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リーダーに必要なEQ

おはようございます。

今日も過去のブログを貼り付けます。

ビジネスにおいても、リーダーにはアタマの良さが求められます。ここで必要な知能指数ⅠQだけではありません。重要なのはEQです。EQとは「心の知能指数」と言われるものです。EQ(Emotinal intelligence Quotient)は心の知能指数EIを測定する指標のことで、「心の知能」というのは「自己や他者の感情を理解することや、自分の感情をコントロールする能力」のことです。以前にも書きましたが、優れたリーダーというのは自分の感情をうまくコントロールできる人です。その意味で、リーダーにはIQのみならずEQも必要なのです。

EQが取り上げられるようになったのは、IQだけで人の知能を判断するのは不適切だと考えられるようになったからで、心理学者ハーワード・ガードナーが提唱しました。

ビジネスの分野においては、ピーター・サロン博士やジョン・メイヤー博士によって、心理学の立場からビジネス社会における成功要因は何かが研究されました。

修士や学士といった学歴など知能指数(IQ)が高い人材がビジネスでも成功すると一般に考えられてきましたが、実際にはIQが高い人が必ずしもビジネスで成功するわけではありません。ビジネスにおける能力でIQがある程度重要であることは認められていますが、両博士は「IQ以外の別の能力が必要である」とし、調査研究の結果、ビジネスに成功した人が備えていた能力は対人関係能力だったのです。対人関係能力が備わっている人材は、社内外との関係をうまく調整することができます。こうしたことから、両博士は「自己の感情をうまく管理・利用できるということは、重要な1つの能力である」という「EQ理論」を提唱したのです。

1.EQの構成要素

EQの構成要素には次の4つがあると言われています。

  1. 自分を理解する「自己認識」・・・自分を深く理解すること。自分の感情を常に俯瞰できることは、自分を理解するうえで絶対に必要なものです。自分の感情に敏感な人は、自分の気持ちに忠実な選択を行うことができます。自己認識は、自分を正しく評価でき、自分に自信を持つうえでも重要な要素です。
  2. 自分をコントロールする「自己管理」・・・感情は行動を起こす原動力ですが、暴走すれば自分や他人を傷つけます。感情は適切にコントロールしないといけないもので、反対にうまくコントロールして動機づければ大きな力になります。
  3. 他人を理解し適切な人間関係を築く「社会認識」・・・他人を理解するためには相手のニーズに適切に反応して対処することが大事です。相手の気持ちを慮る「共感」や、相手の話を聞きその視点を理解する「メンタライジング」は重要な要素です。個人や集団のニーズを読み取り、ニーズを満たすことで良好な人間関係を築き保つことが重要なポイントになります。
  4. 組織・集団を正しい方向へ導く「人間関係の管理」・・・EQの最終的な目標は、社会で影響力を発揮することができる人間になることです。影響力というのは、他人の能力を育てる育成力、チームワークや協調関係を築くリーダーシップはもちろん交渉などで「WIN-WIN」関係を築くことです。人間関係をうまく管理することで、個人では実現できないことを、組織の力によって実現させることが可能になります。

2.EQが高い人の特徴

 EQが高い人の特徴には次のものが挙げられています。

  1. 変化を受け入れる柔軟性がある・・・自分の回りの変化を常に受け入れ、柔軟に対処し、新しいことにもチャレンジします。
  2. 完璧を目指さない・・・世の中に完璧なものなどありません。仮に間違ったとしても、調整して結果的に何とかし、過ちから必要なことを学びます。
  3. 仕事とプライベートのバランスをとるのが上手・・・集中して仕事をするときとプライベートのオンオフをはっきりと区別します。
  4. 共感力がある・・・他人への思いやりの心を常に持っています。
  5. 集中力がある・・・目の前の作業にだけ集中することができます。
  6. 自分の強みと弱みを知っている・・・自分の得手・不得手をしっかりとわかっています。
  7. 自分自身のやる気を引き出すことができる・・・「自発的に」モチベーションを高く保つことができます。
  8. 過去のことで思い悩まない・・・過去の失敗やいやなことを思い出して落ち込んだりしません。そのような時間は、未来への可能性をじっくりと考えることに費やします。
  9. ポジティブなことに意識を集中させる・・・ネガティブなことを切り捨て、ポジティブなことや自分がコントロールできることに意識を切り替えて集中します。
  10. 境界線をしっかり定める・・・境界線を決めて、自分ができないことやネガティブなことははっきりとNOと言います。

EQは感情面や情緒面において健康で、人間関係を適切にこなせる人格的能力であり、リーダーには必要不可欠な能力です。IQに偏らず、EQを磨くようににしましょう。