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休日の本棚 心を上手に操作する方法

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おはようございます。

昨日も新規感染者数は89人と100人を下回り、着実に収束に向かっています。しかし、ニュースを見ると、気が緩みかけているようで、GW中の3倍近い人出が各地で観測されています。3月の3連休と同じようで、2週間後の感染者数が心配です。昨日も書きましたが、収束が近いと楽観するのではなく、これが終わっても第2波、第3波が訪れるということを肝に銘じて、気を引き締めて乗り切りましょう。

さて、今日も、GW後半に紹介したトルステン・ハーフェナー著「心を上手に操作する方法」の続きです。

まず、「自分にものの見方を操作する」です。実際に、現実のとらえ方は、考え方次第で数限りなくあり、様々な視点を持つことが可能となります。ここでは、現実を「4つの視点」でとらえることが提案されています。その4つの視点とは、①客観的な視点 ②主観的な視点 ③象徴的な視点 ④ホリスティック(包括的・全体的)な視点です。

  1. 客観的な視点では、世界を客観視することで「正しい」認識への道が開かれます。科学者の視点です。
  2. 主観的な視点では、自分と周りの世界との関係の在り方が問題となります。
  3. 象徴的な視点での現実は、夢見るときに知覚する現実です。目標として何かを夢見ることも含まれます。ニュートンはリンゴが落ちるのを見て万有引力の法則を発見しましたし、科学者のケクレは自分のしっぽにかみつく蛇の夢を見て、炭素と水素の原子が連なるベンゼンの構造を解明しました。ここでは1つのゲームを挙げます。1 相手に芸能人でも共通の知人でも誰かを思い描いてもらいます。2 あなたは質問します「その人がもし車だったら、どんな車?」「その人を食べ物に例えると何?」 3 どんどん質問して相手が思い描いている人物を当てるというゲームです。
  4. ホリスティックな視点では、心と体との間に境界はなく限界もないということです。望むことを考えましょう。思考の中では、想像さえすれば何でもできるし、何にでもなれます。

こうした4つの視点を変えることで、周囲を違う視点から見ることが出来ます。世界で起きていることを変えるのは簡単ではありませんが、見る目であれば簡単に変えることが出来ます。今、新型コロナウイルスの外出自粛で大変ですが、見方を変えれば、家でいろんなことに挑戦することが出来ます。ピンチがチャンスになることもあるのです。

次は、「心理操作の6つの原理」です。「何故、自分が望んでいないことをしてしまうのか?」について行動に決定的な影響を与える心理的な原理が6つあるというのです。それは、①返報性の原理 ②一貫性の原理 ③社会的証明の原理 ④好意の原理 ⑤権威の原理 ⑥希少性の原理です。他人を操作しようとしている人がどのような方法を使っているかを知れば、不用意に騙されずにすみます。

  1. 返報性の原理…誰かが親切にしてくれたら、その人に親切にせずにいられない(他人から何かを受け取ったらお返しをしなければならない)→試食したものをついつい買ってしまう。先に100円渡してアンケートに協力を求める方がアンケート後に500円送付するよりアンケートは集まる。返報性の原理の変化形が「譲歩の原理」(最初に「とても面倒なこと」を頼み、次に「小さな頼み事」をする)→小遣い値上げ交渉の場合、最初は希望の額より高めの額を言えばうまくいく可能性が高いのdす。この応用形で、「時計を買いに来た客に10万円の時計を見せた後で100万円の時計を見せるとどちらの時計も買わないのに、100万円の時計を見せた後に10万円の時計を見せると10万円の時計を買う」というのがあります。
  2. 一貫性の原理…「一度決めたことはころころ変えたくない」という心理を利用する→一度決めた考えを維持する方が楽→誰でも他人に対して自分の正当性を示そうとする。逆風が強くなればなるだけ自分の立場を守らなければならないという衝動に駆られる。→誰かに何かの取引を申し出たりや頼みごとをしたりする場合、相手が承諾してから悪い条件を提示する方がうまくいく。相手から非難されると頑なに自分の意見を突き通そうとする。
  3. 社会的証明の原理…「そんなに大勢の人が間違えるはずがない。皆が同じことをしているのなら、きっとそこに意味があるのだろう」という心理が働く。何度も語られる噂話はあまり語られることのない実話より信憑性があるように思える→テレビショッピングのダイエット食品・フィットネス器具など=大勢の人が体験して実証したことなら真実に違いない→「皆さんそうしています」という魔法の呪文の絶的効力→みな同じことをするようになる。
  4. 好意の原理…「共通項」があると相手に好感を持つ→誕生日や生まれたところが同じというだけでも好感を持つ→間違ったことをしていても愛想がいい方が好印象→誰かに素晴らしいことを体験させることで好感度は上がる→「この人はなぜ、私にこれほどまで愛想がいいのだろう?この人は私を褒めたか?」一歩下がって考えてみよう。相手が売っている商品や相手の要求と、親切にされていることとは関係ないと割り切ろう。そうでなければ相手の術中にはまり買いたくないものを買わされてしまう。
  5. 権威の原理…何かがとても上手な人やステータスの高い人がいると自動的に相手の指示に従ってしまう。親の言うことを聞きなさい、先生の言うことを聞きなさい→このメカニズムは社会がうまく回っていくために必要。緊急事態に陥った時責任ある立場の人に従うことが重要になる。
  6. 希少性の原理…何かを獲得するのが難しいように思えば思うほど、それが一層魅力的に見える。一度手に入れたのに、手放さなければならなくなったものは、価値が高くなる。一度獲得したら手放したくなくなる。→希少なものの魅力は、これを利用することではなく、所有することにある。

人は「意見の内容」よりも「好感の有無」によって心が動くとされています。また、人に好感を与える「外観」の特徴が語られています。それによれば、身長では、差が高い人の方が低い人よりも能力が高いと評価されがちであり、背の高い人の方が収入が高かったという調査結果があります。同様にハンサム・美人の方が収入が高いという結果もあります。ハンサムに見える人物の方が好感を持たれ、裁判の軽も軽くなると言われています。本当かどうかは分かりませんが・・・外観が好感度の影響することは間違いないでしょう。しかし、「完璧」や「立派」では駄目なのです。「詐欺師になろうとしたら、完璧になろうと思わないことだ」と書かれています。完璧で立派に見えるようにつくろっていると、人は用心深くなるのです。かえって警戒するようになるのです。「自分の弱点をいくつか見せて、そのうちの少なくとも一つを素直に認めるといい」そうです。

今日はここまでにします。明日もまた、この本を取り上げます。

明日は、「顔の表情」から心を読み解く方法と嘘を見破る方法です。