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休日の本棚 世界一「考えさせられる」入試問題

おはようございます。

受験シーズンに入りました。受験生だけでなく、受験生を持つ親も大変です。
今日は、ジョン・ファーンドン著「オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一『考えさせられる』入試問題」(河出出版)を紹介します。オックスフォード大学、ケンブリッジ大学は言わずと知れた英国の名門エリート大学です。その入学試験では、超絶な思考実験が行われています。その難問奇問にどのように答えるのか?
日本の大学入試では、思考力よりも暗記力が重視されています。これが必ずしも悪いとは思いませんが、暗記により得られた知識が社会に出て役に立たないことも事実です。思考力に裏付けられた知識が重要です。世界大学ランキング2020のトップ200には、日本では東京大学36位、京都大学65位に2校がランクインしているだけです。中国が7校、韓国は6校ランクインしています。これも暗記力重視の弊害かもしれません。
この本から、いくつかの問題を紹介します。考えてみてください。
Ⅰ:あなたは自分を利口だと思いますか?(ケンブリッジ・法学) 
 実に意地悪な問題です。謙虚に「いいえ」と答えれば、ここは利口な人間しか合格しないケンブリッジ大学。落とされるかもしれません。「はい」と答えれば、正真正銘のバカと言っているようなものです。面接官は受験生よりも利口であることは間違いないありませんし、学ぶ姿勢が欠如していると思われるかもしれません。では、どのように回答すべきでしょうか。「自分は知らないことを知らないと言う。そのことで優っているらしい(無知の知)」(アリストテレス) 「自分が利口であることを隠すべき時を心得ている者こそ利口である」(ラ・ロシュフーコー)「私はあまりにも利口だから、時として自分が何を言っているのか一言も理解できなくなる」(オスカー・ワイルド)「もし善良な人がみな利口なら、もし利口な人がみな善良なら、世界はずっといいものになる。そうなるかもしれないと思っていた。ところがどうしてこの両者、手に手を取って歩みはしない。善良は利口に厳しすぎる。履行は全量に失礼すぎる」(エリザベス・ワーズワース
Ⅱ:過去に戻れるとしたらいつにしますか、それはなぜですか?(オックスフォード・法学) 
 ここではどのように答えるべきでしょうか。自分の過去に戻って自分の人生をやり直すだけでよいのでしょうか、歴史の重大事件に立ち会いそれに介入してよりよい社会を作るのでしょうか。過去の出来事に介入できず、目撃することしかできないとしたらどうなのでしょうか。
Ⅲ:もし全能の神がいるとしたら、神自身が持ちあげることが出来ない石を造ることはできるでしょうか?(オックスフォード・古典学)
 神学者にとって、全知全能の神は人間の論理を超えた存在です。「神自身が持ちあげられない石を造ることはできる。そして神はそれを持ち上げることが出来る」。これは「石の逆説」と呼ばれている問題です。神学者や哲学者は何百年もこの問題を真剣に考えてきました。しかしこの問題は逆説ではありません。全能者によって持ち上げられない石はそもそも存在しないのです。四角い円、既婚の独身男性などと同じ、この質問は最初から意味がないのです。
Ⅳ:自分の腎臓を売ってもいいでしょうか? (ケンブリッジ・医学)
 本当に難しい判断を伴う問題です。移植される腎臓の多くは死亡したドナーから提供されますが、人間は片方の腎臓だけでも生きていけるので、生きているドナーから提供される場合もあります。腎臓を提供して助けてあげたいという人のどこがいけないのでしょうか?無償ならいいのでしょうか、有償ならダメなのでしょうか? しかし、腎臓を売るのはほかの物を売るのとは違います。身体を傷つけ命にかかわることもあります。自分がドナーとなって家族や友人を助けることが出来るなら「イエス」という回答もいいでしょうが、自分を危険な目に合わせ却って家族や友人を悲しませ苦しませることになるなら「ノー」という回答になるでしょう。悩ましい問題です。
Ⅴ:あなたならリンゴをどう説明しますか? (ケンブリッジ社会学政治学) 
 植物学者ならバラ科リンゴ属の木になる仁果果実と説明するでしょうし、有機化学者なら水分、果糖やブドウ糖などの糖分、リンゴ酸などの弱酸、ビタミンC、ミネラル、アミノ酸を含む細胞内におけるセルロースの配列と説明するかもしれません。八百屋なら「そのままがぶりとやりたくなる、甘くてサクッとした歯ごたえがあってうまい」というでしょう。中世の芝居見物の客は役者に落胆すると「(腐った)リンゴ」(日本なら大根役者)と言ったようです。ニュートンなら「万有引力を発見したもの」というでしょう。説明する人がどのような職業か立場かで説明の仕方・内容は異なるのです。
Ⅵ:カタツムリには意識はありますか? (オックスフォード・実験心理学
 意識をどう定義するのか、いかにして動物(カタツムリ)の中に入り込み、いかにしてその思考経路を知るか、といった難問があります。意識というのは非常に個人的な経験です。人間同士なら言葉やその他のコミュニケーションで意思疎通はできますが、他人の意識がどうなっているかを知るのは難しいものです。相手が人間以外となればほとんどお手上げです。人間は自分たちが特別だと考えたいから意識があるのは人間だけと思いたい。しかし、カタツムリに意識がないとは証明できないのです。
Ⅶ:地球には人が余計にいるのでしょうか?(オックスフォード・人文科学)
 現在約70億人の人間が世界にいます。これは「人口過剰」なのでしょうか。世界は地球資源への圧迫に起因する数々の深刻な問題に直面しています。自然界では多数の種が絶滅の危機に瀕し、水資源や食料資源のひっ迫が世界中のいたるところで危機的局面を迎えています。地球には既に人が多すぎるのでしょうか?そうなると「余計」なのは誰なのでしょうか?自分は「余計」な人間だと言う人はいるでしょうか?どれほど不利な立場にいようとも、不幸な目に遭っていても「自分を余計」と考える者はいないでしょう。大切なのは、お互いをどう扱うか、そしてこの地球をどう扱うかです。
Ⅷ:火星人に人間をどのように説明しますか? (ケンブリッジ・医学)
 火星人が人間に似ていれば説明するのは簡単です。だが、火星人がタコ型生物なら難しいです。火星人にも理解できる説明の基準を考えねばなりません。まず、人間の体の本体の説明からです。地球の長い歴史から見れば、人間はごく最近になって、進化を遂げた複雑な動物です。日本の足で直立歩行し、手で物を掴むことが出来ます。人間はほかの動物と違って真似ができない方法で地球を支配し、環境を操作します。複雑に進化してきた脳があり、言葉を使って高尚なメッセージを伝えることが出来ますし、ほかの動物よりも自己認識能力に優れています。人間には抽象概念があり想像力があります。多様な音楽や絵画など、娯楽や刺激や美の喜び以外に何の目的もない芸術作品を創り出すことができます。人間同士で残虐行為に及ぶこともありますし、感動するほどの思いやりを見せることもあります。見た目だけでなく一人ひとり思考や欲求など微妙に違います。単純なようで複雑な生き物です。宇宙戦争が勃発しないように地球人が平和を愛する人間であること、敵意がないことを説明しなければならなりません。
この本には、全部で60の入試問題が示されています。どれもが難問奇問です。もし自分が受験生ならどのように答えるか、考える力を養うのには役立つ本です。
入試問題だけでなく、海外の企業の入試問題も考えさせられます。
グーグル、マイクロソフト、アップルの入試問題を紹介しておきますので、考えてみてください。
グーグルの入社問題
Ⅰ:夜、4人が吊り橋を渡ってキャンプ場に戻る必要があります。彼らは壊中電灯を1つしか持って折らず、電池は17分しか持ちません。吊り橋は一度に2人が渡れる強度しかありません。4人はそれぞれ1分、2分、5分、10分で吊り橋を渡ることができます。どうすれば全員が17分で吊り橋を渡りキャンプ場に戻ることができるでしょうか
Ⅱ:あなたと隣人は同じ日に不要品セールをします。太りとも同じ品物を売ろうとしています。あなたはその商品に100ドルの値段をつけようとしていますが、隣人は40ドルで売ろうとしています。商品の諸条件は同じです。この隣人と特に親しくするつもりはないとして、あなたはどうすればいいでしょうか
マイクロソフトの入社問題
Ⅰ:トムとジムは2人で21ドル持っています。トムは事務よりも20ドル多く持っています。それぞれいくら持っていますか。但し、こと絵に端数を出してはいけません。
Ⅱ:マンホールの蓋が四角ではなく丸いのはなぜでしょう
アップルの入社問題
Ⅰ:箱が3つあります。1つはリンゴのみ、1つはオレンジのみ、もう人るはリンゴとオレンジが入っています。すべての箱には間違ったラベルが貼られており、外から中身を見ることはできません。箱を一つ開けて中身を見ずに果物を1つ取り出します。その果物を見てラベルを正しく貼り直す方法を考えてください。
Ⅱ:錠剤の入ったビンが5本あります。そのうちの1本だけ、すべての錠剤が汚染されています。汚染された錠剤を判別する唯一の方法は、重さです。通常の錠剤の重さは10gで、汚染された錠剤の重さは9gです。