中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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日本企業が「滅びないため」に

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で509人、そのうち東京149人、神奈川106人、00坂64人、愛知21人、福岡26人と、以前に比べると落ち着きを取り戻しています。この結果は、休日などで検査件数が少なかったのではなく正味の数字です。天理大学ラグビー部で発生していたクラスターも終息し、奈良では新規感染者は1人だけでした。このまま減少が続き、第3波が起こらないことを期待しますが、気を緩めると復活するのがウイルスです。先日も書きましたが、ハワイ・オアフ島で再び感染が拡大し外出規制がかけられ観光地も閑散としているようです。再び外出自粛や休業は嫌です。そのためにも一人一人が気を付けていくしかありません。

新型コロナウイルスワクチンの臨床試験健康被害が出たということで英国のアストロゼネカ社は臨床試験を一時中止しました。ワクチン開発には色々な問題が生じ、失敗の積み重ねで新たなワクチンが誕生します。これもワクチン開発の過程です。アストロゼネカ社によれば来週粗利から臨床試験を再開するとのことなのであまり影響はなさそうです。現在ワクチン開発を行っている世界の製薬・バイオ企業は「ワクチンの拙速な承認申請はしない」との共同声明を発表しました。これは、ワクチンが新型コロナの感染拡大を収束させる切り札と期待される一方で、政治的思惑から承認プロセスが歪められているという懸念を打ち消す狙いがあると言われています。ワクチン開発で重要なことは「安全性と接種者の健康が最優先」ということです。米疾病対策センターCDC)は10月末から11月にはワクチンが一部利用可能になると発表し、米食品薬品局(FDA)は臨床試験を終了前に通常の薬事承認を経ずに使用許可を出すことを検討しているようですが危険です。臨床試験を経て安全性が確認されたワクチン開発は早くても来年春以降、下手すると来年末になる見通しですが、これもやむを得ません。ウイルスとの闘い・共存はまだまだ続きます。長期戦を覚悟で頑張るしかありません。

さて、今日は東洋経済オンラインの「日本企業『滅びないため』してほしい3つの質問」を取り上げます。

新型コロナ禍で多くの企業が未曽有の混沌の中に放り込まれ危機に陥っています。その中で、持ちこたえることが出来ずに「新型コロナ関連倒産」した企業もあれば休廃業を決意した企業もあります。こうした危機を乗り切り『滅びないため』どうすべきかということです。

多くの経済メディアは「危機をチャンスに」と言うようなことを言っていますし、私も以前プログの中に書きました。この記事では、「危機は必ずしも改善や向上のための好機にならない。トラウマにつながることも物事の終焉を招くこともある」と言っています。こう言ってしまえば元も子もない話ですが、この記事は「危機は回避することはできない」「我々が取れる最善のアクションは、この危機から学び、そこに何らかの意義を見出す。積極的に問題に立ち向かえば向かい合うほど、より堅実に状況を把握し、行動をとることができる。そうすれば、何か新しいものを生み出し、前進する機会も生まれる」と言うのです。多くの経済メディアが言い私が以前書いた「危機(ピンチ)をチャンスに」と言うのはまさにそのことです。この記事が言っていることと大差ありません。

この記事では、分析と内省の重要性が語られ、コロナ後の世界に備えるために企業が自問すべき3つの質問が挙げられています。

  1. 自社のモデルは将来にふさわしいものか・・・緊急事態宣言が出され、生き残るために新しいビジネスお出るを考案した企業は多くあります。先日紹介した大阪府下の中小企業(なりふり構わず、他社製品を販売する製造業者、吉村知事の人気にあやかり吉村知事もイラスト入り商品を製造する会社など)もその例でしょう。必ずしも喜ばしいプロセスでない物の企業が生き残る有効な手段となりました。コロナを契機に新たなビジネスモデルを模索しそれを実践している企業が、今後もこの新たなビジネスが収入源となって自社を支えることもあっるでしょう。しかし、逆にコロナ後にはその新たなビジネスが重荷となって足を引っ張ることになるかもしれません。コロナ禍で生み出した新たなビジネスモデルはコロナ後も維持すべきものなのか、コロナ後も収益性の高い新たなアイデアを生み出し続けることが出来るのか、企業経営者はこうしたことを自問する必要があるのです。
  2. 「デジタル遅れ」になっていないか・・・コロナ危機が各企業に突き付けた課題は「デジタルの遅れ」でした。自社のテクノロジーは時代遅れであったことを痛感した経営者の方も多かったことでしょう。多くの企業が最新のIT機器を導入し、そのテクノロジーを利用する社員教育を行い、よりテクノロジーに精通せざるを得ない状況を生み出しました。これは企業だけにとどまらず、大学や中・高などでのオンライン授業もです。多くの学生や子供たちが新たなテクノロジーを使いこなせるようになることは将来役に立つことです。多くの企業においてもITを使いこなせる社員がいることは強みとなります。デジタル化は今後コロナが収束しても続いていく課題です。自社はデジタル化で他社や社会に後れを取っていないか、企業経営者は、このことを自問し、「デジタル化の遅れ」に対処しなければなりません。
  3. 次の危機に対する備えは出来ているか・・・今後待ち受ける経済危機は無数にあります。コロナ危機によって企業は決して安全な立場に置かれていないという現実が浮き彫りにされました。企業も経営者も、刻々と変化し続ける状況の中で、積極的に次なる市場を探し求め、新たなビジネスモデルを構築していく必要があります。これは終わりのない延々と続くプロセスで、単純な変化に対応しているだけでは生き残れません。コロナ後の企業に必要なのは、「先を見越した積極性を維持する姿勢である」と言っています。コロナ禍で分かったことは「一寸先は闇」で「将来を思い描くことは困難だ」ということです。中長期的な目標を打ち立てていてもその通りにはいきません。しかし、今だけに目をやってその場その場をしのいでいたのでは成長はできません。ある程度将来を見据えて、臨機応変に対処する姿勢が必要なのです。ローリングプランを打ち立てることも必要ですし、コンティンジェンシー・プラン(不測事象対応計画)やBCP(事業継続計画)をあらかじめ策定していることが必要です。

今、すべての人は、コロナ禍で多くのことを学びました。今回の危機から「何を学んだか」をしっかりと頭に置き、これを将来に前向きに生かしていくことです。過去と同じ概念や手法にしがみ付いていたのでは成長はありません。むしろ、刻々と変化する時代の中では成功は逃げていきます。起きた事象を明確に理解し、そこからできるだけ多くのことを学び取って、新しいものを生み出していくことで、変化の激しい環境により堅実に備えられるようにしていかなければなりません。

「恐れることなく、今後の私たち自身の在り方、業務手順、マネジメントスキル、そしてビジネスモデルを向上していくべく、強い意志をもってそれに目を向ければ、今回の一連の難局も決して無駄にはならないはずだ」と言って、この記事は締めくくっています。そのとおりです。この経験を生かして、先に進めていくことが出来れば明るい未来は開かれるでしょう。だが、人間は「のど元過ぎれば熱さを忘れる」ように、同じことを繰り返していく生き物です。これまでも歴史は繰り返してきました。難しいことですが、現状を分析し、内省して少しずつでもいいので前進していきましょう。