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『抜擢』『決断』『失敗』『学習』サイクル

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で249人で、東京38人、大阪27人、兵庫20人など増えてきているようにも見えます。岸田首相は、会見で、オミクロン株の濃厚接触者に対して自宅待機ではなく14日間の宿泊施設での待機を要請するなど、完全封じ込め対策の強化を発表しました。感染拡大が懸念されるオミクロン株に対しては水際対策・封じ込め対策が必至で妥当な判断だと想います。

さて、今日は、サライの「『仕事でやりがちなミス』ランキング!確認不足、入力ミス、やるべきことを忘れるなどがランクイン」という記事を取り上げます。

どんなに優秀な人でも、ミスはするものですが、ミスをしたあとの行動によって問題を更に大きくすることにもなりかねません。この記事はBiz Hitsが実施した『仕事でやりがちなミス』についてのアンケートの結果です。

1.仕事でやりがちなミスランキング

  • 第1位 入力ミス・書き間違い
  • 第2位 やるべきことを忘れる
  • 第3位 確認不足・見落とし
  • 第4位 連絡・報告漏れ
  • 同率第4位 作業・操作ミス
  • 第6位 思い込み(早合点)で仕事を進める
  • 第7位 見間違い・聞き間違い

 いずれも単純ミスと言っていいようなものばかりです。もう少し注意していれば防げたはずのものばかりですが、忙しさや疲れからちょっと集中力が低下して起きているようです。

2.ミスをしたあとの行動

  • 第1位 自分で修正・リカバリ
  • 第2位 謝罪する
  • 第3位 再発防止に努める
  • 第4位 上司・関係部署に報告
  • 第5位 上司・同僚等に相談する
  • 第6位 周囲に協力を求める
  • 第7位 ミスの原因を分析する

 いずれも適切な行動です。ただ、第1位の中に、「上司にばれないようにこっそり修正する」というのが含まれていました。些細なミスならば修正すれば済みますが、ここでもなぜミスをしたのかを考えておかないと再発します。隠蔽体質はよくありません。

 この中で重要なのは、第7位の「ミスの原因を分析する」と第3位の「再発防止に努める」です。ミスの原因が分からなければ、そのミスを防ぐための対策の立てようがありません。両者は個別のものではなく、一体のものとしてみなければなりません。

 以前、トヨタ式の5W1Hに触れたことがあります。トヨタ式では「Why?Why?Why?Why?Why?How?」です。ひたすら「Why?(なぜ?)」を問い続けるのです。この「Why?」を集めることで「How?」解決方法が見えてくるのです。トヨタでは「『なぜ?』を5回繰り返せば真因がわかる」と言われています。しつこいくらいに「なぜ?」を問い詰めることによって、表面的な原因ではなく、真の原因(真因)が分かるのです。単純ミスならそこまでする必要はないかも知れませんが、単純ミスほど怖いものもありません。しっかりと「なぜ?」を問い、原因を見つけることです。

次に、ダイヤモンドオンラインの「サイバー流!人が育つ『抜擢』『決断』『失敗』『学習』サイクル」という記事を取り上げます。単純ミスは許されませんが、これまでにも書いているように失敗は成長するためには欠かせないものです。

この記事は、サイバーエージェント常務執行役員の曽山哲人氏にインタビューした内容です。

サイバーエージェントでは、社員が自律的に意思決定できる仕組みを構築することの必要性を考え、それを「自走サイクル」と名付けています。

自走サイクルは具体的には4つのステップから成り立っています。

 「抜擢」 ⇒ 「決断」 ⇒ 「失敗」 ⇒ 「学習」

このサイクルを回していくのです。

  • 抜擢・・・社員にこれまでやったことがなかった仕事を任せるステップ。ここでのポイントは責任感を醸成することです。
  • 決断・・・任された仕事は自分の意思で方向を決めていきます。自ら問題意識を持って考えることで、できるだけ多くの経験をして育っていくと言うことです。
  • 失敗・・・チャレンジすると当然失敗もします。ここでの失敗は、進めるに当たって想定していなかった壁があるという小さな失敗です。このとき、どれだけ軌道修正して次につなげられるかが大切です。この失敗は次の『学習』とセット担ったプロセスです。
  • 学習・・・失敗してもそこから学ぶことができなければ意味はありません。失敗を学びに変えてこそ次の成功につなげていくことができるのです。

このような自走サイクルを回していける会社は素晴らしいと思います。しかし、日本の多くの会社では失敗を許容する文化が育っていません。「失敗は悪しきもの」という風潮が残り、隠そうとしてしまいます。今一度『失敗は成功の母』という言葉や以前に紹介したエジソンの失敗観をみて、失敗の大切さを考えてみるべきではないかと思います。