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業務改善 「やりっぱなしの会議」への対策

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で950人、そのいち東京180人、神奈川61人、埼玉87人、千葉77人、愛知63人、大阪73人、兵庫40人、北海道189人などとなっています。元々月曜に発表される数字は低いのですが、このところの増加傾向から月曜日の数字も週を追うごとに増えてきています。明日以降の数字がどうなるのか心配です。

現在の状況について、昭和大学医学部二木芳人客員教授は、「もう第3波に入っていると考えた方がいい」と言い、「GoToキャンペーンやイベントの規制緩和、その流れでの気持ちの緩みが原因だ」との認識を示し、「いったん緩んだ気持ちをコントロールするのは難しい」と述べています。また、第2波と比べると、第2波では20代、30代が感染者の6割を占め、夜の街関連の比重が大きかったのですが、第3波では、40代、50代の感染者が増え全世代に広がり、感染経路も家庭内、職場内と市中感染が広がっています。中高齢者の感染者増は、重症化リスクを高め死者の数も増えることが懸念されます。GoToトラベル、GoToイートなどのGoToキャンペーンが感染者増の一因であることは否定できません。今後の感染者増に応じて適用除外など臨機応変に対処すべきです。何度も言うように経済と感染防止のバランスが重要です。

政府は、営業時間短縮要請に応じた店舗に対して1月当り20~30万円の協力金を給付する方向で検討に入りました。こうした中小・零細企業、店舗の支援は必要なことですが、コロナ禍で苦労しているのは飲食業界だけではありません。GoToイートにしろ協力金の給付にしろ飲食業界に偏りすぎているように思います。飲食だけでなく、アパレル、小売り、書店、家電など密を避ける対策をとり、自主的に営業時間を短縮して営業している店もあります。飲食店に食品や商品を納入している業者もあります。飲食店が時短営業になるとそうした業種も収入が減ります。あまりにも偏った支援は不公平感を招き社会を分断することにもなりかねません。人気取りややっている感を出すために目に見える飲食業だけを支援するような姑息なことはやめ、疲弊し苦悩するすべての業界・業種、中小・零細企業の支援を行うべきです。

さて、今日は、PHPオンライン衆知の「さんざん議論だけして放置・・『やりっぱなしの会議』を生み出す犯人」という記事を取り上げます。なお、この記事は、沢渡あまね・元山文菜著「業務改善の問題地図」が基になっているようです。

コロナ禍の影響を受けて、大なり小なり、すべての企業は生き残りをかけた戦いに挑んでいます。そして、コロナ禍で社会の変化に合わせて自社の生き残り戦略も変容させていかなければならない岐路に立たされています。コロナ前から働き方改革が叫ばれていましたが、コロナ禍で急速に働き方のスタイルが変化し、業務の在り方を見直し業務改善を模索しなければならなくなりました。そうした中で、Web会議が頻繁に開かれ、さまざまなアイデアが出されてきます。先日書いたアイデア社長が突拍子もないアイデアを出して強引に進めていくというのは論外ですが、多くの社員から色々なアイデアや意見が出ることは良いことです。しかし、問題は、アイデアや意見は出るもののそれを実行に移すことなく放置し会議だけで終わってしまうということです。どこから手を付けるか、誰を巻き込むかと考えているうちに時間が経ち億劫になって、気が付けば「何もしないで元の通常営業」に戻っているということになっています。

この記事では、議論で出たアイデアを素早く実行に移すためのコツ、「やりっぱなし」への対策を示してくれていて、参考になります。

1.即実行・即実践でアイデアを整理する。

 アイデアを出し合い議論だけで終わってしまうような会議は問題です。出てきたァイデアを整理して、具体的にどのようなことに取り組んでいくのか膨らんだアイデアを収束させていく必要があると言っています。つまり、会議で出てきた不満や問題点、アイデアを実際の行動に結びつけていくために整理することです。

この場合重要になるのがイデアの粒度だと言っています。出てきたアイデアや問題点、改善点を粒の大きさに見立て分けていくのです。この記事に出てくるアイデアや問題点・改善点で言えば次のように「大」「中」「小」に分けることが出来ます。

  • 【大】「基幹システムを導入する」「パートを雇う」
  • 【中】「マニュアルが色々な場所にあるので読む気がしない」
  • 【小】「同部署内のメールに『お疲れさま』などと丁寧語を入れるのは無駄」

これらに対して「これは、即実行・即実践できることかな?」と問いかけてみるというのです。【小】の改善点ならばすぐに実行できそうです。これを1週間続けてみる、そして次回の会議でどうするかを再び考えて業務改善を進めていくというわけです。

業務改善と言っても何も大袈裟なことを考えて実行する必要はありません。身近なところから、社員のだれもが改善した方がよいと思っている些細なことから順次取り組んでいけばよいのです。その意味で、アイデアの粒度というか、順位付けは必要です。

2.実行することの「決め方」を決める。

 先ほどの【大】や【中】などで「即実行・即実践」できないアイデアは放置しておいていいのかと言うと、そういうわけにはいきません。問題点・改善点、アイデアとして出てくる以上社員が困っていたり改善の必要を感じている内容なのです。それを放置していたのでは真の業務改善にはなりません。

これらは「即実行・即実践」というわけにはいきませんが、「何から実行すればいいか」という決め方(スケジュール)を決めることが重要になります。予め決め方を決めておくことで、声の大きい人や上司の独断で実行する施策が決まってしまうということが避けられますし、なぜこのプロジェクトを行っているか説明が出来ます。

決め方については各社各様ですが、この記事ではコスト、巻き込む範囲、ベネフィット、期間に絞って点数付けを行って評価するのがよいと言っています。点数によって評価するというアイデアは良いと思いますが、誰が点数を付けるのか、点数に主観が入らないかが重要になってくるように思います。

  • コスト・・・その施策を実現するためにかかるコストや工数。【3点】費用が不要の施策 【2点】来期予算内の計上が必要な施策 【1点】新たに予算を取り承認が必要な施策
  • 巻き込む範囲・・・ステークホルダ-が多くなればなるほど複雑化し難易度が増す。【3点】自部門の周知や教育だけで完結 【2点】他部署や全社的に衆知や教育、協力の依頼が必要 【1点】顧客や取引先など社外への周知や協力の依頼が必要
  • ベネフィット・・・プロジェクトのゴールにその施策があっているかを測定するための項目・効率化 【3点】廃止(なくす) 【2点】削減(減らす) 【1点】変更(変える)
  • 期間・・・長期間要するものか短期間で実行できるものか 【3点】今月中 【2点】上期中 【1点】来期

こうした方法で点数付けして、点数の高いものから実行・実践を検討することになるのですが、「点数が高いものが優先順位が高い」逆に「点数が低いものが優先順位が低い」と言い切れない場合があることに注意が必要です。自社が業務改善することによって真に実現したい目的は何かを常に念頭において、その目的達成のためのアイデアとして何が適切かを検討することが重要です。

3.アイデアに期日を入れ、一覧にする。

それぞれのアイデアに期日を決め、誰がいつまでに進めるのかを一覧で可視化します。これは誰でもが見ることが出来るように共有化することで、どのようなアイデアが現場から出て、何が実行されているのか、いつまでに実行されるのかを理解できるようになります。

このようにして、出てきたアイデアを整理して順位付けし、しっかりとスケジュールに落とし込むことが出来れば、確実に実行でき、効果の実感できる業務改善活動になっているはずです。

業務改革を難しく考える必要はなく、身近なところから自社に合った取り組みを進めていけばいいだけです。会議を開き議論だけして放置するよりは断然マシです。