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粉飾決算を防ぐ2つの極意

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で2787人で、その内訳は東京563人、神奈川348人、埼玉196人、千葉152人、愛知190人、大阪283人、兵庫190人、福岡88人、北海道74人などとなっています。千葉、神奈川、兵庫、長崎(26人)で1日の新規感染者数としては過去最多となり、重症者も620人と過去最多となっています。死者数も累計で3000人を超え、12月の死者数は既に11月の2倍以上となっています。GoToトラベルを早々に一時停止した北海道と大阪では新規感染者の減少がみられ、GoToトラベル停止が功を奏していることが見て取れます。東京および首都圏で感染拡大が止まらないのは明らかにGoToにしがみ付いた政治の責任です。

また、空港検疫で判明した感染者18人のうち、5人が新型コロナの変異種が確認されているイギリス、イタリア、オランダでの行動歴があるとのことで、変異種の流入を食い止めるためのしっかりとした水際対策が求められます。日本の医療体制はひっ迫しており、感染力が70%も強い変異種が国内に蔓延すれば完全に医療崩壊します。経済優先で海外との往来を早急に進めたい菅政権の下で、本当に食い止めることができるか心配の種は尽きません。

さて、今日は、東洋経済オンラインの「コロナ禍で急増?『粉飾決済』を防ぐ2つの極意」を取り上げます。

会計ルールの従わない会計処理のことを「会計不正」と言いますが、通称「粉飾」とも呼ばれます。「粉飾」とは「物事の表面や上辺を飾り立てて、取り繕うこと」を言います。「粉飾決済」とは「不正な会計処理によって、故意に貸借対照表損益計算書などの決算書を操作して、企業の財務状況や経営状況を実際より良く見せること」つまり「売上高や利益を改ざんし、株主や金融機関などのステークホルダーによりよく見せること」です。

大企業における粉飾決済は新聞紙上を賑わせますが、中小企業においても粉飾決済は頻繁に行われています。大企業では株主などの外部からの責任追及を嫌がり、また上からの圧力によって部署や支店が粉飾に手を染めるというケースがほとんどですが、中小企業の場合はほとんどが銀行対策として粉飾決済と行います。中小企業にとって資金調達の手段は銀行などの金融機関に限られます。会社の経営状況が悪い状況が続くと、銀行も貸付条件を厳しくしたり新規の貸付を停止します。中小企業としては、粉飾決済をして多めに税金を支払ってでも、金融機関の信用は維持したいということになるのです。

新型コロナの影響で多くに企業が苦境に立たされています。その中で、少しでも自社の財務状況を良く見せたいと粉飾に手を染める企業が出てきてもおかしくありません。

しかし、粉飾決済は不正であり、民事・刑事の責任が問われます。例えば、粉飾により違法に利益配当を行った場合には、取締役は連帯して違法配当した利益を会社に賠償しなければなりませんし(会社法第462条)、決算書の虚偽記載で第三者が損害を被った場合にはこの第三者に損害賠償しなければなりません(会社法第429条)。また、会社財産を危うくする罪として、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金という刑事処分が科される(会社法第963条)可能性もあります。

この記事では、「会計」の視点から「粉飾が起こりそうなポイント」と「粉飾を防ぐ方法」が書かれています。この点をしっかりと押さえ、粉飾に手を染めないようにすること(故意に行うだけでなく無意識に行う場合も含め)が大事です。

1.粉飾が起きやすい「収益認識」と「見積もり」

 「収益認識」は、収益、売上高の集計に関連したものです。商品や製品がまだ売れていないのに売れたことにして売上高を集計し、商品や製品は顧客から預かっているようにしてしまう、いわば売上の「架空計上」です。また、決算日前に売上高を少しでも多くするために、顧客に商品や製品を引き取ってもらい、決算期を過ぎたのちに返品してもらう「押し込み販売」という方法がとられることもあります。

 「見積もり」というのは「数字の集計に予測や想定が入ること」です。例えば将来発生する可能性が高い費用や損失を、事前に費用や損失として集計する「引当金」があります。有形固定資産やのれんの価値が低下している部分を損失として集計する「減損損失」もあります。これらはあくまでも将来の費用や損失、業績などの見積もりに基づいて金額を集計するものなので、数字が調整されてしまう可能性があり会計不正につながりやすいのです。

2.粉飾を防ぐ方法(1)― 上司や管理部門がチェックする仕組みを作る。

  1. 会計不正を発生させない仕組みを作る・・・具体的には企業内部の管理の仕組みである「内部統制をしっかりとつくり上げること」と「それを適切の運用すること」で「管理体制を強化すること」です。1人の担当者や現場の部署だけですべてができるようになっていると不正が行われる可能性が高まります。上司やほかの担当者、管理部門がっしっかりとチェックする仕組みを作ることです。会計不正が発生しないようにするためには「絶えず見られている」という意識を組織に行き渡らせることが大切です。
  2. 早く発見するための仕組みを作る・・・具体的には企業内部のチェック=「内部監査の体制」を作り上げたり、従業員が社内で問題だと考えたことを通報する「内部通報制度」を採用したりすることです。会計不正が起きない仕組みを構築し「会計不正はできない」「会計不正をするなんて無理」と経営者・管理者を含む全従業員に思わせる環境を作ることです。

3.粉飾を防ぐ方法(2)ー 不正はNGという企業文化を醸成させる。

  • 企業不正はゼッタイにNG!」という倫理観を組織全体に行き渡らせる・・・企業理念の中に誠実性につながるポイントを含めて、それを社内で共有したり、経営者が絶えず誠実性や倫理観の重要性を車内にメッセージとして伝えたりすることが大事です。

会計不正を発生させないためには「仕組み」と「企業文化(カルチャー)」の両面での対応が重要になります。

コロナ禍で大変な時期ではありますが、今こそ、不正に手を染めないように「仕組み」を作り「企業文化」の醸成に取り組むことが重要です。