中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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経営には強い意志が必要

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で4940人、そのうち東京573人、神奈川237人、埼玉155人、愛知426人、大阪668人、兵庫271人、京都96人、岡山137人、広島180人、福岡372人、大分75人、熊本81人、北海道409人などとなっています。重傷者は1152人で過去最多を更新し、元々検査数が少ない月曜日にもかかわらず、地方で感染者数が増えています。全国的な緊急事態宣言も視野に入れてより強力な感染防止対策を行っていくしかありません。

今日も大した記事は見つかりませんでした。その中からForbes JAPAN の「『意志ある事業』と『模倣事業』の決定差」という記事を取り上げます。これは、「企業は意志が10割」(講談社)の著者守屋実氏と「天才を殺す凡人」(日経BP社)の著者北野唯我氏との対談となっています。ここでは、企業や新規事業に欠かせないものについて語られています。

コロナ禍で多くの業界、企業が大きな打撃を受けているにもかかわらず、中にはピンチをチャンスに変えて事業を進化させた企業もあります。その決定的な差はどこにあるのでしょうか。

守屋氏は「どんな窮地に立たされても、歩みを止めないことが最も重要なことだ」と言っています。それは企業だけでなく人生においても言えることで、歩みを止めてしまえば成果は出なくなりますし、進歩はありません。コロナ禍のような危機的状況においては、死に物狂いで必死で物事に取り組むことで、道が拓けるのです。しかし、危機的状況に陥ってから動き出しても駄目なのです。コロナ禍でも進化を続けている企業は、コロナ禍になってピンチになってから動き出したというよりも、普段から(コロナ以前から)ずっと動き続けてきたことで、新型コロナウイルスの蔓延で世間がストップする中でも動き続けることができたのです。

守屋氏は、「企業は意志が10割」の中で、事業のフェーズごとに、イシ、コト、ヒト、カネの割合が変わると言っています。最初はイシが10割でスタートし、続いて事業の構想であるコト、さらに意志に呼応してくれるヒトが必要になってくるのです。

起業で一番必要なのは「意志」なのです。意思なく模倣で事業をしようとすると、途中で心が折れたり、手を抜いたり、飽きたりしてしまいます。本当に強い意志を持っていると困難をの突破して頑張る続けられます。

北野氏も「模倣して作られたプロダクトと意志をもって作られたプロダクトは『魂の入り方が違う』」と言っています。

昨日書いたココイチの創業者宗次氏も、「お客様に喜んでもらいたい」という強い意志を持っていたからこそ、仕事、仕事と仕事一筋で、経営以外のことはすべて排除できたのです。つまり心の中の獣(煩悩)を飼いならすことができたのです。

ビジネスにおいて、ヒト、モノ、カネ、情報という4つのリソース(経営資源)が必要であると言われますが、それらをうまく管理・マネジメントするためにはイシ(意志)が必要です。時に、起業や新規事業においては、守屋氏が言うように「意志が10割」と言ってもいいくらいです。

守屋氏は「自分の『やりたいこと在庫』をためておいて、100%没頭して頑張れる意志を持った人との出会い待ちをする。そうすると出会った後の着火は早い」と言っています。いくら強い意志を持っていても自分一人の力には限界があります。同じ意志を持ったヒトとの出会いが必要です。

また、北野氏は、「事業を作る際には、個人的なペイン(痛み)や悩みをどうしたら解決できるかという視点を重視しています。例え、儲かりそうだなというサービスを思いついたとしても、一旦立ち止まって『これは本当に僕がやりたいことなのかな?自分が心から解決したいことなのかな?」と問うようにしています」と言います。自分が何を重視しているか、自分が重点を置く価値をしっかりと掴まえて、「本当に自分がしたいことは何か」「それが本当にお客様のためになることなのか」という視点というか意志が必要なのです。

意志が必要だということはビジネスだけではなく、人生においても強い意志ある人が自分の人生を切り開いていくのです。

この記事からは離れますが、京セラの経営の原点12か条というのがあります。これは京セラの稲森和夫氏が経営に携わる中で自らが会得した実践的な経営の原理原則を12か条にまとめたものです。その第7条に「経営は強い意志で決まる」というものがあります。

稲盛氏は、「経営とは、経営者の『意志』が現れたものだと考えます。こうありたいと思ったら、何が何でもその目標を達成しようとする、強靭な意思が必要です。その時大切なことは、従業員の共感を得ることです。もともと、経営目標は経営者の意思から生まれるものですが、同時に、その目標が、従業員全員が『やろう』と思うようなものにする、経営者の経営目標という意思を、全従業員の意思に変えることが必要です」と言っています。

経営には岩をも穿つ強い意志が必要ですが、まずこの強い意志を持たなければならないのは経営者です。経営者でなければ岩をも穿つような強い意志は持てないでしょう。経営目標というのは経営者の意思を体現するものですが、強い意志は四六時中頭から離れないような強さが必要です。経営目標を達成したいという強い思いは、顕在意識だけでなく、その下の潜在意識にまで透徹するほどの強烈な凄まじいほどの意志・信念でなければならず、常にそうした意志・信念が経営には必要なのです。

そして、「なんとしても目標を達成する」という強い意志とともに、「本当にそれを実行する」という行動が必要になります。経営者自身が目標達成に向けた具体的な行動を率先して示すことが必要です。

その場合に重要なのは実際に働く従業員です。会社を運営し経営していくためには、ヒト、すなわち実際に働く従業員の協力が必要不可欠です。いくら経営者が経営目標を立てたとしても従業員がついてこないと進みません。京セラでは、「コンパ」、要するに「飲み会」を定期的に開いて経営理念や経営目標を社長が社員に向かって伝える場を作っていました。今のご時世、飲み会はアウトですが、オンラインを使ってでも経営目標や経営理念を経営者が社員に伝えていくことが必要です。そこで必要なのは、経営者の強い思いや意思をメッセージとして社員の心に響かせることです。社員に経営者のエネルギーや魂を吹き込むことです。

稲盛氏の「成功の方程式」は「考え方✖情熱✖能力=成功」となっています。

経営者が強い意志をもって「目標(考え方)」を立てて、従業員から「情熱」を引き出し、従業員が持っている「能力」を最大限引き出して経営目標を達成していくことが重要だということです。先ほども書いたように経営者の意思を従業員が共有することが必要ですが、従業員にもいろいろなタイプがいます。大きく分ければ「不燃型」(燃えない人)、「消火型」(燃えようとしている人を燃えなくする人)、「自燃型」(自分でどんどん燃える人)、「可燃型」(皆がやろうと言えば燃える人)の4種類です。「不燃型」や「消火型」が主導権を握っているようでは、意志の共有はできません。「自燃型」や「可燃型」が中心となって盛り上げていくことが必要です。

稲盛氏の経営哲学からも明らかなように、「経営には強い意志が必要」なのは間違いありません。