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吉野家が勝ち、鳥貴族は転落(週刊SPA)

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おはようございます。

今日は週刊SPAから「吉野家が勝ち、鳥貴族は転落。2019外食チェーン戦争の勝者と敗者とは」を取り上げます。

吉野家ホールディングは2019年2月期に60億円の赤字に転落してから一転、黒字転換に成功しているにもかかわらず、鳥貴族は2019年7月期の営業利益は前期比マイナス29.2%の大幅減益となっています。

記事はその理由として、吉野家の好調の理由として「新規メニュー『超特盛』『ライザップ牛サラダ』の投入と日米貿易協定による牛肉の価格低下」さらには「現金主義からキャッシュレス化」を挙げ、鳥貴族の低迷の理由として「拡大戦略に呼応する新規顧客の開拓ができず、既存店舗の顧客を奪った」ことを挙げています。そして、鳥貴族は経営戦略を見直し、拡大路線から不採算店舗の閉鎖・既存店舗の回復を目指すとしています。

外食チェーンと言っても様々なジャンルがあり、ファーストフードと言える吉野家と居酒屋の鳥貴族とを同列に論ずることが妥当かという問題がありますし、短絡的な論理展開・結論になっているようにも思います。

しかし、いかなる産業においても勝ち組と負け組とに分かれることは否定できません。(私自身、「勝ち組」「負け組」という言葉は好きではありませんが)その原因は何かを考え自社が少なくとも負け組に転じないような対策(戦略)をとることは自社が生き延びるためには必要なことでしょう。

鳥貴族の失敗の要因は、単に自社の売上・利益の追求を目的として拡大路線を広げすぎたこと、顧客視点が欠如していたことではないでしょうか。それに対し、吉野家は、顧客ニーズや社会環境の変化を的確にとらえ、自社の中核である牛丼店というコア・コンピタンスは守りつつ、新規メニューの増加等で若者・女性層を取り込むことに成功しているのです。鳥貴族も、顧客ニーズを的確にとらえコア・コンピタンスは守りつつ新たな事業展開を行わない限り、単に不採算店舗の閉鎖だけではV字回復は困難でしょう。

中小企業においても、負け組に転じないためには、しっかりと自社の強みであるコア・コンピタンスを守りつつ、顧客ニーズや社会環境の変化に対応してその周辺領域を拡大し新たな事業展開を行うことは必要でしょう。

今一度、顧客視点で顧客ニーズや社会変化をとらえ、自社が何を(WHAT)誰のために(WHO)どのように(HOW)できるのか、検討してみてください。その中から新たな事業展開の芽が見つかるはずです。