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「パワポ禁止、箇条書き資料禁止」というすごい会議

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で2202人で過去最多となりました。その内訳は、東京493人、神奈川226人、埼玉126人、静岡87人、愛知141人、大阪273人、兵庫103人、京都39人、沖縄41人、北海道233人などとなっています。首都圏、中部東海圏、関西圏、北海道での感染者増が目立ちますが、昨日感染者が出なかったのは青森、秋田、石川、島根、高知の5県のみで全国的に感染が拡大していることは明らかです。東京、神奈川、埼玉、静岡、長野で過去最多となっています。こうした状況を受け、東京都は、警戒レベルを4段階のうち最も深刻な「感染が拡大している」に引き上げる方針ですが、営業時間短縮要請には慎重な構えで、経済を止めることへの影響などから見送るべきとの意見が出ています。また、加藤官房長官も、「県をまたいだ移動について自粛を要請する必要があるとは考えていない」「(GoTo トラベルについて)感染防止策によって旅行による感染リスクを低減できる」と言い、菅首相は「静かなマスク会食を」とあまりにも危機感のなさを呈しています。一方、日本医師会の中川会長は、「コロナ慣れしないでください。コロナを甘く見ないでください」と強い危機感を持って訴え、現状についてはGoToキャンペーンが感染拡大の一因であるとの認識を示し、「今週末は秋の我慢の3連休としてください」と自粛を訴えました。

専門家の意見を無視し、経済優先で突き進んでいく政府や自治体の姿勢に強い違和感を覚えます。政府の日本学術会議の任命拒否でも見られるように、政府の意向に沿わない専門家や学者の意見を抑え込み(コロナ分科会はもう骨抜きにされ御用機関化しています)、強引に突き進む姿は、極端な例を挙げれば、反対する学者たちを弾圧して日米開戦に突き進んだ1940年代を彷彿させ、今後の日本の将来に暗雲が立ち込めるようにも感じます。

大阪府の試算によれば、今の状況で感染拡大すると重症者病床が来月には不足するとのことで、医療のひっ迫は目前に迫っています。大阪でこのような状況なので、東京もほぼ同じような状況でしょうし、地方では医療体制のひっ迫はより深刻です。

早急に対策をとらない限り、来週には3000人、4週間後には5~6000人に急増し、医療崩壊につながることは第2波の感染状況からも明らかです。更に冬に向けて乾燥し飛沫が飛びやすい状況なので夏の第2波よりもより深刻な状況でしょう。

政府や自治体の緊張感・危機感のなさに呆れるばかりですが、一人一人が政府を信頼せず専門家の意見に耳を傾け、気を緩めることなく密を避け新しい生活様式を実践していきましょう。先ずは「我慢の3連休」を乗り切りましょう。

一昨日は、「やりっぱなしの会議」への対策について書きましたが、今日も会議についてです。Forbes JAPAN の「アマゾンのすごい会議。ルールは『パワポ禁止、箇条書き資料禁止』」という記事を取り上げます。

世界のトップ企業、アマゾンの成長を支える原動力である「会議の技法」、会議の効率化を図るために創業者ジェフ・べゾスが設けた「アマゾン流の資料作成ルール」が紹介されています。世界の最先端を進むアマゾンがなぜ?と思いますが、その理由を聞くとなるほどと納得できます。

最近、各社の会議には、パワーポイントに箇条書きで要点だけが記載された資料が使われているのをよく目にします。一見すると、パワーポイントを使った資料をプロジェクターで映し出し説明するというプレゼンは、聴く側にとっても整理されていて理解しやすいように思えます。

しかし、アマゾンでは、パワーポイントを使った箇条書き資料はNGとなっていて、「文章形式で書かないといけない」というルールがあるというのです。ワード文書で作成され、印刷されて会議時に配布されるのです。会議時やその直前に配布されるので、あらかじめ読んでいることは期待されていません。「その場で読んですぐに理解できる分かりやすい文章を書く」ことが資料作成の必須条件になっているからです。

パワーポイントでの箇条書き資料は簡単に作成することが出来ますが、その場で読んですぐに理解できる文章というのは、作成者が資料の内容を明確に理解できていないと書くことはできません。

アマゾンで、パワポや箇条書き資料が禁止されるのは。箇条書きの場合、行間を読むことで人によって解釈に違いが出るのを防ぐためです。作成者も、行間に色々な思いや考察を含めて書いているのでしょうが、後日作成者に確認しても思い出すことが出来ないケースが出てきます。そうしたことを避けるために箇条書きではなく、文章形式にするのです。そして誰が読んでもすぐに理解できる文章であれば、行間に解釈の違いが入り込む余地はありません。

明確な文章形式になっていなければ会議で生まれた小さなブレが、時とともに大きな解釈のブレとなって本来の目的からかけ離れたものになってしまうこともあり得ます。

また、文章として資料が残っていれば、会議に参加していなかった者もそれを読めば内容を理解することが出来ます。

会議の資料で重要なのは見栄えではなく中身です。誰もが読んで分かりやすい文章を書くには、必然的に何度も何度も書き直し、推敲を重ねなければなりません。こうした検討の中で資料作成者の頭も整理されてきます。

会議での資料作成が目的ではありません。最終目的は資料によって提案されたアイデアや施策を実行に移すことです。作成者が何度も検討し推敲を重ねたアイデアや施策は実行段階においてもスムーズに事が運ぶようになります。一昨日に書いたように「やりっぱなしの会議」では意味がありません。それを実行・実践に移してこそ意味があるのです。実行・実践という先を見越したうえで資料作成を行うには、アマゾン流の資料作成ルール、「パワーポイント禁止・箇条書き資料禁止」は役に立つように思います。会議の資料作成は、やっつけ仕事では駄目で、十分な時間をかけて作成すべきものです。