中小企業が日本を救うbusiness-doctor-28

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なぜ企業の「生産性」は上がらないのか

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で3271人で過去最多となり、その内訳は東京748人、神奈川346人、埼玉230人、千葉142人、愛知239人、大阪312人、兵庫169人、福岡156人、北海道114人などとなっています。埼玉、岐阜(56人)、香川(20人)で過去最多となり、初めて全都道府県で感染が確認されました。死者も56人と過去最多となっています。北海道では減少傾向にあるものの大阪は高止まりし、首都圏での増加とともに新たな地域での感染拡大など全国的に感染が拡大しています。

これを食い止めるには政府による強い対策が必要です。国民一人一人の我慢に頼るのは既に限界に来ています。政府の調査発表によれば12月のマスク使用率が低下するなど国民に気の緩みや慣れが出てきています。致し方ないことですが、第1波の緊急事態宣言時のような「強い連帯感による危機感や緊張感」(医師会の中川会長の発言)が欠如しています。一旦緩んだ気を引き締めるのはたやすいことではありません。ある程度強制的な政策が必要になってきます。

イギリスで見つかった変異種が香港でも見つかったとのニュースがあり、又南アフリカでも別の変異種が発見されています。この南ア型はイギリスの変異種よりも更に感染力が強いとのことで、これらの変異種が日本国内に流入しないようにしっかりとした水際対策をとってもらいたいものです。

また、現在、多くの地域で各知事が飲食店への時短要請を行っていますが、これは特措法24条に基づくもので、単なる「協力要請」に留まっています。早い段階から強制力を伴ったものに改正し知事の権限強化すべきとの要求がなされていましたが、補償の問題が絡むことから政府は改正に及び腰でした。ようやく、政府も、第3波の感染拡大を受けコロナ対策の特措法改正に向けた調整を本格化させました。営業時間の短縮や休業に応じた店舗への支援措置を明記するとともに、要請に応じない場合の罰則も検討されます。時短や休業には十分な補償がセットでなければなりませんし、実効力を持たせるために罰則規定は必要です。新型コロナが収束してから成立したのでは何の意味もありません。早急に改正案を策定し、次期国会に提出、審議の上早急に成立を目指してもらいたいところです。

さて、今日は、PHPオンライン衆知の「なぜ企業の『生産性』は上がらないのか ”生産性=効率性”という誤った認識」という記事を取り上げます。

これまで何度か、「菅首相はプレーンのアトキンソンとともに生産性の低い中小企業の淘汰をもくろんでいる」ということを書いてきましたが、今日は、その「生産性」とは何か、どうすれば「生産性」を上げることができるかという話です。

新型コロナ禍で、働き方が大きく変わり、会社と社員、組織と人を取り巻く環境は大きく変化しています。何が正解か分からない状況で、経営者はもとより社員も含め、皆が手探りで模索しているというのが現状でしょう。

働き方改革の流れもあって、「生産性の向上」が日本企業で叫ばれていたのはコロナ以前からですが、「生産性」という言葉を「いかにして業務時間を削減しつつ、今の品質レベルを維持するか」という「効率性」と同じ意味の言葉と勘違いしている人も多いのです。

生産性」というのは、「投資に対してどれだけの成果が出せたのか」という指標です。少ない投資でより多くの成果を挙げれば生産性は高くなります。一方で「効率性」というのは、「時間や費用にかかわるコストを下げて投資の量を下げること」、つまり生産性を高めるための一つの方法にしかすぎません。

本来の生産性は、「生み出されたアウトプットに対して、どれくらいのインプットを使用したか」という概念で、インプットを少なくすることを考える効率性とは異なる概念なのです。

この記事では、生産性の構成要素である「アウトプット」と「インプット」の2つの分けて、生産性向上のアプローチを論じています。

<アウトプットを極大化1>商品・サービスの「本源的価値」と「付加価値」を作る。

 アウトプットを高めていくということは、簡単に言えば「売り上げや収益を高めること」です。そのためには、顧客からの評価を改善していかなければなりません。顧客からの評価を改善するというのは、商品・サービスの持つ価値を高めていくことです。この価値には、商品やサービス本来の用途に伴う「本源的価値」とそこから付帯的に発生する「付加価値」があります。

 これらを高めるには、顧客が求める要求(ニーズ)にしっかりと応えつつ、それに加えて顧客の潜在的な欲求(ウオンツ)を捉え、それを充足する新しい製品やサービスを提供することが不可欠となります。

顧客のニーズやウオンツを把握するためには、顧客の視点に立ちつつ、顧客の行動を客観的に粘り強く観察することが大切です。ここでも以前書いた「現場主義」「顧客第一主義」が重要だということです。

<アウトプットを極大化2>組織のミッションを超えた「付加価値」を提供する。

 「本源的価値」は商品やサービス本来の用途に伴うものですから、同じ商品やサービスではそれほど大差はありません。差別化を図るうえで重要なのは「付加価値」です。「付加価値」を組織に置き換えると、組織が本来求められる役割・ミッションは当然行ったうえで、それ以外に「顧客の満足度が高まる」価値を提供する取り組みを行うことだと言っています。例えば、アウトプットの質を高めるための研修の実施やプロモーション活動、新たなチャネル(販路)の開拓などによる既存商品・サービスの価値向上です。

 ここで重要なのは、むやみやたらと価値を追求しないことです。価値を付加するために労働量が増えてしまえば本末転倒です。価値を付加するだけが付加価値ではありません。機能を絞り込み、逆に価値を排除することが付加価値となることもありまっす。

 ここでも、顧客の視点で既存の提供価値を見直し、本当に必要とされている部分にフォーカスして差別化を図ることが重要なのです。

<インプットを改善1>能力の高い人材を活かし、「フレームワーク」をつくる。

 インプットからアウトプットへの変換効率が変わらなければ、インプットを削減してもアウトプットが減るだけで生産性向上にはなりません。この変換効率の改善が重要なのです。

 同じ組織の中でも、一人一人を見ると変換効率に差が生じています。生産性の高い人と低い人がいるというわけです。高い変換効率を発揮している人、つまり生産性の高い人の思考方法や行動を分析し、それを誰もが実行可能なように「フレームワーク」化できれば、全員の生産性が向上します。組織内で学び合い、変換効率を高めるためのノウハウを共有化することが、組織全体の生産性向上につながるということです。

<インプットを改善2>学びを実践へつなぎ、インプットの質を高める。

 インプットの質を高めるということも重要です。多くの企業で研修や外部セミナーの受講を通じてビジネススキルや最先端の業界知識の獲得といったインプットを社員に提供しています。しかし、費用対効果と言う点から見れば劇的な生産性向上につながっているとは言えません。これはインプットされる内容が必ずしも実践に結びついていないからです。こうした状況を打破するには、現場起点の課題意識に基づいた実践形式のインプットが有効です。このように即効性のある実戦形式のインプットを多く取り入れ、アウトプットへの変換効率を高めることも重要なポイントの1つです。

働き方改革で、テレワークを導入している企業もありますが、テレワークで生産性を高めるためには、1日を通したセルフマネジメントの重要性が増しますし、コミュニケーション不足によるチーム力の低下は避けなければなりません。

生産性を意識した仕事の進め方として、チャットツールなどを通して気軽に会話ができるバーチャルオフィス的な存在をつくる、業務進捗を共通のフォームやシステムに入力し共有化を図ると言った方法が挙げられています。

テレワーク・リモートワークにおいても、社内での勤務と同じようにメンバーが情報を共有でき快適に仕事に集中でき、また孤独感を抱かないような環境を作ることが重要です。