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組織文化

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で2087人で、そのうち東京364人、神奈川96人、埼玉107人、千葉81人、愛知56人、大阪432人、兵庫176人、京都30人、福岡30人、沖縄87人、北海道56人、宮城121人などとなっています。全国的に増加していますが、大阪が1月24日以来400人を超え東京を上回り、兵庫も緊急事態宣言後最多となっています。大阪では検査数を増やしているので、単純には数字だけで比較はできませんが、この急激な増加は、感染力の強い変異株に置き分わってきているからではないかと懸念します。

さて、一昨日、「組織の徹底力」の所で書きましたが、強い組織というのは、マネジャーやリーダーが自社のミッションやビジョン、組織文化、行動規範を理解し腹落ちして部下に伝え、それを共有することから始まります。それらがチームや組織全体で共有できれば、部下のモチベ―ションは高まり、自発的に行動するようになり、チームや組織は目標に向かって前進し成長します。

今日は、ダイヤモンドオンラインの「『何が恰好いいのか』があなたの会社の組織文化を決めている」という記事を取り上げます。

組織文化」というのは、事業目的を達成するために経営組織で共有された行動原理や思考が固定・反復されて出来た固有の文化を表す言葉ですが、簡略化すれば「組織構成員の間で共有されている信念や価値観」と定義されます。

組織文化が共有され浸透すると、次のようなメリットがあるとされています。

  1. 組織に一体感が出る。
  2. 意思決定がしやすくなる。
  3. 自由度が高まる。
  4. 企業イメージが形成される。
  5. 人材の定着率が向上する。

良い組織文化が形成されると、組織内だけに留まらず、組織外にも良い影響を与えます。組織メンバーが組織文化に従った行動をとるようになると、結果としてその組織の外部環境への適応力も高まってくるのです。

ところが、「あなたの会社の組織文化とは何ですか?」と問われると、明確に答えられないのが現実です。「組織構成員の間で共有されている信念や価値観」と抽象的に言ってみても、「それが具体的にどのようなものか」説明できないのです。

この記事では、「格好いい」という価値観で組織文化を捉えようとしています。「格好いい」というのも組織文化を捉える一つの基準かもしれません。「格好いい」という基準でなくても「面白い」という基準でもいいかと思います。

「格好いい」という価値観も組織によって違います。先進的なプロダクトを生み出しことを格好いいと思う組織もあれば、誰にとっても使いやすくて売りやすいプロダクトを生み出すことを恰好いいと考える組織もあります。顧客ニーズをどのようにとらえていくかに関わっているように思います。顧客ニーズを結び付けるのはは「格好いい」でも「面白い」でもいいのです。

この記事ではアップルとアマゾンが比較されています。

アップルは何よりも世界一美しいデザインを生み出すことを最優先しています。それがアップルにとっての「格好いい」です。それとは対照的に、アマゾンではデザインに拘らず、倹約を徹底し圧倒的に安いプロダクトを提供しています。これがアマゾンにとっての「格好いい」なのです。アップルの組織文化はアマゾンでは通用しませんし、逆にアマゾンの組織文化はアップルに通用しません。

日本で言えば、全日空日本航空伊藤忠商事三井物産JR東日本JR東海JR西日本など、同じ事業を営みながらもそれぞれ個性が異なり組織文化が違います。

それでいいのです。組織文化というのはそういうものです。

しかし、だからこそ、「自社の組織文化は何か?」真剣に考えて明確にしなければなりません。

これからは、この記事からは離れますが、組織文化を生み出し維持していくための要素についてみます。これを参考に、自社の組織文化を考え、創生してください。

  1. 創業者の意思・・・組織文化に最も影響を与えるのは、その組織を作った創業者です。創業者が何を思い、何を考えて組織を作ったのか、その創業者の志や思いが組織の中で共有されて組織文化が生まれます。
  2. トップ・マネジメントの行動・・・新しいメンバーはトップマネジメントの言動によって組織文化に触れることになります。創業者が在職中は、創業者の個性や考え方、言動が影響を与えますが、創業者なき後は、それを引き継いだトップマネジメントの言動に影響されるのです。
  3. 採用・・・ 組織における採用も重要です。新メンバーが組織文化を受け入れないようならば、組織自体の協働システムが機能しなくなります。組織文化を受容できるかという点が採用に当たり重要になりますが、逆にこれに拘ると組織が硬直化して組織の成長を阻害し組織変革ができなくなります。
  4. 行動モデル・・・トップマネジメントに限らず、ベテラン社員の行動により組織文化が強化されます。新人社員は先輩社員を行動モデルとすることによって組織文化を身につけていきます。
  5. エピソードや神話・・・創業間もないころの苦労話や危機を乗り切った話など、過去の出来事が現在の組織の在り方やメンバーの行動の在り方に影響を与えます。組織のエピソードや神話からその組織が何に価値を置いているかを学ぶことができるのです。
  6. 儀式・・・日本企業では、朝礼を行なっているところも多いのですが、朝礼で葉社訓を唱和することに始まり、上長から連絡事項が伝えられたりします。こうした儀式が毎日繰り返されることによって、価値観が強化され、メンバーに定着し、仲間意識を高めます。
  7. 社内用語・・・組織に独特の言葉を使うことで、独自の世界観を生み出し、仲間同士の連帯感を強めます。

組織文化というのは理解するだけでは何の役にも立ちません。それが身について、具体的に行動に移せることが重要です。組織というのは静的な存在ではなく動的な存在です。行動に移さなければ組織自体崩壊してしまいます。

組織文化というのはそれを身につけて行動し、それをさらに次に繋いでいくことで組織が発展成長していくためのものです。その意味では、組織文化も社会の変化に応じて変わっていかなければなりません。