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会議ですべての人に発言させる方法

おはようございます。

昨日はブログ更新できず申し訳ありませんでした。今後ブログ更新できない日が多くなりそうですが、できる限り更新し続けたいと思いますので、宜しくお願いいたします。

さて、今日は、東洋経済オンラインの「『発言しない人』『話し続ける人』差を埋めるスゴ技、数人だけが発言している状況をどう変える?」という記事を取り上げます。

会議になると、発言し続ける人がいる反面、一言も発しない人もいます。会議というのは、参加者が自らの意見や考えを発言し議論することによって一つの結論に導くためのものです。声の大きな人や発言し続ける人の意見が通り、妥当な結論にならないケースも見受けられます。これまで何度も書いている「心理的安定性」がある組織・職場では他の人を気にすることなく自由に思い通りに発言できるのです。しかし、人それぞれ性格も異なり、社交的な人もいれば内気な人もいます。いかに心理的安定性が高い組織でも内気な人にとっては人前で発言するには「清水の舞台から飛び降りる」くらいの勇気が必要です。すべての人が等しく発言できるようにするには、会議のファシリテーター(進行役)の役割が重要ですし、会議の進め方に工夫が必要です。

この記事では、何のインセンティブも与えず、一瞬にしてすべての参加者が発言する会議に帰る方法が存在すると言っています。その方法は極めてシンプルで、どのような会議でもすぐに実践できるので、参考になると思います。

1.書いてから発表するという手順

 このシンプルな方法は、紙に書いてから発表するという会議手順にすることです。

 紙に書いてから発表するという手順には次の3つのメリットがあります。

  1. 書いている間は他人の意見の影響は受けない
  2. ロングスピーチを避けることができる
  3. 一部の人だけでなく、参加者全員が会議に貢献できる

 紙も書かずに発言するという方法の場合、早ければ3人目、遅くても5人目くらいからは、「前の人と同じです」という回答が出て来ます。特に上司や役職の上の人の発言に迎合する雰囲気が生まれてきます。しかし、白紙の状態でいったん全員が紙に書いてそれを読み上げるのであれば、上司に迎合すると言うこともなくなり、自分の頭で考えた自分の考えを述べることになります。

2.書いている間は他の人の意見に左右されない

 書いてから発表するという手順では、力学に左右されることなく、本当に自分が考えた意見が出てきます。最初に白紙の状態で自分の頭で考えて自分の考えを書くので、他の人、特に力のある人の発言や意見に影響されることはありません。

 紙に自分の考えを無言のまま書いた方が、口頭でお互いの意見を出し合うよりも、多くのアイデアが生まれるという研究結果もあります。黙って人の話を聞いているうちに、自分が発言するまでにせっかく浮かんだアイデアを忘れしまうということになるのです。自分が話をする段になって、今更言ってもしょうがないという雰囲気になっていて、発言を辞めてしまうと言うこともあり得ます。

 更に、参加者が大人数であったり、オンライン会議の場合、発言の機会を見つけることも容易ではありません。結局人の義理の人が発言し、声の大きな人や力のある人の発言に押し流されてしまうのです。

 書いてから発表するという手順の場合、こうした弊害はなくなります。

3.会議の量も質もアップする

 会議において重要なのは、できるだけ多くの人が発言し、さまざまな意見や考えが出て、それによって妥当な結論を導くということにあります。人握りの人の発言だけではそれが持ったも妥当な結論であるとは言えません。多くの人は、イヤイヤながら、疑問を抱きながらも声の大きい人や力のある人の発言に従うのです。

 しかし、紙に書いて発表する時間を設け、書いたものを順次読み上げる、その上で議論をすると言うことになれば、すべての人の意見や考えが出そろった上で議論がなされます。それによって、会議の量も質も格段に上がります。

 紙に書いたものを読み上げるという時間を設けるだけで、すべての人に発言の機会と時間が平等に与えられます。一握りの人に独占されるというロングスピーチを防ぐことができます。

3.全員が貢献できる場を提供する

 これまでの会議では、発言するのは2割から3割、残りの7割から8割の人は黙ったままで、会議に貢献できているとは言えません。

 書いてから発表するという手順の場合、書かれる中身は別として、全員が発言する機会を平等に与えられます。これまでの会議では、7割、8割の人の意見や考えが無視されていました。それが書いて発表するという手順を踏むことで活かされるのです。その中には、これまで表に現れることがなかった素晴らしいアイデアや意見があるかも知れないのです。

 全員が会議に貢献できるようになれば、「自分の考えなんて役に立たない」と考えていた7割、8割の人たちにやる気を与えてくれるかも知れません。この書いて発表するという手順は、会社が従業員が気概を発揮する場や従業員の能力を発揮する場を提供することになるのです。

これまでの会議では一握りの人のみが発言し、長いスピーチを誰求めることができず、本来の会議の目的を果たせず、疲弊感や閉塞感だけが残るというケースが往々にして見られます。書いて発表するという手順を踏むことで、全員が平等に発表できる機会を持つことで、疲弊感や閉塞感を打破できるようになります。

ファシリテーターは、こうした点を意識しながら議事の進行を図らなければなりません。