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休日の本棚 指からわかる男の能力と病 

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おはようございます。

今年は長梅雨でしたがそろそろ梅雨明けです。九州各地は豪雨で大変な被害が出ました。早い復興を願っています。

昨日の新規感染者は全国で791人で、東京は295人、大阪132人、愛知78人と相変わらず高い数字になっています。大阪の吉村知事は、4連休最終日に向けて、「『3密で唾液が飛び交う環境は避ける』『感染防止宣言ステッカーがない夜の街関連のお店の利用は避ける』『高齢者や基礎疾患者(その家族)は感染リスクの高い環境を避ける』の3つを宜しくお願いします」と呼びかけました。安倍総理はここ一月ばかり会見を開かず、ぶら下がりに記者会見で「緊急事態宣言を出す状況にない」と言うのみで、明確な理由の説明もなく、具体的にどのような状況になれば再度の緊急事態宣言を出すのかの基準もありません。菅官房長官も「東京問題」と言って政府の責任を有耶無耶にしようとする姿勢で、全く無策としか言いようがありません。政府がこういう状況ですから、吉村知事も小池知事も府民・都民にお願いをするしかありません。世界の指導者の中でコロナ禍から逃げているのは阿部首相だけ。リーダーシップの欠如が明白です。世論調査で45%の人が「安倍 辞任しろ!」「即時辞任しろ!」と言うのもよく理解できます。

さて、4連休の最終日です。あまり堅苦しい本はやめにします。今日は、竹内久美子著「指でわかる男の能力と病」(講談社+α新書)と言う本を紹介します。著者は動物行動学の研究家で、以前東出昌夫の不倫を取り上げた際に竹内氏の「浮気で産みたい女たち」と言う本を紹介しました。

世界的に「指」ブームで指の研究がなされています。1990年代後半から指比(「薬指の長さ」に対する「人差し指の長さの比」)に注目した研究が現れ始め、2000年代に大流行、2010年頃から日本でも、また保守的な台湾や韓国でも研究が行われるようになったようです。

本当かどうかわかりませんが、女性は男性の「指」に関心があるらしい。受精卵が細胞分裂を繰り返しながら動物らしい形になっていく発生の過程で、形づくりを担うのがHOX遺伝子です。10個くらいのHOX遺伝子があって、それぞれが形づくりに対応しているのです。胴体で言えば末端部分、つまり泌尿器や生殖器を担当するHOX遺伝子と、指担当にHOX遺伝子とはほぼ同じと言うことなのです。同じ現場監督であるHOX遺伝子が担当したパーツは出来栄えについてもほぼ同じ、指を見れば生殖器の出来栄えも分かると言うのです。ホンマでっか!と言いたくなります。女性は本能的にそうしたことを理解し男性の「指」に関心を抱くというわけです。

今、大相撲七月場所が開催されていますが、コロナ禍で今一つ盛り上がりに欠けているように思います。かつて日本で、相撲取り(力士)の指比と力士としての能力についての研究が行われたようです。それによると、十両力士の指比は平均0.967、前頭の場合、0.957、小結で0.947と低下してきます。因みに、胎児期のテストステロン(男性ホルモン)のレベルが高いと指比は低くなります。指比と力士の実力には相関関係があるというわけです。ただ、関脇、大関横綱にはほとんど差がなかったと言います。これは、関脇レベルの力士には実力的には大差なく、あとは正々堂々とした戦いぶりや土俵内外での品格・精神面が影響しているということです。

ここで、指比についてみておきます。指比は、「薬指の長さ」に対する「人差し指の長さ」、つまり「人差し指の長さ」÷「薬指の長さ」です。指比は、人種、民族、性別によっても違いがありますが、日本人の場合、男性が0.94~0.95くらいで、女性は0.95~0.96くらいとされています。男女とも人差し指よりも薬指が長いのが普通ということになります。先ほども書きましたが、胎児期のホルモンが影響します。男性の場合、胎児期にテストステロン(男性ホルモン)のレベルが高いと指比が低くなり、女性の場合、エストラジオール(女性ホルモン)のレベルが高いと指比が高くなります。

イギリスの交響楽団の男性団員の指比を調べたところ、指比が0.92(一般人は0.98)と大きな差が現れました。テストステロンは右脳を発達させます。右脳の働きは「音楽脳」に影響します。因みにナベサダこと渡辺貞夫さんと日野皓正さんの指比はどちらも0.92だそうです。女性では音楽の能力と指比との相関は認められていません。

筋肉の発達、心臓血管系の発達、空間認識能力、素早い肉体的反応、攻撃力、集中力もテストステロンの高さによって発達しますので、スポーツ選手は指比が低いのです。

次は、ビジネスセンスです。ロンドンの金融街で働く株のトレーダーの指比が調査されました。その結果、指比の低いトレーダーの方が長年この仕事を続け業界で生き残り、多くの利益を得ていることが判明しています。これには株を「売る」「買う」という瞬時の判断力、集中力、素早い肉体的反応がテストステロンの影響を受けているからです。

続いて指比と病気との関係です。

男性では、左手でも右手でも、指の長さとうつ病との相関が認められ、指が長い(特に左手薬指)とうつ傾向にあることが判明しています。しかし、女性では相関関係は認められていません。それではなぜ女性には相関関係が見られないのか?人間を含め動物は「メスがオスを選ぶ」のが基本で、メスが優秀なオスを見分けられるようになっているからというのです。これも「ホンマでっか!」と叫びたくなります。

また、自閉症アスペルガー症候群などは遺伝の影響があると言われていますが。アスペルガー症候群ではないかとされている人物、例えば、ビル・ゲイツ、スティーヴ・ジョブズエジソングラハム・ベルレオナルド・ダ・ヴィンチダーウィンアインシュタインウォルト・ディズニーなど、多くは理系の人たち、「超理系脳」「超男性脳」「超システム脳」の人たちです。彼らは右脳が極端に発達ていますが、これにはテストステロンが影響しています。つまり、彼らの指比は低いはずです。自閉症アスペルガー症候群と指比の関係についての研究もなされています。

胎児期のテストステロンの影響を受けるのは、自閉症アスペルガー症候群だけでなく、ADHD(注意欠陥・多動性障害)や失読症(読むことや文章を書くことが難しい発達障害)もテストステロンが影響を与えます。トム・クルーズは超イケメンですが(これはテストステロンの高さによるものです)、それと同時に失読症を患っています。初めの頃は台本が読めず台詞を誰かに読み上げてもらっていたということです。

アルコール依存症と指比の関係では、アルコール依存症の人は指比が低いということが判明しています。タバコを吸うというのも酒を飲むのと同じ男っぽさを演出するような分野ですが、意外にもタバコを吸う人は吸わない人よりも指比が高いという結果が出ています。

指比と学力との関係ですが、指比が低く理系脳、システム脳を発達させた男子学生の方がテストの成績がいいという結果が出ています。これは男性が女性より優秀であるということではありません。学校で習う勉強やテストに出る問題はシステマティックなものがほとんどで、システマティックな脳(右脳)が発達している者に有利だというだけです。女性は左脳が発達し、言語の能力や他者に共感したり、感情移入する能力が優れています。

薬指が長く指比が低い人は、顔が魅力的でイケメンだそうです。そして変な話、ペニスが長く、精子の質もいいらしいのです。しかし、指比を低くする男性ホルモンには免疫力を抑制するというリスクもあるのです。そうしたリスクに打ち勝ってちゃんと成長して今も生きているということので、順調に大人にまで成長したイケメンは免疫力を高め健康的だというのです。

顔の良さと長寿との関係を調べた結果もあります。佳人薄命というのは間違いで、男女とも、顔のよい者が長寿だということです。

男性では胎児期にテストステロンのレベルが高いと心臓がしっかりと造られ、大人になってからはテストステロンにレベルの高さで心臓のメンテナンスがなされるから、心臓発作のリスクが減少し、心臓発作を起こすとしてもだいぶ年齢を重ねてからと言うことになります。テストステロンのレベルの低い人はメタボ体形になりやすく生活習慣病になりやすいということです。

女性では、女性ホルモンの代表格であるエストロゲンには女性の魅力を演出する作用がありますが、反面エストロゲンが少し変化した物質には強力な発がん作用があり、遺伝子を傷つけてしまいます。エストロゲンのレベルが高く指比が高い女性は女性的ですが、エストロゲンの発がん作用によって若いころに乳がんを発症しやすという傾向が認められています。

この本の内容が本当なら、指や指比から想像を超えた情報が得られることになります。たかが指と馬鹿にすることもできません。女性は男性の「指」を見ているのですから。自分の指の長さ、指比を測って自分はどうかと調べるのも面白いでしょう。竹内久美子さんの本は「何処までが本当か」と首を傾げたくなる部分もありますが、動物行動学者ですから誇張はあっても嘘は書かれていないでしょう。娯楽気分で面白く読めると思います。

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