業務の生産性を高めるためにマネジメント層がやるべきこと
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で1083人、そのうち東京275人、神奈川97人、埼玉105人、千葉90人、愛知51人、大阪100人、兵庫24人、京都8人、福岡45人などとなっています。政府は、愛知、岐阜、大阪、兵庫、京都、福岡の6府県について月内で先行解除する方向で調整に入りました。また、首都圏の1都3県については特段の事情がない限り3月7日の期限で解除することを合わせて決定するようです。昨日も書きましたが、経済を廻すと言え1週間の先行解除がどれほど効果があるかは疑問ですし、中途半端な解除は、かえって再び感染拡大を招くように思います。3月7日に全国一律の解除でいいのではないでしょうか。
医療従事者を対象とした新型コロナワクチンの先行接種が始まっていますが、既に3件の副反応が報告されています。発熱・悪寒やアレルギー反応(蕁麻疹)といった軽度の副反応ですが、数千人の接種で3件というのを高いとみるか低いとみるかは判断のわかれるところです。因みに、アメリカでは、接種者の0.05%に副反応があったと報告されています。日本ではワクチン接種を希望する人の割合が約75%とのことですが、私自身は、一般への接種が始まる前までの副反応の割合や効果などを見て、判断したいと思っています。
さて、今日は、ダイヤモンド・オンラインの「業務の生産性を高めるために経営トップを含むマネジメント層が真っ先にやるべきこととは?」という記事を取り上げます。2/14の休日の本棚「ドラッカー・スクールで学んだ本当のマネジメント」や2/15の「マネージャーとリーダーの違い」とも関係しますが、再び、マネジメント、マネージャーの仕事について触れたいと思います。
一般的にマネジメント=管理ととらえられていますが、ドラッカーによるマネジメントの捉え方は「人や組織の強みや創造性を最大限に引き出して経済的・社会的に価値ある成果を上げること」ということなので、単なる管理という枠にとらわれるものではありません。2/15の「マネージャーとリーダーの違い」という記事では一般的なマネジメント=管理という観点から両者を区別していましたが、ドラッカー的な発想によれば、リーダーとマネージャーは明確に区別できるものではなくなるはずです。
今日の記事においても、「経営トップを含むマネジメント層」とあることから分かるように、マネジメントについてドラッカー的なとらえ方がなされています。
1.マネージャーの仕事は、メンバーを支援することで前向きなエネルギーを創り出すこと
この記事では、「マネージャーの仕事は、出処がトップの意志なのか、本部による創作なのかもわからない根拠のない希薄な運用基準に沿った評価数値を黙って受け入れることではない」と言っています。マネージャーの仕事というのは、本部から出された数字を部下に押し付け「何とかしろ」と無理強いし、達成できなかった部下を「あいつはダメな奴」と報告するだけの無責任な仕事ではありません。
マネージャーの仕事は、部下に対して今の仕事の意義を説き、現場のメンバーの問題解決を支援することで前向きなエネルギーを創り出すことです。それによって、すべての生産性を高めることができます。
ドラッカーは、マネジメントが根本的に目的とするものについて
- まず、その組織に特有の使命を果たすこと
- 働く人たちを、仕事を通じて生かし、生産的にすること
- 事業を通じて社会の問題解決に貢献すること
と述べていますが、今日の記事の問題意識に通ずるものがあるように思います。
2.人は意義を感じることに取り組んでいるとき、幸せホルモンの「オキシトシン」が分泌される。
人は、意義を感じることに取り組んでいるとき、それがたとえ難易度が高い課題であっても、世のため・人のため・組織のためになると思う時には幸せホルモンである「オキシトシン」が分泌されます。この状態が、最も生産性が高く、何より本人も幸せを感じている状態です。
この記事は、「この意義を感じるための指導を行うのがマネージャーの役目で、そのプラットフォームを用意するのがマネージャの重要な仕事である」と言っています。
収益管理や目標管理といった数字の管理ではなく、「イノベーション」の名のもとに、数多くの挑戦を行う方が結果的に個人、チーム、組織、さらに企業の成長を高め、生産性を高め、株価上昇にもつながるのです。
ドラッカーも、「企業の目的は顧客の創造である。従って、企業は2つの、そして2つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである」と言い、顧客の本当の満足要因や価値と感じていることを知る「マーケティング」と新たな満足や価値を生み出すために自己変革していく「イノベーション」を重視しています。これらの基本機能について、徹底的に話し合い、見直すことが企業の生命線であり、経営トップを含めたマネジメント層の役割・仕事なのです。
2/14にも書きましたが、現在のように変化が激しい時代においては、企業は絶えずイノベーションしていくことが不可欠です。しかし、それは一発逆転を狙った奇抜なものである必要はありません。社員が、お客様、取引先、市場の小さな変化に気づき、その変化を事業に有効に活かすことで、昨日より今日、今日より明日と生産性が高まるのです。地道でも理にかなったイノベーションの連続が組織の、事業の明日を創るのです。