や敗北、心痛を嘆いて一瞬でも時間を無駄にするのはやめよう。昨日のことを忘れるように不確実な明日のことも考えないようにしよう。「私には今日しかない。今という時間は私にとって『永遠』なのだ」「もし、私が今日を無駄にすれば私の人生の最後のページを台無しにする。今日の時間を大切にしよう。今日という時間は戻ってこないからだ」「私は時間を無駄にするものは極力避けよう。ぐずぐずと延期することはやめ、直ちに行動しよう」
第6巻 今日、私は自分の感情の主人になる。「弱者とは、自分の感情が行動を支配することを許す人のことである。強者とは、自分の行動によって感情を支配する人のことである」「もし気分が沈んだら歌おう。もし悲しかったら笑おう。もし気分が悪かったら仕事を倍にしよう。もし怖かったら頭から飛び込んでゆこう。もし劣等感を感じたら、新しい服に着替えよう。もし自信を失ったら声を高めよう。もし貧しさを感じたら来るべき富を考えよう。もし能力に自信を無くしたら過去の成功例を思い出そう。もし卑屈になったら、自分の目標を思い出そう。今日、私は自分の感情の主人になる」
第7巻 私は世間を笑おう。笑うことが出来るのは人間だけだ。良く笑う習慣を身につけよう。今日一日笑いで塗りつぶそう。悲しみや自責の念や悔しさは、市場では何の価値もない。しかし微笑みには黄金の価値があり、私の心からの優しい言葉は城を築くことが出来る。
第8巻 今日、私は自分の価値を100倍にする。私は今日の目標を設定してから今週の目標、今月の目標、今年の目標を次々に設定し、最後に人生の目標を設定する。人生の目標を設定するには過去の最高の業績を考慮して、それを100倍にしよう。
第9巻 私は、今行動する。「私の夢は無価値だ。私の計画はゴミだ。私の目標は無駄だ。どれもみな、行動が伴わなければ全く無価値だ」「誘惑に出会うと、私はこの言葉を唱える。そして、すぐに誘惑から逃れるために行動する」「今日はもう終わりにしよう、また明日にしよう、という思いに駆られたとき、私はこの言葉を唱え、すぐに行動して、もう一品売ろうを試みる」「私は今行動する。なぜならば、私には今しかないからだ。明日は怠け者が仕事を予約した日だ。私は怠け者ではない。明日は悪人が改心する日だ。私は悪人ではない。明日は弱虫が強くなる日だ。私は弱虫ではない。明日は失敗者が成功する日だ。私は失敗者ではない」
第10巻 私は導きを求めて祈る。私は世間の物質的なものを求めて祈りはしない。私は黄金や愛や健康や、ささやかな勝利や名声や成功や幸せをくださいと求めはしない。私は導きだけを求めて祈る。これらのものを手に入れる方法を示してくださいと祈るのだ。「私が求めているものは、お金や着るものではありません。またチャンスでさえありません。その代わり、私が既に与えられているチャンスを生かす能力を得られるようにお導き下さい」
次に「その後の世界最強の商人」を紹介します。これは、「世界最強の商人」の20年後に書かれました。20年間のマンディーノ自身の経験と人生の洞察によってより深いものになっています。
巻物を譲り渡して隠居したハフィットは講演旅行で訪れたローマで、巻物を譲った青年パウロがとらえられていることを知ります。伝道の途中で巻物を落としたと訴えるパウロは、ハフィットに再会した翌日に処刑されてしまいます。パウロの遺志を継ぐために、ハフィットは残りの人生をかけて巻物の教えを書き出すことを決意します。
この本の読み方については、1日に2回、朝と寝る前に読むことと夜寝る前は声を出して読むこと、1巻につき7日間続けて読むことが書かれています。1巻を毎日7日間読んでから次に進みます。
第1巻 第1の誓い・・・自己憐憫・自己卑下しない。「私は二度と再び、自己憐憫や自己卑下はしない」
第2巻 第2の誓い・・・毎日の目標を持つ。「私は二度と再び地図なしに夜明けを迎えはしない」
第3巻 第2の誓い・・・熱く燃えて生きる。「私は毎日暑く燃えて生きる」
第4巻 第4の誓い・・・人と対立しない。「私は二度と再び、人に不愉快な態度で接しない』
第5巻 第5の誓い・・・不運を勝利に。「どんな不運に会おうとも、私はいつもその中に勝利の種を見つける」
第6巻 第6の誓い・・・常に最善を尽くす。「どんな仕事であれ、今後、私は常に最善を尽くす」
第7巻 第7の誓い・・・今の仕事に全力を尽くす。「私は常に今している仕事に全力を尽くす」
第8巻 第8に誓い・・・チャンスをつかむ。「私は二度と、チャンスが向こうからやってくるのを期待して待つようなことはしない」「チャンスがドアを叩いてくれるわけではない。私がドアを叩いたときにだけ、チャンスは応えてくれるのだ。私はいつも大きな音でドアを叩くつもりだ」
第9巻 第9の誓い・・・一日の反省。「私は毎夜、その日一日の自分の行動を精査する」
第10巻 最後の誓い・・・祈りと感謝
「世界最強の商人」と「その後の世界最強の商人」とは、物語形式でわかりやすく人間の本質をとらえたアドバイスや名言が多く、ためになります。毎日1巻ずつを一日2回、3回、それも7日とか30日続けて行う(1冊読み終えるのに2か月、10か月かかります)のは面倒くさいですが、ざっと読むだけでも役に立ちます。