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ストーリー営業

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で9572人で先週同曜日よりも1775人増え、東京でも10日連続で前週同曜日よりも増加し、下げ止まりと言うよりも全国的に増加傾向にあります。水際対策の緩和、県民割拡大、行動制限撤廃などで今後益々増加すると思われますが、基本的な感染防止対策は臨機応変に続けていくべきです。

さて、今日は、新R25の「あなたは『買わない方がいい』といえる営業か?これから求められる『ストーリー営業』とは」という記事を取り上げます。

営業マンの中には、是が非でもノルマをこなすために無理な営業、売り込みをしている人もいます。無理に営業や売り込みをしなくても、顧客の方から「会いたい」「買いたい」と言われて受注率を急増させる方法があれば、入りたいものです。この記事では、そうした売り込まなくても売れる方法が紹介されています。それが「ストーリー営業」です。

ビジネスにおいてストーリーの重要性は、楠木建著「ストーリーとしての競争戦略」などでも触れられています。無味乾燥な事実の羅列ではなくストーリーがあることでそれを聞くものがワクワクし心を躍らせて物事に取り組むことができるのです。営業マンがストーリーを語ることで、聞き手である顧客はワクワクとして「買いたい」と思うのです。それが「ストーリー営業」です。

1.「ストーリー(物語)」で顧客を魅了する

 顧客が商品やサービスを購入するのは、「願望・欲求の実現」のためです。つまり、「こんな状態になりたい」「こうした課題を解決したい」という願望・欲求を叶えるためです。商品やサービスを購入に至るステップを分解すると、次のようになります。

  1. 理想・・・自社や自分の理想の状態を思い浮かべる
  2. 課題・・・理想と現実とギャップ(差)を認識する
  3. 価値・・・課題を解決するために、商品・サービスによって実現しなければならない効果を認識する
  4. 方法・・・その価値を生み出すため、最適な方法として「買う」ことを選択する

 以前にも紹介しましたが、マーケティングの有名な言葉に「ドリルを買う人が欲しいのは『穴』である」というのがあります。顧客がドリルを購入する理由は「商品としてのドリルではなく、ドリルを使って得られる解決策である『穴』である」ということです。顧客が真に求めているのは、商品そのものではなく、商品を使って得られる効能、つまり問題解決にあるのです。顧客視点に立って、顧客がなぜ穴を開けたいのかを聞き出してみると、穴を開ける必要はなく、問題解決に必要な商品はドリルではなく別の商品かも知れないのです。

 これからの時代に求められる営業は、「このドリルはこんなに性能がいい」と売り込む「プロダクト営業」ではなく、「どんなことでお粉理ですか」と問う「ソリューション営業」です。

 顧客とともに顧客の理想を描き、理想と現実とのギャップを埋める解決方法を考え、それに基づいて売る商品を考えるのです。

 「理想⇒課題⇒価値⇒方法」のストーリーを顧客と一緒に組み立てられる営業が「ストリー営業」です。

 ストーリー営業で最初に行うことは、顧客が抱くであろう「理想」と「課題」を顧客に上手く伝えられるようにすることです。

 「理想⇒課題⇒価値⇒方法」といった仮説を事前に作り、それを顧客に投げかけて、一緒に物語(ストーリー)を紡いでいくことです。

2.売らない営業になれるか

 顧客と一緒の「理想」を描き、「課題」を見つけて「理想」と「課題」のギャップを埋める方法を考えていくのが「ストーリー営業」ですが、これを実践していけば、ときには「自社の商品やサービスが顧客の理想実現や課題解決に適しない」というケースが出てくることもあります。そのとき、自社の商品やサービスを「買わない方がいい」と伝えることができるかどうかです。無理してでも押し売りしたくなる気持ちは分かります。「ストーリー営業」は顧客の「理想⇒課題⇒価値⇒方法」という一連のストーリーに寄り添うことです。ストーリーにマッチしないなら営業担当自らがそれを伝えることは当然のことです。

 ストーリー営業」を実践できるようになると、顧客から断られることはなくなります。それは、断られる前に営業担当者が「買わない方がいい」とアドバイスして売り込みを見送るからです。

 営業担当者が「ストーリー営業」を行ない「売らない営業」を実践すれば、商品やサービスを購入した顧客だけでなく、たまたま今回は買わなかった顧客も営業担当のファンになり、新たな課題が発生したときにはその営業担当に相談し、次はストーリーにあった自社の製品やサービスを購入するはずです。