中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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新型コロナ さらなる打撃

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おはようございます。

今日も、またまた新型コロナウィルス関連です。すみません。

安倍首相は、新型コロナウィルス感染症対策の一環として中国と韓国からの入国者を制限する新たな措置を発表しました。主な内容は、①中国・韓国からの入国者を2週間待機②中国・韓国向けのビザを無効に③中国・韓国からの航空機の到着を成田・関空に限定などです。この措置に対して各社新聞は、「対中ジレンマ 対策後手」「自民からも初動失敗との声」などと批判的です。1か月前にこのような措置をとっていれば、ここまでの感染拡大は阻止できたでしょう。「今更感」が強いです。今広がっているのは、中国・韓国の入国者からの直接の感染ではありません。感染経路がはっきりしない市中感染・クラスター感染が広まっています。今更入国を制限しても遅きに失したと言わざるを得ません。今取り組むべきは、国内の市中感染・クラスター感染をいかに食い止めるべきかという対策です。これに関してはインフル特措法の改正に手を付け始めましたが、昨日書いたとおりこれも遅いです。また、緊急事態宣言を発動するような事態になれば、日本経済は壊滅的な打撃を被ります。安倍首相が、権力に物言わせ恣意的な運用を行わないことを望みます。

またマスクの転売禁止も決定しました。これに違反した場合には5年以下の懲役または300万円以下の罰金になります。これはネットでのマスクの高額転売が原因です。しかし転売を禁止する必要があるでしょうか。適正価格で転売されるなら買い占められたマスクが市中に出回りマスク不足が少しは解消されるのではないかと思います。禁止すべきは暴利を得ようと目論む高額転売です。

この点、台湾のコロナ対策、特にマスク管理が注目を集めています。マスクは政府が管理し、天才プログラマーの閣僚がITを駆使しマスクの販売店舗がネットの地図上に表示され在庫数なども確認できて購入には実名制がとられているのです。そのためにマスク不足はありません。今頃になって、マスクの転売禁止を打ち出す安倍首相とは大違いです。

さて、中国・韓国からの入国者の制限は、日本経済に更なる打撃を与えます。新型コロナウィルス騒動は、これまでも観光業や小売業に大きな影響を与えています。さらに今回の入国制限は、それに追い打ちを掛けます。2019年に日本を訪れた海外からの旅行者のうち47.6%が中国・韓国からの旅行者です。訪日客の消費額約4兆8000億円のうち中韓は2兆2000億円で45.5%を占めます。今回の入国制限の強化で中韓からの訪日客が途絶えればインバウンドに支えられてきた観光業と小売業は大きな打撃を受けます。今回の決定が日本経済に与える影響を考慮してなされたものとは思えません。これも安倍首相の単なる思い付きではないかと勘繰りたくなります。経済に対する政策・対策が全く見えません。元厚生労働相で前東京都知事舛添要一氏は「感染予防と経済・社会的な影響のバランスをとるのが政治の役割」と言われています。後手後手に回った感染症対策に対する批判をかわすために経済や社会への影響を考えず遮二無二なって足掻いているように見えます。日本経済に対するしっかりとした対策が早急に行われることを望みます。いくつかの対策がされていますが不十分です。消費税増税以降の景気落ち込みで体力の弱っている中小企業を支援する更なる対策が望まれます。また中小企業だけでなくそこで働く労働者の支援も必要です。

以前2/28に「最悪のシナリオ」と題して書きましたが、ここのところ、新型コロナウィルスの影響について、リーマンショック超え、3.11超え、東日本大震災超えと日本経済の最悪のシナリオを指摘する論調が増えてきています。こうした最悪の事態だけは避けたいものです。

個人も中小企業も自分の身は自分で守る、今は耐えるしかありません。忍耐論のような話ですが、今は体力を温存して政府が経済政策を行うまで(期待できるかどうかわかりませんが)とりあえず耐えてください。倒産するような事態だけは避けてください。特別融資や助成金など今でも利用できるものがあります。また各自治体で経営相談もなされています。融資や助成金といってもすぐにお金が出るわけではありません。早め早めに動いてください。

大手企業が新型コロナウィルスにどのような対策を採っているかを見ることは中小企業にも役に立つはずです。次に何社かの例を挙げておりますので参考にしてください。

  • GMOインターネットグループ・・・いち早く在宅勤務を導入、受付にサーモグラフィーを設置、来客へのマスク着用要請、エレベーターのボタンの消毒
  • ヤフー・・・時差出勤、大人数での会議禁止、リモートワーク上限解除
  • NTTグループ・・・テレワーク、時差出勤、在宅勤務の上限撤廃
  • 武田薬品・・・グローバルでの危機管理委員会の設置
  • パソナグループ・・・派遣社員・受託従事社員にも在宅勤務、オフピーク出勤
  • パナソニック・・・既存のフレックスや在宅勤務で対応