中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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サスシー

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おはようございます。

昨日「SDGs」(持続可能な開発目標)について触れました。その17の目標の中に「持続可能な開発のための海洋・海洋資源保全し持続可能な形で利用する」というのがあります。今日の新聞に「サスシー広めたい」という記事が載っていましたので、昨日の続きのようになりますが、サスシーについて取り上げます。

サスシー(サステナブル・シーフード)とは「持続可能な魚介類」のことです。水産資源を守りつつ豊かな食文化を次世代に引き継ぐことを「持続可能な」と表現し、世界の水産資源の回復を目指す国際NPO海洋管理協議会(MSC)は持続可能で環境に配慮した漁業の国際認証制度を管理し、認証された漁業で捕られた魚介類に「海のエコラベル」をつけ、それがサスシーとされるのです。日本のトップレベルのシェフやレストランらが動き出し、サスシーを料理に使う一方、客にも資源保護の取り組みを説明することで、漁業者と消費者の双方の意識を高めていくというのです。ホテルやレストランで作る美食のための組織「ルレ・エ・シャトー」の日本支部も水産資源の保護のための管理計画を重視するなどの取組を行っています。「クロマグロや産卵期にあるスズキをメニューから外す」というパリ本部の方針に多様な食文化を理由に抵抗を見せてきた日本支部も日本近海の水産資源の内5割が危機的状況にあるという背景から「必要な魚だけとる一本釣りや活〆にすれば商品価値も上がる」として持続可能性に積極的になってきています。

このように、魚業関係者やホテル・レストランなどの飲食業界もSDGsに取り組み社会的責任を果たそうとしています。昨日も書きましたが、SDGsの17目標やグロ-バル・コンパクトの10原則は企業が社会的責任を果たす上で重要なキーワードになります。

今日において、企業の社会的責任は大企業だけの問題ではありません。中小企業においても果たすべき責任です。SDGsの17目標の中には自社が取り組むことができる目標があるはずです。特に「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の安全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用を促進する」という目標はすべての企業が取り組むべきことです。

中小企業においては、「下請けの多重構造」に取り込まれ、長時間労働や過剰ノルマ、低賃金、残業代や給与の遅延・未払い、パワハラなどのハラスメントが横行しています。こうしたコンプラ意識が低い企業においては離職率も高く、人手不足の時代に従業員が集まらず企業の存続すら危ぶまれることになりかねません(人手不足倒産)。企業がゴーイング・コンサーン(継続体)として成長していくためには、法令を遵守し特に労働関係法規に違反していないか常に目を向け、就業規則や労働契約を改善する必要があります。これは中小企業において急務です。

「働きがいのある人間らしい雇用」につきましては、先日(1/24)「働きがいのある会社第1位」で書きましたが、働きがいを高めることで、「働きがいがあればいい仕事ができ社員も幸せになる」のです。そしてそのために①企業文化②社会貢献の重視③平等(イクオリティ)が重要だということです。この中で、最も重要なのはやはり社会貢献ではないかと思います。何度も書いていますが、自己の利益や売上だけを追求するのではなく(営利企業である以上利益や売上を追求することのは当然ですが)、顧客ニーズを捉まえつつ社会や環境に配慮していくことが大切です。社会貢献活動を行うことは、企業が社会的責任を果たす上で重要です。ボランティア活動・災害復興支援などに参加することは社員にとって「社会のために役立っている」「社会のためには働いている」というモチベーションになります。また、近年「社会的責任投資(SRI)」ということが言われています。SRIというのは、利益の追求だけでなく、法令の遵守・環境保護・人権擁護・労働環境・消費者保護などの分野において、ある一定の基準に達しているかを評価して、基準に達した企業に機関投資家が投資を行うというものです。さらに、社会的責任を果たしているか評価して、社会的責任を果たしていない企業とは取引をしないということもあります。社会的責任を果たしていない、一定の評価基準に達していない企業は取引先からも見放されてしまうのです。これほどまで社会的責任は重要になっています。このことを肝に銘じて、自社においてどのような社会貢献ができるか考えてみてください。