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目標設定の極意

おはようございます。

今日も過去のブログを貼り付けます。昨日は「ぶっ飛んだ目標」について書きました。今日はそれとの関係で「目標設定の極意」についてのブログを載せておきます。

これまでも何度か「目標設定」について書いてきました。「目標設定」はチームを活性化する上で極めて重要です。経営者やリーダーが目標を設定し、それを明確な言葉で社員やメンバーに伝え、社員やメンバーが腹落ちして共感すれば、企業やチームは活性化します。

職場やチームが沈滞しているというのは、目標設定が不十分だからだと言ってもいいのかも知れません。

多くの企業やチームでは目標が設定されています。それにもかかわらず、職場やチームが停滞しているのは、経営者やリーダーが決めた目標が社員やメンバーに小原落ちしていない、つまり彼らの共感を得ていないからです。社員やメンバーが目標を自らのものと理解し、共感して目標に向かわなければ、その目標設定には意味がありません。

ゴールに向かって走るのは社員やメンバーです。彼らが自走してゴールに向かう、それを手助けするのが経営者やリーダーの役割です。つまりマラソンのペースメーカー・伴走者です。部下やチームメンバーを鼓舞しながらゴールを達成できるように陰で支えることが役割です。

1.淀んだ空気の正体は「目標がない」こと

 淀んだ空気が漂っている職場があります。メンバーの誰もがやる気や覇気がなく、ただ机に向かって与えられた仕事をこなしているだけです。与えられた仕事の目的すら分からず、考えることなく、就業時間が過ぎるのを待つだけでは、活気が生まれるはずはありません。そして、こうした空気は伝染します。

 組織の目的も分からず、目標もなければ、やる気を失うのは当然です。

 目標を設定すれば、向かう先が決まります。目的地が決まれば、その方向に進めるようになりますし、計画を立てて必要な準備をすることもできます。やるべきことも明らかになり、時間やエネルギー、知識やスキルなど自分の持つリソースを、何にどれだけ費やすかを決めることもできます。誰でも具体的な目標があればやる気を持てるようになりますし、目標を達成できたときの達成感も得られます。

2.「良い目標」を作るためのフレームワーク

 まず、目標を立てるためには、「良い目標」を理解しておく必要があります。

 「良い目標」というのは、メンバーで共有・共感して、プロジェクトを製鋼させる可能性が高いものでなければなりません。端的に言えば、「明確である」ことが重要です。以前紹介した「SMARTの法則」です。

 「SMARTの法則」というのは「Specific(具体性)」「Measurable(測定可能性)」「Achievable(達成可能性)」「Relevant(関連性)」「Time-bound(期限)」の頭文字をとったものです。この法則に則って目標設定することで、より実現に近づくことができるとされています。

  • Specific(具体性)・・・目標を達成するためにすべきことを具体的にする。実行すべき内容とその方法、必要なリソースや情報を明らかにして、進捗を確認すべき時期を設定した段階的なアクションプランを明示する。
  • Measurable(測定可能性)・・・目標に置ける成功とは何かを定量的に表わすために、期待される結果の量とレベルを数値で示す。
  • Achievable(達成可能性)・・・目標が達成できないほどに高すぎず、現実的かどうかを見極める。非現実的な目標はフラストレーションがたまりモチベーションの低下を引き起こす。
  • Relevant(関連性)・・・目標は所属する組織のプランに整合させるとともに、自身のエネルギーが湧き起こるような興味・関心を反映させる。

 ここで最も大切なの「Relevant(関連性)」です。目標達成の先にどのようなワクワクがあるのかということです。つまり、永守氏の「やがて自家用ドローンが普及し、ロボットが人口を超える」「これにより精密小型モーターの受注が大幅に増える」という「ぶっ飛んだ目標」です。こうしたぶっ飛んだ目標や夢があれば、その実現に向けて情熱を燃やし、やる気が出てきます。

 しかし、情熱だけでは目標は達成できません。人間は「熱しやすく冷めやすいもの」で、何時までも情熱を燃やし続けることは困難なのです。自分が心から達成したいと思える目標であるとともに、その達成のために戦略を立てることが重要になるのです。

3.目標を実行させるために必要なもの

 どんなに具体的で明確な目標を立てても、本人が心から「達成したい」と思えなければ意味がありません。逆に、だれもが無謀だと思えるような目標でも「絶対に達成してみせる」と思えるなら、それは「良い目標」になります。何度も書いています「ぶっ飛んだ目標」です。

 「ぶっ飛んだ目標」というのは、すぐに手が届くようなものではなく、実現可能性や勘定のブレーキにとらわれない「心底、実現したい目標」のことです。ストーリーがあり、聞く者がワクワクして「面白い、やってやろう」とやる気にさせてくれるものです。「ぶっ飛んだ目標」を立てるコツは、「実現可能か」どうかではなく、「実現したい」かどうかです。やりたいという思いです。いまは、先が見通せず、何が正解か分からない時代です。「実現可能か」どうかは誰にも分かりません。こんな時代だからこそ、「ぶっ飛んだ目標」が必要なように思います。