中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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休日の本棚 1000円ゲーム

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で1570人、うち東京429人、大阪180人で、神奈川(128人)、埼玉(84人)、山口(6人)の3県が過去最多となっています。そのほか愛知177人、福岡150人、沖縄84人、兵庫55人、千葉53人と相変わらず高い水準にあります。神戸では児童施設、石川ではカラオケ大会、群馬ではクラブでクラスターが発生しています。

地方での感染は夜の街関連が多いようですが、東京、大阪の流れが遅れてきているような感じです。早めに対策をとって食い止めないと、東京、大阪と同じように夜の街から職場内、家庭内と市中感染が広がっていきます。東京、大阪の失敗を教訓には早めに対策を取る必要があります。特に地方の医療体制は東京・大阪に比べ脆弱なのですぐに医療崩壊を引き起こします。帰省もこうした点を考慮して判断されるべきです。

東京と大阪を比較すれば、感染者数では東京の方が多いのですが、ここ1週間の陽性率では東京7%に対し大阪は9%、感染経路不明者は東京62%に対し大阪68%と大阪が東京を上回っています。

東京の医療関係者が、朝のテレビ番組で、「7月初旬は入院患者も20代・30代が中心であったのが、中旬以降は40代、50代に移行し、今は70代、80代の患者が増えてきており、このまま1・2週間すれば病床も埋まり重症患者も増えていく」と危機感を募らせ、「すでに第2波の入り口は通り過ぎている。もはや経済を回していくという段階ではない。経済と医療を分けて考える時期ではない」と経済優先の政府に警鐘を鳴らしていました。

GoToトラベルを強行し経済優先に強くかじ取りしたツケが来ています。この責任は政府にあります。それなのに対策をすべて各都道府県に任せ、金すら出さないのでは無為無策の極みとしか言えません。安倍総理もほとんど会見を開かず、コロナ失政への批判ストレスで深刻な体調不良とのうわさもあります。

今日は、江上治著「1000円ゲーム 5分で人生が変わる『伝説の営業法』」(経済界)を紹介します。

この本の帯には、「ある外資系保険会社には数十年にわたって語り継がれる『伝説のロープレ』があった。学んだ人はみな『億超えの伝説』になった」と書かれています。

この本のタイトル「1000円ゲーム」とは何でしょうか? 簡単に言えば、1000円もらえるかどうかを競うゲームです。2人1組で向き合い、どちらかが1000円を出します。1000円を出していない片方の人は、1000円以上の「価値ある情報」を提供してその1000円を手に入れると言うゲームです。制限時間は5分です。

「営業という仕事の本当の目的は何なのか。」「何のためにあなたは営業をしているのか」今こそ、<営業の常識>という鎖を打ち破れ!と、営業の本質(これはそのまま仕事の本質につながります)を掘り下げていく物語形式の本です。

月曜の朝、仕事のノルマが達成できず、追い詰められ切羽詰まった気持ちで会社に向かう主人公の私は支社の2階にある通称「いじめ部屋」に向かいます。毎週月曜の朝に、ここで先週の成績発表が行われるのです。私はほとんど最下位の成績でアルバイトの女性事務員より安い給料しかもらえていません。私とほぼ同じ成績の同期、その日第3位の成績で表彰されます。私は、その同期の彼から1つの真理を教えてもらいます。その同期の彼が出会った真理こそが「1000円ゲーム」だったのです。

1000円ゲームの制限時間は5分、5分の間に話せることには限りがあります。また、1000円の価値のある情報というのもなかなかありません。

「1000円ゲーム」というロールプレイは何のためにやるのか。営業のスキルや説得力を磨くためだけではないのです。

私は、同期の彼に「1000円ゲーム」を教えた師匠に会いにある島に行きます。そこで教えを受けるのです。いくつかこの教えについて書きます。

  • 遍界不曾蔵(へんかいかつてかくさず)・・・この世の中は何も隠していない。真実は隠されているのではなく、すべてあなたのまわりに現れているという意味です。ここにあるのにみえない、というのは、既成概念や思い込み、偏見などのフィルターをかけて見えなくしているのです。素直な気持ちで目を凝らし、心を集中すれば、この世での探し物は、きっと見つかります。元々、あなたのまわりにあるものなのですから。
  • 世界のどこにも、いわゆる社長やいわゆる女性という人間はいない。存在するのは血の通った、様々な希望や課題を抱えた、呼吸と鼓動を絶え間なく繰り返している一人一人の人間だけです。それこそが営業マンが陥っている落とし穴であり、成長を阻害する病根なのです。営業マンの営業は、一般化の中で決めつけをして、終始<売りたい>気持ちであふれています。「1000円ゲーム」でも同じようになります。
  • 「売ろう・売りたい(体)→売るためのスキル・テクニックを駆使する(技)→お客様のニーズ・ウォンツに合致する(心)」で技の向上が重要なのか・・・だが、天才と言われる営業マンは決して「売ろう」としていない。上手に質問を展開し、聞き役に徹している。重要なのは、ひたすら誠意をもって接する。
  • 口は1つ、耳は2つ、話す2倍聞く。お客様の心を開き、心の声によく耳を傾けることが出来れば成功です。そうなれば黙っていても契約は進みます。
  • 実は、お客様自身も、人生で何が自分の課題なのか、本当の悩みが何なのか、何が真に欲しいものなのか、分かっていないことが多いのです。それを聞き出してあげることが仕事、一緒に考えを整理し、対策を見つけていくのです。
  • 人間の真理には必ず、表と裏があります。ほんねがどこにあるのかじぶんではあくしていないばあいもあります。裏の本音、裏のニーズを掘り当て理ことが重要です。お客様の神の欲求や価値観、その理由を知り、それをお客様と共有できるかどうかが、仕事の成否を分けます。
  • 営業の目的は、「商品を売る」にあるのではない。「お役に立つ」にある。 「1000円ゲーム」の目的は、相手から1000円もらうことではなく、営業のスキルを磨くためでもありません。本当の相手のkp頃の核心に入り込みます。目的は「どうすれば、相手のお役に立てるかを知る」ことです。1000円ゲームの5分という時間を通して、五感を研ぎ澄まし、心を子の目的に集中させて、相手の言葉に傾聴しなければなりません。この態度で1000円ゲームを繰り返し行えば、「相手に貢献できるもの、与えられるものは何か」を受け止める姿勢が出来ます。
  • 1000円ゲームに最も大事なことは、⑴どこに問題があるのか ⑵それはなぜなのか ⑶それをどう解決するのか の3つを常に考えることです。特に⑵が重要です。時には相手の過去にまでさかのぼって知る必要があります。
  • 1000円ゲームの肝で3つの質問です。「最近の状況で、何かワクワクすること、あるいはやりたいこと、そして何かお困りのことはありますか? どれでも結構です。あったら教えてください」→これによって一気に相手の心の核心に入り込みます。
  • 1000円ゲームの間中、常に相手を理解する、相手になりきる努力をしてください。何処までこれが果たせるかによって室に大きな違いが出ます。ここだけに意識を集中して、それが完璧にできるようにしてください。
  • 契約していただいた時点では、まだ半分しか仕事は終わっていません。出口(納品されたとき、契約が履行されたとき)がすべてです。人は出口でしか判断しないし、あなた自身も出口でしか変化し、成長できません。
  • お客様を相手にして、人生の課題や本当の悩み、真の欲求を聞き出し、一緒に考え、対策を見つけようとする。それが仕事です。商品を売るためでも、自分の利益のためでもありません。利益(りやく)とは、人に恵を与えることです。
  • 「お客様の悩みや希望などの課題(心)→その課題を知るための質問、イメージ等の努力(技)→お客様に貢献しようとする謙虚な自分(体)」これこそが、営業の正しい流れです。
  • お客様の立場で物事を考え、終始<与える>スタンスを取ることが大事です。単にお役に立つだけ、与えるだけと言う時もあります。それでも与えるのです。お客様から「ありがとう」と感謝され、紹介される人になるのです。これで人脈の輪が広がります。

本書のメインテーマは「営業」ですが、政治の世界も同じでしょう。国民の立場で物事を考え、国民に<与える>、つまり国民に貢献しようとする謙虚な気持ちが政治の流れであるべきです。政治は、政治家個人の利益が目的ではありません。

また、個々人の生き方や人生観にもかかわっています。いかに主体的で豊かな人生を生きるのか、何のために、誰のために生きるのかを考えるためにも1000円ゲームに取り組んでみてください。

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