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休日の本棚 アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で2458人、そのうち東京950人、神奈川310人、埼玉147人、千葉204人、愛知64人、大阪200人、兵庫45人、京都24人、副科54人、沖縄64人、北海道64人などとなっています。首都圏4都県、大阪など明らかにリバウンドしています。明日から東京には緊急事態宣言が発令され、4府県にはまん延防止等重点措置が延長されますが、果たして効果はいかほどでしょうか。s家類の提供禁止・時短などを行っても一方では五輪を強行開催(無観客と言いながら五輪貴族は特別扱い)、これでは自粛疲れ・自粛慣れした国民は、メッセージは伝わりません。ほとんど効果はないのではないかと思います。五輪後の感染拡大が心配です。再度感染拡大した台湾は、ワクチンが不足しているにもかかわらず、1か月余りで徹底した防疫対策で二度目の感染拡大の抑え込みに成功しています。無為・無策・無知・無能でワクチンだけが頼りの菅政権とは大違いです。しかも迅速かつ十分な支援や国民への丁寧な説明もなされ国民も理解・納得して政府の方針に協力しています。後手後手の対策で、国民への説明もまともにできない菅政権には、少しでも爪の垢を飲んで見習ってもらいたいものです。

さて、昨日は、絶望名人カフカのネガティブな言葉を紹介しました。今日はポジティブな言葉の紹介です。小倉広著「アルフレッド・アドラーの人生に革命が起きる100の言葉」(ダイヤモンド社を紹介します。

ルフレッド・アドラーは、数年前、岸見一郎・古賀史健著「嫌われる勇気」で一躍有名になりました。アドラーは、現代の心理学に多大な貢献を残しながらも、それまではほとんど名前を知られていませんでした。しかし、アドラーは「自己啓発の父」と呼ばれているように、多くのポジティブ思考の理論の多くにアドラー心理学の影響が見て取られます。

著者の小倉氏はアドラーに出会う前の私は霧の中を手探りで歩き、いつも自信なく迷っていました。30歳で初めて部下を持ち課長になったものの、チームをまとめることができずにうつ病を発症。『上司としていかにあるべきか』『人間としていかに生きるべきか』を常に模索し続けていたのです。そんな私にとってアドラーは、闇を照らす灯りであり、トンネルの出口に見える希望の光でありました。アドラーに出会ったことで、『人生は複雑ではなく極めてシンプルだる』と気づくことができ、一気に視界が晴れ渡ったのです」と言っています。

絶望名人カフカとは違ったポジティブな言葉が、コロナ禍で混迷した社会で心身ともに疲弊しいかに生きるべきか、将来に不安を抱きながらもどうにかして生き残ろうと頑張っている人に、闇を照らす灯りとなり希望の光になるように思います。長いトンネルも行き止まりということはなく、いずれは出口があります。出口の先には光輝く未来が待っているはずです。

この本では、

  1. すべてあなたが決めたこと―自己決定性について
  2. そのままの自分を認めよー劣等感について
  3. 感情には隠された目的がある―感情について
  4. 性格は今この瞬間に変えられるーライフスタイルについて
  5. あらゆる悩みは対人関係に行きつくーライフタスクについて
  6. 家族こそが世界であるー家族構成について
  7. 叱ってはいけない、褒めてもいけないー教育について
  8. 幸せになる唯一の方法は他者への貢献ー共同体感覚について
  9. 困難を克服する勇気を持てー勇気について
  10. 他人の課題を背負ってはいけないー課題の分離について

の10の章に分けて、100の言葉が紹介され、解説されています。100の言葉すべてを紹介するわけにはいきませんが、この中からいくつかの言葉を紹介します。

1.自己決定権に関する言葉ー重要なことは人が何をもって生まれたかではなく、与えられたものをどう使いこなすかである。

  • 人生が困難なのではない。あなたが人生を困難にしているのだ。人生は極めてシンプルである。
  • 人間は自分の人生を描く画家である。あなたを作ったのはあなた。これからの人生を決めるのもあなた。
  • 遺伝や環境は単なる「材料」でしかない。その材料を使って住みにくい家を建てるか、住みやすい家を建てるかはあなた自身が決めればいい。
  • 人は過去に縛られているわけではない。あなたの描く未来があなたを規定しているのだ。過去の原因は「解説」にはなっても「解決」にはならないだろう。
  • 健全な人は、相手を変えようとはせず、自分が変わる。不健全な人は相手を操作して変えようとする。
  • 「やる気がなくなった」のではない。「やる気をなくす」樋受けty団を自分でしただけだ。「変われない」のではない。「変わらない」という決断を自分でしているだけだ。

2.劣等感に関する言葉ー人間であるということは劣等感を持っているということだ。

  • あなたが劣っているから劣等感があるのではない。どんなに優秀に見える人にも劣等感は存在する。目標がある限り、劣等感があるのは当然なのだ。
  • 劣等感を抱くこと事態は不健全ではない。劣等感をどう扱うかが問われているのだ。
  • 劣等感を言い訳にして人生から逃げ出す弱虫は多い。しかし、劣等感をバネに偉業を成し遂げた者も数知れない。
  • 強がりはコンプレックスの裏返し。「強く見せる」努力はやめて、「強くなる」努力をすることだ。
  • できない自分を攻めている限り、永遠に幸せにはなれないだろう。今の自分を認める勇気を持つ者だけが本当の強い人間に慣れるのだ。

3.感情に関する言葉ー最も重要な問いは「どこから?」ではなく「どこに向かって?」である。

  • 悲しいから涙を流すのではない。相手を攻め、同条や注目を惹くために泣いているのだ。
  • カッときて自分を見失い怒鳴ったのではない。相手を「支配」するために「怒り」という感情を作り出して利用したのだ。
  • 感情はクルマを動かすガソリンのようなもの。感情に「支配」されるのではなく、「利用」すればいい。
  • 子供は感情でしか大人を支配できない。大人になってからも感情を使って人を動かそうとするのは幼稚である。
  • 意識と無意識、理性と感情が葛藤する、というのは嘘だ。「分かっているけどできません」というのは単に「やりたくない」だけなのだ。
  • 怒りなどの感情をコントロールしようとするのは無駄である。感情は『排泄物』なのだ。『排泄物』を操作しても何も変わらないだろう。

4.ライフスタイルに関する言葉⑴ーすべての人は、自分自身について、及び人生の諸問題についての意見あるいは自分では理解もしていないし説明もうまくできないが、自分がいつもしっかりと守っている運動の法則を持って生きている。

  • ライフスタイル(=性格)とは人生の設計図であり、人生という舞台の脚本である。ライフスタイルが変われば人生はガラリと変わるだろう。
  • 「私は○○である」「世の中の人は○○である」「私は○○であらねばならない」性格の根っこにはこの3つの価値観がある。
  • ピンク色のレンズのメガネをかけている人は世界がピンク色だと勘違いしている。自分がメガネをかけていることに気づいていないのだ。
  • 使い続けたライフスタイルが支障をきたしても人はそれを変えようとしない。現実を捻じ曲げても自分は正しいと思い込むのである。
  • 幸福な人生を歩む人のライフスタイル(=性格)は、必ず「コモンセンス」と一致している。歪んだ私的論理に基づく性格では幸せになることはできないだろう。
  • 自ら変わりたいと思い努力すればライフスタイルを変えることは十分に可能だ。性格は死ぬ1~2日前まで変えられる。

5.ライフスタイルに関する言葉⑵ーアドラー心理学では、仕事・光友・愛の3つの問題に分解できない問題はない。

  • すべての悩みは対人関係の課題である。仙人のような世捨て人でさえ、実は他人の目を気にしている。
  • 人生には3つの課題がある。1つ目は「仕事の課題」、2つ目は「交友の課題」3つ目は「愛の課題」である。あとの方になるほど解決は難しくなる。
  • あなたのために他人がいるわけではない。「○○してくれない」という悩みは自分のことしか考えていない何よりの証拠だ。
  • 「愛の課題」と歯異性との付き合いや夫婦関係のことである。人生で一番困難な課題であるがゆえに解決できれば深い安らぎが訪れるだろう。

6.家族関係に関する言葉ー家族の位置関係を調査すればその人のライフスタイルがどのように形成されたかが明確になる。

  • 子供にとって家族は「世界そのもの」であり、親から愛されなければ生きていけない。そのための命がけの戦略がそのまま性格の形成につながるのだ。
  • 兄弟姉妹で得意分野が異なるには理由がある。それぞれが違う分野で認められようとするからだ。
  • 末っ子は甘やかされて育ちがちだ。そのため自分では努力せず無力さをアピールして人にやってもらおうとする「永遠の赤ん坊」になる傾向がある。
  • 一人っ子は親の影響を多く受ける。また末っ子と違い、兄弟姉妹がいないために人間関係が不得手な人が多い。
  • 身振りや話し方が親に似るのには理由がある。子供は親を真似ることで親の権力を手に入れようとし結果として本当に似てくるのだ。
  • 子供は両親が持っている価値観を無視することができない。全面服従して受け入れるか全面反抗するのだ。
  • 子供は親が貼ったレッテル、例えば「しっかりした子」「甘えん坊」「おてんば」「恥ずかしがり屋」などに対して過剰に応えようと努力する。

7.教育に関する言葉ー誰でも何でも成し遂げることができる。

  • 叱られたりほめられたりして育った人は、叱ったりほめられたりしないと行動しなくなる。そして評価してくれない相手を敵だと思うようになる。
  • 叱ると一時的には硬貨がある。しかし本質的な解決にはならない。むしり相手は活力を奪われ、ますます言うことを聞かなくなる。
  • 間違いをわからせるには親しみのある話し合いをすればいい。大切なのはそれができる信頼関係を築くことだ。
  • 他人と比較してはいけない。ほんのわずかでもできている部分を見つけ、それに気づかせることが重要だ。
  • 人は失敗を通じてしか学ばない。失敗を経験させ、自ら「変わる」と決断するのを見守るのだ。
  • 罰を与えるのではない。結末を体験させるのだ。子供が食事の時間になっても帰ってこなければ、一切叱らず食事を出さなければいい。
  • 人の育て方に迷ったときは自分に質問するのだ。「この体験を通じて相手は何を学ぶだろうか?」と。そうすれば、必ず答えが見つかるだろう。

8.共同体感覚に関する言葉ーあらゆる困難を取り除く助けとなるような統合的な視点が存在するとすれば、それは共同体感覚を発展させる視点である。

  • 自分だけでなく、仲間の利益を大切にすること。受け取るよりも多く、相手に与えること。幸福になる唯一の道である。
  • 誰かが始めなくてはならない。見返りが一切なくても、誰も認めてくれなくても、「あなた」から始めるのだ。
  • 「他者は私を助けてくれる」「私は他者に貢献できる」「私は仲間の一員である」この感覚がすべての困難からあなたを解放するだろう。
  • 人は居場所がないと感じると精神を病んだりアルコールに溺れたりする。他者に貢献することで居場所を確保すればいい。
  • 相手の権利に土足で踏み込んではならない。権利を尊重し、自分で決めさせるようにすれば、人は自分を信じ他者を信じるようになるだろう。
  • 「よくできたね」とほめるのではない。「ありがとう。たすかっあよ」と感謝を伝えるのだ。感謝される喜びを体験すれば、自ら進んで貢献を繰り返すだろう。
  • 苦しみから抜け出し方法はただ1つ。他の人を喜ばせることだ。「自分に何ができるか」を考え、それを実行すればよい。
  • 自分の不完全さを認め受け入れなさい。相手の不完全さを認め許しなさい。
  • 「信用」するのではなく「信頼」するのだ。「信頼」と歯裏付けも担保もなく相手を信ずること。裏切られる可能性があっても相手を信じるのである。
  • 「自分は役立っている」と実感するのに、相手から感謝されることや褒められることは不要である。貢献感は「自己満足」でいいのだ。
  • 判断に迷ったときは、より大きな集団の利益を優先することだ。自分より仲間たち。仲間たちより社会全体。そうすれば判断を間違うことはないだろう。

9.勇気に関する言葉ーアドラー心理学による治療の狙いは、常に人生の諸問題に直面する勇気を増進することである。

  • 「雄輝」とは困難を克服する活力のことだ。勇気のない人が困難に出会うと人生のダークサイドへと落ちていってしまうだろう。
  • 人は「貢献感」を感じ、「自分に価値がある」と思える時にだけ、勇気を持つことができる。
  • 他人の評価に左右されてはならない。ありのままの自分を受け止め、不完全さを認める勇気を持つことだ。
  • 失敗や未熟さを指摘してはいけない。できないからといって取り上げてもいけない。相手の勇気を奪ってしまうからだ。自ら困難を克服する機会を奪ってしまうのだ。
  • 人の心理は物理学とは違う。問題の偏印を指摘しても勇気を奪うだけ。解決法と可能性に集中すべきなのだ。
  • 人の行動の95%は正しい行動である。わずか5%しかない負の行動に着目してはいけない。
  • 「暗い」のではなく「優しい」のだ。「のろま」ではなく「丁寧」なのだ。「失敗ばかり」ではなく「たくさんのチャレンジをしている」のだ。
  • 大切なのは「共感」することだ。「共感」とは、相手の目で見、相手の耳で聞き、相手の心で感じることである。
  • 「まだ無理だ」とおもってもやらせてみる。失敗しても「今度は上手くできるはず」と声をかけることが大切である。
  • 甘やかすと相手の勇気を奪ってしまう。手助けした率や補やするのではなく、独り立ちの練習をさせよ。
  • 華違いを指摘せず、原因究明という吊るし上げもせず、「こんなやり方はどうかな」と提案する。それこそが相手を育てり有効な方法だ。
  • 楽観的であれ。過去を悔やむのではなく、未来を不安視するのでもなく、今現在の「ここ」だけを見るのだ。

10.課題の分離に関する言葉ーどのように感じるかはあなた次第。

  • あなたが悩んでいる問題は、本当に「あなたの問題」だろうか。その問題を放置した場合に困るのは誰か冷静に考えてみることだ。
  • 相手の機嫌が悪い時に、責任を感じてはいけない。不機嫌でいるか、上機嫌でいるかは相手の課題。その課題を勝手に背負ってはいけない。
  • それが「あなたの課題」ならば、たとえ誰に反対されても従う必要はないのだ。自分の課題に足を踏み込ませてはいけないのだ。
  • 陰口を言われても嫌われても、あなたが気にすることはない。「相手があなたをどう感じるか」は相手の課題なのだ。

アドラー心理学は、カフカのネガティブな言葉とは違います。ポジティブな言葉とネガティブな言葉のどちらが効果があるのかは、状況によるように思います。カフカのように、深く落ち込み死をも覚悟するような状況では、ポジティブな言葉よりは、自分のことを理解してそっと寄り添って静かに見つめてくれるネガティブな言葉の方が効果的だと思いますが、何とかして現状を打破しようという気力があるときにはポジティブな言葉の方が役に立つように思います。上手く使い分けていきましょう。

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