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コロナ禍の経営悪化、企業の「既往症」が影響

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で2948人で、その内訳は東京708人、神奈川343人、埼玉211人、千葉105人、愛知216人、大阪233人、兵庫165人、福岡137人、北海道85人などとなっています。東京をはじめ各地で日曜日としては過去最多を更新しています。また、イギリスからの帰国者で入国当初陰性であった人に変異種が見つかり、国内での変異種発見は空港検疫の5例を含めを含め8例目となりました。イギリスからの帰国者で無症状者もいると考えられるので、変異種が市中感染するのも時間の問題のような気がします。一人一人がうつらない・うつさないように感染対策を行うしかありません。

漸く今日(28日)からGoToトラベルの全国一斉の停止が始まります。GoToトラベルの全国一斉停止が決まってかなりの日数が経ちます。その間、感染者は増加し、多くに地方・地域で過去最多を更新しています。GoToトラベルの一時停止を決めた段階で即座に停止に踏み切っていれば、これほどまでの感染者増にはならなかったのではないかと思います。結局は全国旅行業協会会長を務める二階への忖度と言うしかありません。

その二階ですが、テレビ朝日BS放送に出演し、菅首相らと行ったステーキ会食について「会食が目的ではない。意見交換の場だ」と反論し、謝罪や反省の言葉もありませんでした。意見交換ならステーキ会食する必要もなくオンラインで十分です。出席者の顔ぶれを見ても意見交換するような相手ではなく、出席したみのもんた氏によれば、政治や社会の話はなく野球の話などで盛り上がっていたということです。二階のような老害が政権を牛耳っていたのでは日本の政治に将来はありません。有権者が、こうした老害を排除するという意識を持って投票しないといけません。地元の為・地元の利権と言う狭い両県ではなく、全国民の為・日本の将来を託すに人品ともにふさわしい人物かという観点で選ばなければなりません。

2020年も余すところ4日、新型コロナウイルスに振り回された1年でした。これは我々の生活だけでなくビジネスにおいても然りです。

さて、今日は、ITmedia ビジネスONLINEの「コロナ禍の経営悪化、企業の”既往症”が影響?」という記事を取り上げます。

新型コロナウイルスは、既往症のある人が感染すると重篤化しやすいと言われています。これと同じく、企業経営においても既往症を持っている企業とそうでない企業とで明暗が大きく分かれました。

この記事では、新型コロナ以前から傍目にも見えていたものと見えていなかった潜在的疾患が新型コロナ禍で表面化したと言っています。

まず、苦戦を続けるアパレル業界です。コロナ禍で最初の大型倒産が報じられたのは、アパレル大手のレナウンの破綻です。直接の引き金は資本提携先である中国企業山東如意科技集団」の経営不振による売上金未回収で、それにコロナショックが追い打ちをかけました。既に先細りしていたデパート依存の販売体制の問題点を指摘されていたにもかかわらず、販売体制の変革を行わず、こうした既往症対処の遅れが、予期せぬコロナ禍でデパートの営業自粛・外出自粛によって致命傷となりました。こうした状況は、レナウンだけではなく、オンワード三陽商会など、外出自粛による消費者の購買意欲低下の煽りを受け、過去最大の赤字を計上するなど苦境に立たされています。

この記事では「アパレル名門企業からの教訓は、実績のある企業でも時代の潮流を甘く見ず、『過去の栄光』を捨て去る勇気を持ちながら、先手を打って変革に対応するということ」と言っています。

どのような企業においても、大なり小なり何らかの課題は抱えています。こうした既往症の対処を誤れば、それがボディーブローとなって致命傷にもつながるのです。先手必勝で対処を誤らず変革していくことが重要です。

次に、航空業界もコロナ禍で大打撃を受けました。割安航空会社(LCC)のエアアジアが経営破綻しました。LCCは利用者が右肩上がりに増えるという見通しの下で、低コスト多頻度運行で収益を上げるビジネスモデルです。コロナ禍で利用すあが急減し、ビジネスモデルが通用せずなす術もなく破綻しました。こうした状況はエアアジアだけではなく、大手航空会社も同様です。ANA、JALも追加借り入れや社債発行などで急場をしのいでいますが、コロナ禍が長引き国際線の回復が遅れれば共倒れの危機に陥り、巷で噂される2社の統合案も現実味が出てきています。

この記事では、「航空会社から得られる教訓は、過大な投資はどこまでも慎重な経営判断が肝心であるということ」としています。「身の丈に合った経営」を忘れてはいけないのです。

その他の業界でも、既往症を持つ企業はコロナ禍で軒並み苦境に追い込まれています。その例が大塚家具です。「親子喧嘩」以降続いている業績低迷からの復活を期しヤマダ電機の傘下に入り再建に力を尽くすもコロナ禍のダメージは大きく、結局は大塚久美子社長が退任を余儀なくされ、創業者の手を離れました。また「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスは、ペッパーランチを手放しファンドの支援を受けつつも債務超過を脱出できず先が見えない状況が続いています。

ここでは、「経営者、特にオーナー経営者は、自己の主張に固執しすぎず、外部からの厳しい意見にも耳を傾ける姿勢が大切である」と言っています。

この記事では、間接的なコロナ禍の影響として現れた注目の企業動向として、活発化の兆しを見せてきた「事業会社による敵対的TOBの本格化」を挙げています。この例として挙げられているのが、独自性を軸に業績低迷を乗り切ろうとする大戸屋に多業態・低コスト戦略でコロナ禍に打ち勝とうとするコロワイドが仕掛ける敵対的TOBです。

そのほかにも、敵対的TOBではないものの、ニトリの島忠に対する「競争的買収」などもあります。

新型コロナの影響で経営環境が大きく変わり、我が国においてもM&Aが積極的な企業戦略として大きく台頭してきたことは間違いありません。

新型コロナの感染が拡大している中でも、コロナとともに企業経営は進んでいかなければなりません。昨年末には見えなかった突然のコロナ禍襲来は多くのことを教えてくれています。全く予想もつかない危機的状況が襲ってきた場合にどのように対処するか危機管理体制が重要であることを示しています。しっかりとした危機管理体制が採られていた企業はコロナ禍を乗り切っています。

この記事は「備えれば憂いなし」という言葉で締めくくっています。