中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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休日の本棚 大放言

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で3880人で4日連続で過去最多を更新しました。その内訳は、東京949人、神奈川480人、埼玉265人、千葉201人、愛知265人、大阪299人、兵庫177人、京都135人、広島105人、福岡160人、北海道161人などとなっています。東京、京都、宮城(56人)、栃木(42人)、滋賀(49にん)で1日の感染者が最多を更新し、重症者も全国で654人と過去最多となっています。

全世界の新型コロナウイルス感染者は累計8000万人を超え、この2週間で1000万人増えています。こうした世界的な感染者増は新型コロナウイルスの変異種の世界的蔓延が原因かもしれません。

日本でも、東京都内で、空港検疫以外で変異種の感染が確認されました。それは昨日も書いた入国時に陰性でその数日後に発症した男性(英国から帰国したパイロット)とその妻です。妻は渡航歴はなく男性から移ったもので、国内で人から人への変異種の感染が確認された初めてのケースです。こうしたケースを見ると、既に変異種が国内に流入していてもおかしくありません。

日本政府は、全世界を対象としてきた出入国緩和策を28日から一時停止すると発表しました。変異種の流入を食い止めるためには当然の策ですが、一方で中韓など11か国・地域を対象としたビジネス往来は継続するようで、中途半端と言わざるを得ません。変異種はイギリスだけでなく、イタリア、オランダ、フランス、オーストラリアの他台湾でも見つかっています。ビジネス往来を認める国・地域に広がっていないという保証はありません。国民の命・健康よりも経済優先で何事も中途半端です。

さて、今日は百田尚樹著「大方放言」(新潮新書を紹介します。百田氏は元「探偵!ナイトスクープ」などの番組を手掛けた放送作家で、その後作家としてデビューし、「永遠の0」「海賊と呼ばれた男」などの小説を出版しています。また、毒舌的な発言で知られ、時にその発言が炎上することもあります。本書も百田氏は「炎上覚悟」でだおマスコミ、バカな若者、無能な政治家、偽善の言論などに、言いたい放題物申している面白い内容になっています。

今(現在)という時代、思ったことを口にしただけでクレームやバッシングの嵐となり、当たり障りのない人畜無害な意見ばかりが通っています。他の人に追従していれば生きやすいと言えば生きやすい時代なのでしょうが、それでは個性は育たず、社会の進歩もありません。頽廃するだけです。

本書は、数々の物議を醸してきた百田氏が、ズレたバカな若者、変更したマスコミ、平和ボケの政治家たちを縦横無尽にメッタ斬りにし、社会に対する素朴な疑問、大胆すぎる政策提言まで行っています。共感できるところもありますが、憲法改正、軍隊創設など右翼的思想には賛成できません。批判的な目で読むことが必要ですが、面白い内容です。「思想の自由」、「表現の自由」、「放言の自由」です。私自身も、このブログで菅政権批判など自由に言いたい放題書いていますので、人のことは言えません。

百田氏が、この本で言いたかったことは、「第4章の我が炎上史」でしょう。

マスコミの「言葉狩り」と「レッテル貼り」です。自分たちの都合の悪いことを言う人をバッシングしてこうと決めつける「レッテル貼り」を行って言論統制するというマスコミの姿勢を批判しています。表現者や言論者は委縮して言いたいことも言えなくなっているというのです。それはマスコミだけではありません。すべての人にそうした風潮が出ています。SNSで発信すると直ぐにバッシングされて時に自殺者まで出ます。SNSで自由に自分の意見を発信できる反面、匿名の批判やバッシングがついて回ります。自由に物が言えない時代になっています。

こうした時代にこうした本が出版されるのは良いことです(と言っても出版されて5年が経っていますが)。

第1章 現代の若きバカものたちへ

  1. やればできると思っているバカ・・・「自分はやればできる」というのは魔法の言葉。「俺はやればできるんだ」と呟けば、たちどころに勇気が湧き強い自信が取り戻せる。しかし、「やればできる」というのは「やればできた」者の言葉、「やってもできない」者の言葉ではない。やる能力もなくやってもできないバカに無用の自信だけを植え付けるだけの言葉だ。やらないのはできないのと同じなのだ。
  2. 自分は誤解されているというバカ・・・「他人は自分を正しく見ていない」と言う認識こそ、人が犯す大きな過ちの一つだ。他人くらい自分を正しく見ている者はいない。自分が悪いように誤解されていると思っているなら、その自己認識そのものが間違っていると思った方がいい。本当の等身大の自分を知りたければ他人に聞けばすぐにわかる。
  3. 自分を探すバカ・・・「自分探しの旅に出る」というバカがいる。海外旅行したところで「本当の自分」など見つかるはずはない。何か辛いことがあったり大きな挫折を経験した時に「じぶんをみつめなおす」「自音声を考え直す」と言って旅に出るのは自己逃避だ。現代の「自分探しの旅」は写真をSNSにあげて孤独dもなく「観光旅行」だ。
  4. ブログで食べたものを書くバカ・・・これまで人前で自分の意見や考えを言わなかった日本人がインターネットのブログなどで語り始めた。しかし、多くのブログには主張といったものがほとんどなく、単なる身辺雑記だ。また、食べたものを書く。誰がタレントでもなく有名人でもないあなたの食事内容に興味を抱くだろうか。今や世界に何かを主張したいという所期の目的はどこかに失い、たでぃたすらブログをアップするという目的だけにすべての浄滅を費やしている。まさに、私も少しは自己主張していますが、そのとおりかもしれません。
  5. 好きな仕事が見つからないバカ・・・「これは俺のやりたい仕事ではない」と言って仕事を辞める若者は多い。好きか嫌いか選ぶなら、それは仕事ではなく趣味だ。仕事は自分が生きるため、家族を食わせるためのもの、嫌いだからやらないと言えるものではない。夢を追って生きるのは素敵なことだが、それがマリに強調されている。どんな仕事にも価値はあり、社会に役立つ仕事、人々のためになる仕事である。このことが忘れられている。労働の本当の喜びは社会や人のためになることにある。
  6. 尊敬する人は両親と言うバカ・・・愛情と尊敬は違う。父母が社会的に大きな業績を残し社会や他の人のために尽くしたのなら尊敬する人物でもいい。単に苦労して自分を育ててくれたというのは、尊敬ではなく愛情だ。何をもって「偉大」と見るかはその価値観次第、尊敬する人が両親というのでは、個人的な狭い世界に生きていると言っているようなものだ。世の中には真に尊敬すべき偉大な人がたくさんいる。
  7. 何でもコスパで考えるバカ・・・人間の満足感というのは数値化できない。コスパと言う言葉が当てはまらないものだ。数値化できない「何か」が人生の幅を広げてくれる。何でもかんでもコスパで考えるのはやめろ。そんなことを言い出したら、前の人生自体、この社会から見たら、碌なコスパじゃない。

第2章 暴言の中にも真実あり

  1. 地方議員はボランティアでやれ・・・地方議員はその活動に比べて報酬が高すぎる。イギリスでは活動経費(旅費等)は支給されるが基本無報酬だ。地方議員は引退した地元の名刺や実業家がボランティアでやるものというのが当たり前になっている。日本の議員は月平均7日のパートタイムの仕事しかしていないのにフルタイムの報酬をもらっている。アメリカの議員報酬と比べても高すぎる。議員報酬を決めるのは誰かと言えば議員自身だ。おかしな話だ。
  2. 原爆慰霊碑の碑文を書き直せ・・・自虐思想の下で書かれている。「安らかに眠ってください。過ちは繰返させませぬから」と書かれている。原爆を落としたのはアメリカだ。日本に過ちはない。その通りです。大西洋戦争は戦争法規にのっとって行われたもので、戦勝国も敗戦国もどちらが悪いということはありません。この点に関しては百田氏の意見と同じです。
  3. 日本は韓国に謝罪しろ・・・「従軍慰安婦問題」ではなく、日本が韓国の文化と伝統を破壊したことに対して誠意をもって謝罪すべき、韓国も日本の謝罪を受け入れてほしい。両国が友好な関係を築くためには必要なことだ。百田氏はこう言うが、別の書物では、「日本は韓国に謝罪し、その後『さよなら』と言おう」と矛盾したことを言っています。
  4. ガキと議論するな・・・世の中、子ども相手に真剣に議論する大人がいる。たとえ相手が子供でも、対等の人格として相手にしている自分に奇妙な自尊心を持つようだが、とんでもない錯覚だ。「人間」も「社会」も知らないガキが高度な愚論などできるはずがない。
  5. 刑法を変えろ・・・殺人は刑が軽すぎる。無期を廃止して終身刑を作る。定期系の再考「20年」もなくし、「懲役40年」「懲役50年」を作る。極論です。
  6. 図書館に新刊本を入れるな・・・本ぐらい自分で買え。図書館は無料貸本屋じゃない。

第3章 これは一体なんだ?

  1. 少数意見を取り上げるべきか・・・得票率2%の政党の意見など切り捨てていい。このような意見は屁理屈だ。「少数意見を大切に」とと言うのはもっともらしく聞こえるが、全員が納得する政策などない。こういう百田氏の意見では民主主義など成り立たちません。まさに極論です。
  2. これがセクハラ・・・セクハラは良くない。しかし、すべての言動がセクハラに通じる世の中になっている。「女性が深いと思えばすべてセクハラ」と言う概念は明らかにおかしい。
  3. チャリティー番組は誰のため・・・チャリティー番組は慈善の名で大もうけする構造になっている。24時間放送で莫大なCM収入が入る。視聴者に募金を呼び掛け、チャリティー版踏みを放映している一方で、テレビ局は大儲けしているのだ。慈善を訴えるなら自ら行動で示すべきだ。
  4. 「○○はしない主義」って何?・・・そういう言葉を聞くたびに、本当は「○○をしたくてたまらないんだろうな」と思ってしまう。他人に向けて「絶対○○だけはしない」と宣言することは、実は宣言しておかないと、それをしてwしまいかねない自分に気づいているからだ。
  5. 本当に格差社会なのか・・・「今の日本は格差社会だ」と言うのはいつの時代と比較しているのか。現代と言うのは歴史上もっとも格差の少ない社会に暮らしている。百田氏は時代を下るにしたがって格差はしちまっているというが、このところの状況を見れば格差は広がっていると言わざるを得ません。
  6. 自己啓発本の効能は?・・・自己啓発本は当たり前のことしか書かれていない。自己啓発本コレクターは毛生え薬をはしごするハゲと同じ。自己啓発本を読んでいる若者へ。そういう本の多くは、ハゲ薬みたいなものだから、まず効かない。でも若いうちは中々そこが分からないと思う。私(百田氏)のようにすっかりハゲてしまえば、そういう本を買わなくなるだろう。
  7. テレビの規制は何のため・・・「めくら」という言葉が自主規制で放送NGとなり、「めくら蛇に怖じず」ということわざも「めくら滅法」「めくら打ち」と言う言葉もつかえない。英語で捲らを表す「ブラインド」はOKというのもおかしい。「キチガイ」は駄目で「虎キチ」もNG、英語のクレージーはOK。「スイカ割り」も「目の見えない人を笑っているから」という理由でNG。「高所恐怖症」という言葉を、高所恐怖症を患っている人から抗議が来て禁止用語にしている曲もある。一人でも傷つく人がいれば放送してはいけないというのはどこかおかしな論理である。

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