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優秀なリーダーに必要な共感力

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おはようございます。

昨日の新規感染者数は全国で10,699人、そのうち東京2865人、神奈川1164人、埼玉864人、千葉576人、愛知250人、大阪932人、兵庫280人、京都164人、福岡366人、沖縄392人、北海道260人などとなっています。初めて1万人を超え、全国的に危機的な状況にあります。しかし、「人流は減っている」などと現実離れした発言をし、菅首相の言葉からは危機感が全く感じられません。会見でも、相変わらず、死んだ魚のような眼で、まともな発信ができず、国民に何一つ伝わるものがありません。菅首相は「政治家の覚悟」という本を書いていますが、あなたにとって「政治家の覚悟」とは何でしょうか? 命を賭けてでも国民の安心安全を守ることではないのですか。国民の安心安全を犠牲に東京五輪を強行開催、その結果このような爆発的な感染拡大につながりました。今からでも遅くはないので、「政治家の覚悟」を見せてください。それができないなら即刻退場です。すでに国民はレッドカードを出しています。

さて、今日は、ダイヤモンドオンラインの「ダメなリーダーほど気づかない『共感力』を鈍らせる意外なものとは?」を取り上げます。昨日の続きで、山口周氏とキャシー松井氏の対談です。

1.多様性の価値が浸透しない日本

 「多様性」(ダイバーシティ)は、いま世界全体が共有している重要なテーマです。今回の東京医五輪が掲げた「多様性と調和」という理念も、森前会長の不適切発言に始まる一連のごたごたで空疎に響いています。日本では、社会全体に多様性の意識が大きく欠落しているように思います。キャシー松井氏によれば、日本だけでなく、アメリカでも「多様性を重視すべき」という価値観を信じる人が多くいる一方で「多様性の実現なんてコストも時間もかかるし無意味だ」とその重要性に疑問を呈する人もかなりいるようです。特にアメリカでは性別だけでなく人種問題が根強く残っているのです。

2.多様性の価値とは何か

 日本では、多様性の本質を考えずに「とりあえず組織に女性を入れておけばいい」というような乱暴な発想をする人が多いのです。

 多様性がもたらす豊かさや組織に多様性があることで成長の機会が与えられるという本質的な重要性を理解せずに単なる手続き論だけが先行すると、表面的な議論や人数合わせで終わってしまいます。「多様性の価値とは何か」という多様性の本質について考える機会を増やさなければなりません。

 キャシー松井氏は「男性ばかりの組織というのは『片足でマラソンをする状態』だ」と言っていますが、言い得て妙です。世の中には女性をはじめ多くの多様な豊かな資源があるのにそれを活用しないのはもったいないです。

 人材や働き方が多様化することで、組織が得られるものとして次のようなものがあるとされています。

  • イノベーションを生む・・・異なる視点の発想が相乗し合うことでイノベーションが生まれる。多様な人材の多様なアイデアと経験を活かせる組織はイノベーションが生まれやすい。
  • 顧客の共感を呼ぶ・・・顧客や消費者は自分の属性に近い人物に共感する傾向がある。商品開発や販路開拓などで多様な人材が持つ個性を生かすことで、顧客の共感を呼び、企業は競争力を強化できる。
  • 優秀な人材の確保と採用・・・働き方の選択肢を増やすことで、従来の勤務スタイルで対応できない、優秀な人材の流出を防げるとともに、優秀な人材を採用できる。

3.権力は、アルコール中毒と同じくらい共感力を鈍らせる

 組織の人材や働き方が多様化する中で、リーダーはこの多様性と向き合い、多様性と調和を図りながらリーダーシップを発揮しなければなりません。

 昨日も書きましたが、優秀なリーダーかどうかは、自分の感情をコントロールして、常に人間として尊重できる振る舞いを他者に対してできるかどうかです。

 今の時代、リーダーシップには「共感力」というスキルが重要です。「共感力」というのは一面スキルではありますが、センスではないかと思います。

山口氏は、「権力を持つことがアルコール中毒になるのと同じくらい、共感力を麻痺させる作用がある」と言います。昨日書いた「率い型リーダー」の場合、「俺の言うとおりにやれ」的な強引なやり方が、共感力を麻痺させ、部下をパワーで従わせようとしてしまうのです。

 確かに「まとめ方リーダー」でも「決断力」を発揮しなければならない場面は多々あります。リーダーである以上当然です。しかし、優れたリーダーは、パワーを使うタイミングを心得ています。

 普段は部下との人間関係や信頼関係を築きながら、ニュートラルでバランスの取れた判断を行い、ここといったタイミングで自らのパワーを発揮するのです。そうすることで、部下はその上司に共感して従います。

ここからは、この記事から外れ、共感力を高める方法について書きます。

「共感力」というのは、他人の意見や感情などに、その通りだと感じること、他人と喜怒哀楽を共にする力です。

一般に共感力の高い人は、①感受性が強い ②他人に関心がある ③他人との共通点を見つけようとする という特徴があり、逆に、共感力がない人は、①他人に関心がない ②他人の気持ちを考えられない ③自分本位という特徴があります。

共感力はコミュニケーションを遠隔にするので、そのスキルを身につけておく必要があります。共感力はセンスでもありますが、センスも磨いて鍛えることは可能です。

  1. 相手の話をよく聞く・・・相手の話をよく聞くことで、相手の考え方や好みを理解し、相手がどのように考えているのか、相手が何に興味を持っているのか、相手のことが理解できるようになります。相手のことを理解することが「共感」の第一歩です。
  2. 相手に立場になって考えてみる・・・相手の立場にたって、物事を見て考えることです。、そうすることでさらに相手への理解が深まり、。相手の考えを推測できるようになります。
  3. 経験を高める・・・人にはそれぞれの考え方や感情があります。人はみな自分の感情しか経験できませんが、他人と接することや本を読むこと、人生経験を積むことで他人の感情を理解できるようになります。

いつも書いていますが、共感力を身につけるためには、より良い人間関係や信頼関係を築くことが大切であり、そのためには対話や雑談が必要です。相手の話を聞き、相手の立場に立って相手の考えや感情を理解することです。

考え方や意見も多様化する組織で、リーダーシップを発揮するのは、なかなか難しいことですが、何度も言うように、それにはより良い人間関係・信頼関係の構築とコミュニケーションです。

しかし、過度な共感力は問題です。他人のネガティブ、マイナスの感情に引きずられたり、他人の意見に流されたりしないように注意しなければなりません。