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休日の本棚 「鬼滅の刃」の言葉

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で648人、うち東京226人、神奈川68人、大阪83人、愛知29人、福岡14人、沖縄11人などとなっています。愛知、福岡、沖縄では感染拡大が下火になって落ち着いてきているように見えます。相変わらず、東京、神奈川、大阪が一進一退で増減を繰り返しているようです。東京ではライブハウスのパーティー参加者に感染が広がっています。こうした中、政府は大規模イベントの人数制限等を緩和するようですが、人が大人数集まることでクラスターが発生する確率が高くなるのではないかと心配です。しっかりと感染防止対策を実施したうえでイベントを開催してもらいたいものです。

さて、今日は、藤寺郁光著「『鬼滅の刃』の折れない心をつくる言葉」(あさ出版)を紹介します。「鬼滅の刃」は日本だけでなく世界からも高く評価されているマンガで、テレビアニメ化され、コミックシリーズは累計発行部数が8000万部を突破し、今秋には映画化も予定されています。と言っても、私自身マンガを読むという習慣がないので残念ながら読んでいません。でも、この「『鬼滅の刃』の折れない心をつくる言葉」を読むと、「鬼滅の刃』がなぜあれほどまで大人気なのかがよく分かります。個性豊かなキャラクターたちが持つ自分の弱さと向き合い、葛藤し、それに立ち向かっていこうとする「折れない心」、そしてそのキャラクターたちが口にする言葉の数々が読者の心を打つからではないでしょうか。読んだことのない者が偉そうなことを言ってすみません。「鬼滅の刃」のあらすじなどについてはこの本からの受け売り、引用です。

鬼滅の刃」の舞台は、大正時代の人食い鬼が住む世界です。炭売りの竈門炭治郎は家族を鬼舞辻無惨に惨殺され、唯一生き残った妹・竈門禰豆子も鬼に変えられてしまいます。そこに鬼殺隊の富岡義勇が現れ鬼と化した禰豆子を殺そうとします。そのとき炭治郎は「妹を殺さないでくれ」と哀願するしかできませんでした。炭治郎が鬼と戦う決意をさせたのが、富岡義勇の「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!惨めったらしくうずくまるのはやめろ!!」と言う言葉でした。炭治郎は妹を人間に戻す方法を見つけるために鬼殺隊として鬼と闘いながら、禰豆子とともに最大の敵である鬼舞辻無惨を倒す道を進んでいくという話です。

これだけを聞くと何処にでもある勧善懲悪の鬼退治の物語ですが、炭治郎と仲間は、敵を倒していく中で、過去の悲しい記憶、受け継がれてきた感傷的な記憶、時に残酷な記憶を乗り越えていきます。こうした様々なエピソードにも人間の弱さと強さ、はかなさが描かれていて、彼らが発する言葉の一つ一つに作者の吾峠呼世晴先生の思いが込められているので、読者の心を打つように思います。

この本の帯にあるように「自信・覚悟・絆・人生で大切なことはすべて『鬼滅の刃』が教えてくれた」と言っても過言ではありません。「鬼滅の刃」自身は読まなくても、少なくともこの本を読んでキャラクターたちの言葉に触れることは意味があるように思います。

この本に挙げられているすべての言葉を紹介するわけにはいきませんが、いくつかの言葉を紹介しましょう。

1 感情を動かす

  • 「頑張れ!!人は心が原動力だから心はどこまでも強くなれる!!」(53話 炭治郎)
  • 「怒れ。許せないという強く純粋な怒りは手足を動かすためのゆるぎない原動力になる」(第1話 富岡義勇)
  • 「どんな時もアンタからは不満の音がした。心の中の幸せを入れる箱に穴が開いているんだ。どんどん幸せが零れていく。その穴に早く気づいて塞がないと満たされることはない」(第145話 我妻善逸)
  • 「選ばれた者でなくても力が足りずとも、人にはどうしても退けない時があります」(第81話 炭治郎)
  • 「きっと俺は地獄を見るだろう。(中略)それでも俺は、今自分にできることを精一杯やる。心を燃やせ。負けるな。折れるな」(第191話 炭治郎)

2 自分を信じる

  • 「お前はそれでいい。一つできれば万々歳だ。一つのことしかできないならそれを極め抜け。極限の極限まで磨け」(第33話 桑島慈悟郎)
  • 「きっかけさえあれば人の心は花開くから大丈夫」(番外編 胡蝶カナエ)
  • 「お前は自分ではない誰かのために無限の力を出せる選ばれた人間なんだ」(第118話 時透有一郎)
  • 「一番弱い人間が一番可能性を持っているんだ」(第172話 炭治郎)
  • 「誰でも・・・何でも思い通りにはいかないわ。幸せかどうかは自分で決める。大切なのは”今”なんだよ」(第92話 禰豆子)
  • 「この世は、ありとあらゆるものが美しい。この世界に生まれ落ちることが出来ただけで幸福だと思う」(第186話 継国縁壱)
  • 「自分を形成する幼少期に植え込まれた価値観を否定しながら、戦いの場に身を置き続けるのは苦しいことだ。様々な矛盾や葛藤を抱えながら、君は、君たちは、それでも前向きに戦ってくれるんだね」(第87話 産屋敷耀哉)

3 あきらめない

  • 「己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと心を燃やせ。歯を食いしばって前を向け」(第66話 煉獄杏寿郎)
  • 「泣いてもいい。逃げてもいい。ただ、諦めるな。信じるんだ。地獄のような鍛錬に耐えた日々を」(第33話 桑島慈悟郎)
  • 「倒すと決めたのなら倒しなさい。勝つと決めたのなら勝ちなさい」(第142話 胡蝶カナエ)
  • 「君には未来がある。十年後二十年後の自分のためにも今頑張らないと。今できないこともいつかできるようになるから」(第103話 炭治郎)
  • 「そんなことで俺の情熱は無くならない!心の炎が消えることはない!俺は決して挫けない」(第55話 煉獄杏寿郎)
  • 「諦めるな諦めるな諦めるな!!!喰らいつけ最後まで!!!」(第93話 炭治郎)
  • 「とにかく生きることだけを考えなさい。生きてさえいればどうにかなる。(中略)きっかけを見落とさないことだ。ささいな事柄が始まりとなり君の頭の中の霞を鮮やかに晴らしてくれるよ」(第108話 産屋敷耀哉)
  • 「自分にできなくても必ず他の誰かが引き継いでくれる。次に繋ぐための努力をしなきゃならない」(第103話 炭治郎)

4 強くなる

  • 「できるできないんじゃないんだ。やらなきゃならないことがある」(第143話 胡蝶しのぶ)
  • 「人に与えない者はいずれ人から何も貰えなくなる。欲しがるばかりの奴は、結局何も持ってないのと同じ。自分では何も生み出せないから」(第146話 愈史郎)
  • 「永遠というのは人の想いだ。人の想いこそが永遠であり不滅なんだよ」(第137話 産屋敷耀哉)
  • 「失っても失っても生きていくしかないです。どんなに打ちのめされようとも」(第13話 炭治郎)
  • 「泣くな。絶望するな。そんなのは今することじゃない」(第1話 富岡義勇)
  • 「呼吸を極めれば様々なことが出来るようになる。何でもできるわけではないが、昨日の自分より確実に強い自分になれる」(第62話 煉獄杏寿郎)
  • 「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ。老いるからこそ、死ぬからこそ、堪らなく愛おしく尊いのだ。強さというものは肉体に対してのみ使う言葉ではない」(第63話 煉獄杏寿郎)

5 仲間を想う

  • 「仲間を見捨てて逃げられないよ(中略)仲間の為に、命をかけたこと後悔なんてしない」(第179話 時透無一郎)
  • 「大切な人が笑顔で天寿を全うするその日まで幸せに暮らせるよう決してその命が理不尽に脅かされることがないよう願う。たとえその時自分が生きてその人の傍らにいられなくとも生きていてほしい。生き抜いてほしい」(第168話 粂野匡近)
  • 「誰かのために命を懸けると、自分が何か、少しだけでも”いいもの”になれた気がした」(第188話 伊黒小芭内)
  • 「家族も仲間も強い絆で結ばれていれば、どちらも同じように尊い。血の繋がりがなければ薄っぺらだなんてそんなことはない!!」(第36話 炭治郎)
  • 「たくさんありがとうと思うよ。たくさんごめんねと思うよ。忘れることなんて無い。どんな時も心は傍にいる。だからどうか許してくれ」(第57話 炭治郎)
  • 自分の代わりに君が頑張ってくれていると思うと私は安心する。気持ちが楽になる」(第50話 胡蝶しのぶ)
  • 「生まれた時は誰もが弱い赤子だ。誰かに助けてもらわなきゃ生きられない。(中略)誰かに守られ助けられ今生きているんだ」(第148話 炭治郎)
  • 「俺たちは仲間だからさ。兄弟みたいのものだからさ。誰かが道を踏み外しそうになったら、皆で止めような。どんなに苦しくても辛くても正しい道を歩こう」(第201話 炭治郎)
  • 「あまりにもたくさんのものを失った。それでも俺たちは生きていかなければならない。この体に明日が来る限り」(第204話 )

この本では、これらの言葉がどのような場面で発せられ、どのような人へのメッセージとして役立つかが説明されていますが、これらの言葉を噛みしめるだけで強い折れない心が湧いてくるように思います。この本に挙げられている言葉の他にも、「鬼滅の刃」には役に立つ言葉が随所に散りばめられているように思います。一度「鬼滅の刃」を手に取って読んでみようと思います。

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