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やる気よりもまずは行動を!心理療法ACT

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で3441人で、そのうち東京545人、神奈川175人、埼玉154人、千葉94人、愛知144人、大阪905人、兵庫311人、京都83人、奈良88人、福岡48人、沖縄140人、北海道79人、宮城87人などとなっています。今日にも東京京都、沖縄に対してまん延防止等重点措置の適用が正式に発表されそうです。しかし、まん延防止等重点措置のレベルではなく、全国的に緊急事態宣言発令レベルの状況です。緊急事態宣言解除から2週間余りでこのような事態になることは十分に予想されたはずで、政府の認識の甘さが際立っています。結局は、緊急事態宣言にしろまん延防止等重点措置にしろ、諸外国に比べて緩い甘々の対策では新型コロナウイルスを抑え込むことは難しく、特に感染力の変異株が拡大すると打つ手がありません。諸外国並みのロックダウンを行って一気に抑え込みに入らないとズルズルと時間だけが経過します。経済にとってもその方が真綿で首を絞められ続けているような状況で、時の経過とともに立ち直る気力も体力もうしないます。一時的にロックダウンのような強硬な対策を盗れば一時的には大きな痛手となりますが、早い段階で息を吹き返すことができ、長期的に見ればダメージは少なくなります。今の状況では政府が躍起になって推し進めようとしている東京五輪パラリンピックも夢のまた夢となりそうです。

さて、今日は、ニューズウイークの「あなたが仕事を始めないのは『やる気が出るのを待っている」から 目からうろこの心理療法ACTの極意とは」を取り上げます。

出社勤務の場合は、出社すれば人の目があるので仕事を始めなければなりませんが、テレワークで人の目がなければ、なかなかやる気が出ずに仕事を始められないということもあるかと思います。

「仕事を始めたいけど、イマイチ気分が乗らない」・やる気が出ない」というときにはどうすればよいか?それを教えてくれるのが、ACT(アクト)という心理療法です。

ACTはアクセプタンス&コミットメント・セラピーの略で、アメリカの心理学者スティーブ・C・ヘイズが鬱症状の治療のために開発した心理療法ですが、現在では不安やストレスといった心の不調や、麻薬中毒治療にも使われています。

ACTが他の心理的アプローチを異なるところは次のようなものです。

  1. ACTは行動を重んじる・・・自分の望む人生の助けになることを実行する。逆に役に立たない場合は行うべきではない。
  2. ACTは宗教でも精神世界の教養でもない・・・「人との比較を辞めよう」「理想の状況を創造すれば実現できる」というような特有の価値や真理のようなものはない。価値や信条は自分で見つけ出す。
  3. ACTは瞑想ではない・・・呼吸や現在の行動に集中することを重視するが、瞑想のようにリラックスすることは目的ではない。
  4. ACTは悟りへの道ではない・・・ネガティブなことや苦痛に感じることを払い去る方法でもない。それを活かす道を探るメソッドである。

1.自信満々で取り組むなんて間違い

 自信をつけた状態で何かに取り組もうとするのは間違いです。自信がつく状態を待っていたら、いつまでたっても取り組めません。自信なんか気にしなくていいから、とにかく今やっていることに意識を向けてただやればいいのです。自信がなくても行動すれば自信は後からついてくるものです。

 やるべきことはただ一つです。今やっていることに集中することだけです。これがACTで最も重要なポイントです。余計なことを考えず現在の行動に集中すると、雑念が起きにくくなり、仮に起きたとしてもすぐに受け流せるようになります。日常的にこれを心掛けていると、重要な行動をする際にも集中できるようになります。

 うまくいくだろうか、嫌なことが起きるのではないだろうかと不安や心配があったとしても、現在に集中していればそれらに影響を受けることはなくなります。

 「心配するのをやめろ」「不安になるな」というのは間違ったアドバイスです。心配や不安はいくら追い払おうとしても、起こってしまう感情です。心配や不安は無理に追い払わずに「自然にやり過ごす」、受け流せばいいのです。

よく、「ネガティブは良くない、ポジティブに考えろ」と言われ、ポジティブ・シンキングが流行っていますが、人間がネガティブに考えるのは当たり前で、無理にポジティブに考えようとしても無理なことなのです。

心配・不安・失敗・自己批判などの感情や思考を追い出すのではなく、それらを受け入れるというのがACTのA、つまりアクセプタンスなのです。

2.些細なことに集中することでも自信につながる

 自信を持ちたい事柄(勉強。スポーツ、楽器の演奏、スピーチ。交渉など)において集中力を高めるためには日常のあらゆる事柄に集中することが練習になると言います。着替え、歯磨き、食事、シャワー、家事などをするときに、その行為のみに集中するのです。こうした集中の練習を積み重ねることで「自信をつけたい分野でも集中できる→良い結果につながる→集中する時間を増やす→自身が湧く」という流れが出来上がるのです。

3.自信を高めるために、モチベーションを高める必要はない

 一般に、自信を持ちたい事柄に取り組めないのはやる気や高揚感が起きないことが一因だと考えられますが、ACTでは、やる気を高めよう、やる気が高まるまで待つから取り組めないのだと言います。ACTの開発者ハリスは、やる気とモチベーションは異なると言っています。モチベーション(動機)というのは、やる気(感情)ではなく、「単に何かをしたいというニーズ」だと言います。生きている限り、誰でもモチベーションはあるはずで、目先のやる気という感情が沸き起こるのを待っているから、取り組めないのです。目先のやる気のことなど気にせずに、こうどうをおこせば、「やればできるんだ」という感情が後から生まれ、それが自信へと繋がってくるのです。

ACTの基本コンセプトは「心を変えるのは難しい。しかし行動は変えやすい。まず行動から変えていけば、心の状態は時間差を経て変わる」というものです。先ずは行動からスタートすればいいのです。