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スタンフォード式生き抜く力

おはようございます。
昨日は「激動の時代を生き抜く力」と題して書きました。本棚を見ていると星友啓著「スタンフォード式生き抜く力」(ダイヤモンド社)という本がありました。休日ではないので本の紹介ではありませんが、昨日に続けて「生き抜く力」について書いていきます。
1.「同調圧力」が絡み合う日本で生き抜く方法
 以前にも「同調圧力」について書きましたが、同調圧力は、三省堂大辞林では「集団での意思決定の際に多数派の意見に同調するように作用する暗黙の圧力」とされています。自分の考えや意見と異なる判断基準を他者から押しつけられ、その押しつけられた判断基準に基づいて行動するときに感じるものです。それは押しつけた側が多数派であり、多数派の判断基準に従わないと何らかの不利益を被るかも知れないと感じてしまうことから生まれます。
 「自分の意見は大事だ」と言われますが、積極的に自分の意見を口にすると白い目で見られるのが日本社会です。上司や顧客な痔、周りに気を配り、周りとうまく調和していこうとすれば、自分の意見は飲み込んで相手の合わせるしかありません。多くの人は、自分の意見がないわけではなく、相手や周りとの調和を乱すのを恐れて敢えて口にしないのです。
 しかし、ビジネスの世界は、ある意味、弱肉強食の世界です。特に現在のような多様性が求められる時代には、自分の意見を主張しなければ生きていけなくなります。一方で、自分の意見ばかりを口にする人は、自己中心的、自分勝手を思われてチーム内で孤立し、人間関係や信頼関係は築けません。
 「相手との関係を保ちながら自己主張すること」が求められているのです。
2.自己主張の2つのハードル
 自己主張には2つのハードルがあります。
 その1つは、自分の意見を主張したとき、相手の反応に対する不安や緊張です。相手にどう思われるか、否定されてしまうかも知れない、そんな気持ちを持つことです。
 もう1つは、緊張や不安をうまくコントロールできても、自分が実際に発したことで、その場が気まずくなるというリスクです。
 自分の意見を主張しながら、円滑に会話をするというのは簡単ではありません。
3.ケンカしない論点整理話法
 「スタンフォード式生き抜く力」では、この2つのハードルを克服するために「ケンカしない論点整理話法」が挙げられています。
 この話法の基礎にあるのは、「あなたの人格と相手の人格のガチンコ対決」にならないようにする配慮です。あくまでも、意見と意見との違いを建設的に議論していることをはっきりと印象づけるのがカギです。
 人格VS人格ではなく、あくまでも意見VS意見であって、目標達成という共通目的に向けて建設的な課題解決を図ることなのです。互いの人格は全く関係ありません。しかし、議論が白熱すると相手の人格批判にまで及んでしまうことがあります。これは絶対にしてはいけないことです。
 人格対立に発展するケンカを避けるには、意見の違いは考え方の多様性であって、人格対立ではないという明確なメッセージを相手に発進し続けることです。
 そのためには、自分も相手も全体像を見渡せるように「論点を整理しながら」俯瞰的に全体を見渡しながら会話を進めていくことです。このように、自分の意見も相手の意見も整理しながら、各意見の根拠や問題点を見渡す視点を自然と出しながら会話を進めていくのが「ケンカしない論点整理話法」です。
4.論理の平和利用
 通常、論理的に考えるために気持ちを平静に整えようとします。この「ケンカしない論点整理話法」は、論理的な視点を持つことで、感情的にならず、冷静にいられる視点を保てるという考え方です。論理的に考えるための冷静である必要があるのか、論理的に考えることで冷静になれるのか、どちらが先かは関係ありません。
 論理的な視点を自然に会話に採り入れ、建設的な対話の姿勢を促すことが大切です。
 論理的な姿勢をスマートに取り入れることで、人格対立から切り離し、ガチンコのケンカを避ける、これが「論理の平和利用」です。