中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

中小企業経営のための情報発信。中小企業から日本を元気に

「気が利く八方美人」ではなく「本物の成果主義」を!

f:id:business-doctor-28:20201127084538j:plain

おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で2054人、そのうち東京481人、神奈川254人、埼玉160人、千葉82人、愛知198人、大阪326人、兵庫184人、沖縄74人、北海道256人などとなっています。特に大阪は深刻な状況でステージ4の判断基準6つのうちの5つに達し、あとは病床使用率が50%を超えれば(現在は約46%)緊急事態宣言発動の要件と言われるステージ4相当になってしまいます。

菅首相は「この3週間が極めて重要な時期だ。マスクの着用、手洗い、3密の回避と、感染拡大防止の基本的対策にぜひ協力をいただきたい」と国民の協力を呼びかけましたが、多くの国民は、マスク着用・手洗い・3密回避を実践しています。それにもかかわらず今回のように感染が再拡大した原因を検証し、それを生かして適切な感染防止策を行う必要がありますが、政府は無策です。

政府分科会の尾身会長も「人々の個人の努力に頼るステージ(段階)は過ぎた」と言い、「政府や自治体の対策を強化すべきだ」と述べています。

また、感染拡大で飲食店に対して営業時間の短縮要請をする自治体が増え、菅首相も「時短営業に協力した『すべての店舗』に国としてしっかり支援していきたい」と述べました。数日前までは「全店舗の2割」と言っていたことからすれば大幅に前進していますが、8月に申請した給付金や協力金を未だに受給できていない事業者もあり、早急な支給が求められます。政府・自治体の要請で時短したにもかかわらず給付金・協力金の支給が遅れたために倒産に至るようなことがないように迅速に対応してもらいたいものです。

昨日も書きましたが、政府の分科会は、「GoToトラブルで感染拡大地域を出発地とする旅行も一時停止の対象とする」ように提言していますが、どうも政府は及び腰です。特に東京をGoToトラベルの対象から除外すればその経済的効果が大幅に減少することから二の足を踏んでいます。このような後手後手に回った対策では感染拡大を防止できません。毅然とした態度で国民の健康を守るためにしっかりとした感染防止対策をとってもらいたいものです。そのために一時的に経済活動に支障が出ても長い目で見れば、早期に経済活動を回復させることができると思います。 

昨日の死者は大阪12人、北海道7人、東京・神奈川で各3人など全国で29人で過去最多に迫っており、重症者も前日比34人増で410人と過去最多となっています。このまま無策を続けるなら医療体制はひっ迫、医療崩壊につながり、死者・重症患者を増加させることになってしまいます。医療体制の確立と医療従事者への支援も必要です。

さて、昨日は、「デキる上司」についての記事を紹介しました。今日は「昭和型の大企業で勝ち抜いてきた50~60代の特徴 あえて自分を持たず『気が利く八方美人』であり続ける」というヤフーニュースの記事を紹介します。

1.上司のことを常に気にかけている。

この記事では、「上司が忙しく、昼食をとる時間がなさそう。さて、どのような行動をとるべきでしょうか?」という質問から始まります。①見て見ぬふりをする ➁昼食時に「昼食を買ってきましょうか」と声をかける ③当日のスケジュールを考え11時頃に「これでも食べてください」と上司の好物を買って渡す 正解は③だというのです。②までなら誰でもできますが、③が出来るのが上司のことを気にかけ気の利く部下だというのです。首を傾げたくなりますが、取りあえずスルーします。

この能力は飲み会でも発揮され、上司の好きな店、好きな飲み物も知っていて至れり尽くせり、二次会に行きたいかどうかの確認も怠らず、最後はタクシー乗せるまで、気を抜かず尽くすというのです。デキる部下は「気が利く」と言っていますが、時代遅れです。

2.敵を作らない。

デキる人は敵を作らないというのはある程度は事実です。上司のために甲斐甲斐しく気を使いながらも同僚や周囲にも気を配ります。「デキる人」は上司一人に尽くしても無駄であることを知っており、いやらしさを出さず誰とでも仲良くし八方美人を貫きます。日本においては、半沢直樹タイプは駄目なのです。

3.自分の軸を持たない。

気の利く八方美人というのは何処の企業にもいて、概してよく出世しています。中には八方美人を貫いた二の出世できなかったという人もいるでしょう。

この記事では、両者の違いは「自己の軸を持っていたかどうか」だと言っています。自分の軸を持っていれば敵が増えます。自分の軸があり、自分が成し遂げたい仕事があればあるほど他人と衝突します。出世の条件は「最後には自分の軸を持たずに常に相手の言うとおりにしてきた人が勝ち抜く」というのです。これも首を傾げたくなりますが、昭和型の出世街道と思えば納得できるところでもあります。

日本において、特に昭和から平成にかけて「成果主義」という言葉はネガティブにとらえられていました。それは「成果」というのが「上司への気遣い」「誰とでも仲良くする協調性」「自分の意見を言わず素直に人の言うことを聞く」ということと結びついていたからです。

バブル崩壊後、こうした「成果主義」によって日本企業は弱体化してきました。一方で、自立した人材がそれぞれ判断しながら業績を伸ばしてきた企業もあります。間違った「成果」(気配り・協調性・素直)を押し付けずに、それぞれが本当の意味ぢゃりたいことをやってきた企業が成長しています。

これからの時代、本当の意味での「成果主義」が必要です。「成果主義」というのは、「従業員の仕事の成果などに応じて、給与・社内の地位などといった待遇を決定する人事制度」のことです。

日本においては年功序列制度を基に勤務年数や年齢を基準としてその上に間違った成果主義が付加され、気配りができる人・協調性がある人・素直な人が評価されてきたというわけです。

「本当の意味での成果主義」は、「人件費の適正化」「成果のため自発的に活動できる人材の育成」「適切な評価制度の整備」の3つが必要です。成果主義は成果のみの判断ではありませんし、数字d家を基準としたのでは適切な犯dンにはなりません。確かに主観でなく客観的な評価が求められますが、それは数字だけで判定していたのでは失敗します。

成果主義」には、①人件費の適正化 ②評価制度が適正なものに ③人材育成 ④生産性の向上 といったメリットがある反面 ①評価基準の設定の困難性 ②部署間の評価の差異や誤差 ③個人プレーに走る危険性 ④モチベーションへの影響 ⑤評価項目を重視し偏った注力 というデメリットが指摘されます。

成果は「一人」で得られるものではなく、個人プレーでは得られない成果があることを周知徹底し、サポートする仲間が成果に大きな影響を当たるという理解を深める必要があります。また上司が部下にねぎらいの言葉をかけるなどの心理的な報酬の仕組みが必要になってきます。ℍ度の部署も納得いく評価制度を構築する必要がありますし、評価者が適正な評価ができるようにトレーニングすることも重要です。

本当の成果を出した人が報われるという仕組みが必要になってきます。

従来型・昭和型の八方美人は必要ありませんが、半沢直樹に代表されるような「尖った」だけのタイプも社内外に敵を作り企業を窮地に陥れる可能性があります。「尖った」中にも「丸い」部分がある人材が必要な気がします。

今後は、顧客のことを第一に考え、建設的な意見を反対を恐れることなく言い、かつ周囲をうまく纏め上げられるようなリーダーが求められるように思います。