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マネジャーからリーダーへの道

おはようございます。

今日も過去のブログを貼り付けておきます。

マネジメントという言葉は曖昧で、日本では「管理」と同義に使われています。しかし、ドラッカー教授によれば、マネジメントは「人と組織の強みや創造性を最大限に引き出して経済的・社会的に価値ある成果を上げること」を意味します。「管理」というのはマネジメントの一面にしかすぎないのです。

ドラッカー教授のようにマネジメントを捉えると、マネジャーはリーダーに近づくように思います。マネジャーとリーダーとを同義に使う人はいますが、厳密にいえば、両者は違います。

マネジャーは、特定の目的を達成するためにあらゆる要素を制御することが主たる仕事になります。プロジェクトや領域、予算、時間枠、プロセスなどの物事や、チームメンバーや顧客、業者、パートナーなどの人をマネジし、司令などを遵守させ効果的に物事を実行することです。

一方で、リーダーは、コントロールよりも他者に影響を与えて鼓舞し、会社の成功に貢献できるようにすることが主たる仕事です。そのためには、ビジョンを立ててそれを効果的に伝え、部下たちからの信頼を得ることが必要になります。

この記事では、「リーダー志望者が素晴らしいマネジャーの特長を身につても役に立たない」と言っていますが、これは違うように思います。マネジメントの捉え方にもよるのでしょうが、マネジメントを「自由で生き生きと躍動する人と組織を創り、成果につなげること」と捉えると、「組織運営と顧客創造のマーケティングとは密接の繋がっている」ことになります。したがって、リーダーにもマネジメントのスキルや能力は必要です。

しかし、マネジャーとリーダーとは厳密にはその役割が違いますので、リーダーになるためにはマネジャーの考え方を一歩前進させ、さらに新たなスキルを身につけることが要求されます。

この記事では、マネジャーからリーダーになるための3つの方法が紹介されています。

1.コントロール欲を捨てる。

 多くのマネジャーが、目的を達成するためにすべての物や人を制御しなければならないと考え、これが逆に部下の士気を殺ぐことになっています。マネージャーが部下を言いなりにさせようと躍起になればなるほど、生産的でなく忙しいだけになり、マネジャーの不安はさらに増加し、部下の信頼はさらに低下します。

 優秀なリーダーは、他者をコントロールするのをやめ、代わりに力を与えます。リーダーの仕事は部下が仕事をこなせるように邪魔しないことです。優れたリーダーは、チームのメンバーに対して、必要な時にはいつでも相談に乗ると伝えつつも、チームにはそれをこなす力があると伝えて部下の地震と信頼を培うものです。

 したがって、マネジャーからリーダーになるためには、部下や物をコントロールしたいという欲求を捨て去ることが必要になるのです。

2.プロセスや自分よりも部下を優先する。

 目的達成は重要ですが、チームを犠牲にしてはいけません。人との関係性よりも取引や自尊心に大きな価値を置くとリーダーシップは遠ざかります。優れたリーダーは、事業の中核を担う原動力が人であることを理解して佾ために他者を優先し、共感を通じて他者の視点をより深く理解しようとします。リーダーは、話すよりも聞くことを重視します。情報を得るために質問し、他者が自由に意見を共有できる環境を提供します。またリーダーは発言しなくても心では次に何を言うかを考え、発信者が止まる瞬間に思慮深い返答を与えます。

 リーダーは、自分の話を聞いてもらっている、存在を意識してもらっていると他者に感じさせ、集団への帰属意識を与えます。リーダーは共通のビジョンを基に人を集め、賛同を得て、こうした人が最高の自分になれるように鼓舞してやる気を与えます。

3.リーダーシップの模範を示す。

 高い業績を収める優秀な人材であることと他者が高い業績を収めるように支援することとには、大きな違いがあり、両者は全く異なるスキルです。

 リーダーは役職が与えられてリーダーになるのではなく、行動を通じてリーダーであることを示さなければなりません。ソフトスキルや心の知能指数(EQ)など、これまでの自分にとっての成功要因では必ずしもなかったものも意図的に受け入れ、注目されるロールモデルになろうとする必要があります。

 特に重要なのが自己認識です。自分の立ち居振る舞いだけでなく、自分のエネルギーが他者にどのような影響を与えるかを理解することです。自己認識を通じて、他者との交わりや相手のあなたに対する認識、相手に対するその瞬間のあなたな反応などがすべてつながっていることに気づくことができます。

昨日書きましたが、マネジメントは「管理」よりも「創造」に近い概念ですが、日本では「管理」ととらえられる傾向にあります。そうすると、マネジャーは方法論やツールによって機械的に効率を追求することになってしまいます。これではマネジャーからリーダーは育ちません。マネジャーにとってもリーダーにとっても重要なことは、「顧客がどのような人で、顧客は何を価値として、わが社からどのようなサービスや製品を購入したいのだろうか?」という問いに真摯に向き合うこと、つまり企業の目的は「顧客の創造」ということです。これはマネージャーもリーダーも変わりません。このことを頭に入れたうえで、上の3つを意識しながらマネージャーから優れたリーダーへの道を歩むことが大切です。