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最も重要なビジネススキルは『質問力』

おはようございます。

今日も過去のブログを貼り付けるだけになります。申し訳ありません。

ビジネスパーソンにとって重要とされるスキルには、創造力、発想力、判断力、問題発見力、問題解決力、コミュニケーション力など、様々な力が挙げられます。その中で、「最も重要なものは?」という質問に答えるのはなかなか難しいものですが、「質問力」も最も重要なビジネススキルの一つです。。

経営者、中間管理職を含めあらゆるビジネスパーソンにとって、大切なのはより良い人間関係・信頼関係を構築することで、そのためにはコミュニケーション力が重要です。コミュニケーションは相手との言葉のキャッチボールで成り立つもので、より良い人間関係・信頼関係を築くためには、相手の持っている情報を引き出すことが重要になってきます。

1.質問とは、「相手が持っている情報を引き出す」こと

 以前にも書きましたが、コロナ禍でテレワークや在宅勤務がニューノーマルとなると、これまでの対面では意味を持っていた「空気を読む」「阿吽の呼吸」といったものが難しくなります。そうなると、適切な言葉に落とし込む力(言語化力)パワフルな言葉で問いかける力(質問力)がますます重要になってきます。

 部下の育成においても、上司が正解を教えるのではなく、考える道筋を与えるということが重要になります。そのためには部下の話を聞き、適切な質問を繰り出してその回答を考える中で部下自身が成長できる環境を作ることが大切です。

 質問というのは、単に自分が知らないことを尋ねることではないのです。相手が持っている情報を引き出し、相手のことをより知ることなのです。相手のことを知らずしてより良い人間関係や信頼関係を築くことはできませんし、相手に適切なアドバイスを与えることも、相手の成長を促すこともできません。

 顧客との会話の中で、自分が8割話し顧客が2割しか話さないようでは、相手から重要な情報を引き出すことはできず、本当に顧客が求めているニーズをつかむことはできません。

 創造力、発想力、判断力、問題発見力、問題解決力といったスキルについても、重要なのはそれ以前の情報収集力、情報編集力です。これらの力の下地となるのは、情報を引き出す力、つまり質問力なのです。質問力はあらゆるスキルの前提なのです。

2.日常的に「5W1H」を使って、質問体質になる

 「5W1H」は、言わずと知れた「Who(誰が)」「When(いつ)」「Where(どこで)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の頭文字をとったもので、疑問詞の基本で意識的に使う流れの中で質問力のベースを作ってくれるものです。5W1Hを効果的に使うためには、1つ1つの意味をしっかりと理解することです。

  • Who(人物・関係軸)・・・明確な「ターゲット」の視点を問う
  • When(時間・過程軸)・・・「時間的インパクト(変化)」を問う
  • Where(空間 場所軸)・・・事象の「全体像・重要箇所」を問う
  • What(事象・内容軸)・・・「だから何?違いは何?」を問う
  • Why(目的・理由軸)・・・より上位の「目的・未来の姿」を問う
  • How(手段・程度軸)・・・「施策の判断基準・実行の難所」を問う

 ビジネスだけでなく、日常生活においても質問力は大切で、5W1Hで返す癖をつけることで、どんどん質問体質になっていきます。

 部下とのやり取りも「どう思う?」ではなく、上の6つの軸に則った質問を繰り返すことで、部下自身が自分の頭で考えることができるようになります。5W1Hは部下に様々な思考を促す問いかけになるのです。

 しかし、質問をするというのは難しいものです。それは、質問が質問ではなく詰問・尋問になってしまうからです。それはWhy(なぜ)の使い方に問題があるのです。いきなり「why?(なぜ?どうして?)」と問いかけられても、聞かれた側は問い詰められているように感じるからです。

「なぜミスが起こったのか?」を問う前に「ミスの発生場所はどこか?」、「どうして売上げが落ちたのか?」を問う前に「売上げのどの部分が特に落ちたのか?」を問うこと、つまり「原因探し」の前に「場所探し」から入るべきなのです。

3.深いところにある情報を引き出す「縦型ドリル」

 ここで紹介されているのが「縦型ドリル」と呼ばれる方法です。質問をして相手の情報を引き出すというのは、相手のことを深く掘り下げることです。ドリルを横に進めていても浅い情報しか得ることはできず、相手の深いところにある重要な情報を引き出すことはできません。自分の興味本位で聞きたいことをぶつけていっても、会話は弾みませんし、単なるアンケートのような会話で終わってしまいます。これでは相手の深いところにある情報はつかめません。相手の回答に対してさらに掘り下げて次の質問を投げかけていくのです。縦に掘り進んでいくドリルです。

 闇雲に質問を繰り返すだけでは意味はありません。相手の話をよく聞いて理解し、相手の回答をさらに掘り下げて質問していくことで、深いところにある情報に辿り着くことができるのであって、それで初めて質問に意味があったことになるのです。

質問力はコミュニケーションの真髄ですが、これまで過小評価されてきました。しかし質問力には次のようなメリットがあります。

  • 自分の知らないことを学べる
  • より良い人間関係が構築できる
  • イデアイノベーション創発する
  • パフォーマンスを上げる
  • チーム間の強化や信頼を上げる
  • 落とし穴や危険を察知し、リスクを軽減する

質問することで「共感力」が高まり、さらに良い質問をすることができるようになるといった良いサイクルが生まれます。

    質問 ⇒ 聞く ⇒ 質問 ⇒ 聞く ⇒ 時々自分の話をする

このサイクルを回していけばいいのです。これは雑談においても当てはまります。

無理に「何を話そうか」を考える必要はありません。相手の話をよく聞いて質問を繰り返していけばいいのです。「質問ばかりされて嫌」と思う人は、逆に質問を返して立場を逆転させればいいのです。

以前「雑談力は質問力」と書きましたが、その通りです。

5W1Hを上手く使って質問力・雑談力を磨いていきましょう。