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コロナに伴う会議疲れ、燃え尽き症候群

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おはようございます。

昨日の新規感染者は全国で3325人で、その内訳は、東京884人、神奈川412人、埼玉243人、千葉195人、愛知152人、大阪286人、兵庫118人、京都76人、福岡128人、北海道93人などとなっています。月曜日の数字としては高く、重症者も731人と過去最多となりました。

菅首相は、1都3県の知事からの緊急事態宣言発令の要望を受けて検討に入った旨発表しました。首都圏の1都3県を対象に、早ければ7日には緊急事態宣言が発出される見込みになりました。しかし、4月の緊急事態宣言とは大きく異なり、飲食店の営業時間短縮要請や午後8時以降の不要不急の外出自粛などが中心となり、学校は休校にせず、映画館やイベントも大幅な制限を加えずといった内容で、緊急事態宣言まで出して行うような内容ではありません。この程度で、もし感染力が1.7倍といわれる変異種の新型コロナウイルスが広まっているとすれば、その感染拡大が抑えられるのでしょうか。未だに経済優先が菅首相や政府の(二階の?)頭の中には残っています。緊急事態宣言の期間は1ヶ月程度とされるようですが、感染拡大が収まらなければズルズルと延長するしかなくなります。中途半端な緊急事態宣言ではなく短期集中的にロックダウンさせた方が抑え込むことができ、その方が経済への打撃も少なくてすむように思うのですが・・・難しい決断であることは間違いありません。今日のニュースで都立高で45人のクラスターが発生しているとのことですが、イギリス型の変異種は子供への感染力が強く若年層が重篤化する可能性も指摘されています。しかし、学校を休校にしなくてもオンライン授業を行うなど方法はあるはずです。結局は、4月の緊急事態宣言についての検証を行わず、何ら対策を講じず、どのような事態になればどのような緊急事態宣言を発出するのかといったルール作りを全く行ってこなかったことが問題で、明らかに政府の責任なのです。

また、緊急事態宣言を発令するとしても1都3県だけでよいのでしょうか。大阪の吉村知事は、「大阪は政府に緊急事態宣言を要望しない」と発言していますが、大阪の重症者数は東京の1.6倍で、重症病床使用率も東京を大幅に超えています。大阪での医療体制はかなりひっ迫しています。確かにGoToトラベルの一時停止で感染拡大は止まりましたが、大幅減少に転じたのではなく高止まりしているのが現状です。こうしたことを考えると、関西圏(大阪・兵庫・京都)、愛知、福岡についても、緊急事態宣言の検討がなされるべきだと思います。確かに経済への痛手は大きいのですが、先ほど書いたとおり、ズルズルと行くよりは短期集中的に抑え込むことの方がメリットがあるように思います。当然のことですが、手厚い補償がセットでなければなりません。

さて、今日はForbes JAPANの「コロナに伴う会議疲れ 世界的な現象に ハーバード大調査結果」という記事を取り上げます。

ハーバード・ビジネス・スクールが実施した大規模な調査から、コロナ禍で、長時間にわたりビデオ会議やビデオ通話を行うことで、燃え尽き症候群に陥ったり、生産性を著しく損なったりしていることが明らかになったのです。この調査は、世界各国の2万1000社以上の企業、300万人以上を対象に行った調査で、コロナ禍で会議の件数は12.9%増、参加者は13.5%増となっています。会議時間は全体的に減っているものの、会議やその他の確認・連絡が頻繁に行われることで悪影響が出ているというのです。四六時中ズームをしていたり遣り取りしているような感覚に陥り、ひどく疲労感を味わうのです。

コロナ禍での会議や仕事での燃え尽き症候群を予防するにはどうすればいいのでしょうか?

1.良いコミュニケーションのバランスを見つける。

 頻繁なコミュニケーションはチームのまとまりを良くするうえで重要なことですが、量と質を混同してはいけません。良よりも質が重要のことは言うまでもありません。部下が大きなプロジェクトに取り掛かり自分一人でもうまくこなしている時には上司は介入せず、部下に任せて見守るという姿勢が重要です。リーダーには部下の心の状態が読める力が必要だと言っています。コロナ禍では、部下の会議疲れをくみ取れるようにしなければならないのです。部下たちがズームにうんざりしているように感じたら、丸一日あるいは午後だけ会議のない日を作るのがよいのです。

2.各人の事情を考慮する。

 コロナ禍での生活や仕事の体験は人によってかなり異なることを念頭に入れておく必要があります。リモートワークによって自由を得たように感じている人がいる一方で、仕事と家庭の両立でバランスが取れず苦労する人もいます。また、孤独感に悩まされる人も出てきます。苦戦し圧倒されてしまっている部下には、上司が期待値を調整してあげることも必要です。リモートワークになれていない状況では個人によって生産性に大きな違いが出てくることを理解しておかなければならないのです。

3.時間ではなく成果を重視する。

 調査によれば、仕事中に子供や家事に手を取られることで、1日の就業時間が8.2%増えているという結果が出ています。1日にすれば約48分ですが、数週間、数カ月続くとかなりの時間が仕事に取られ、貴重な時間を失うことにもなりかねません。ここでは、「従業員の時間が仕事に奪われることを防ぐには成果主義のマネジメント方針を取ろう」と言っています。成果主義のメリット・デメリットについて、あるいは日本の雇用形態に導入する際の問題点などについては、以前書いていますので参照してください。テレワークを行う際に重要なのは、「部下がきちんと与えられた仕事を終わらせる限り、固定の就業日や就業時間という観念を捨てる」ということです。また、常にオンラインであり続け、どんなときにも電話やビデオ通話に応じなければならないという観念は捨てるべきで、上司も部下個人個人の事情・状況があることを認識してそれを認めるべきなのです。

4.線引きをはっきりする。

 テレワークでは、私生活と仕事の境界線があいまいになりがちです。仕事が夜や週末にまでずれ込むと、常に「オン」でなければならないという感覚が生まれフル充電ができなくなってしまいます。従業員にとってストレスなのは仕事にかかる時間の長さではなく、勤務時間が予測できないことにあるという研究結果が示されています。したがって、部下に対して特定の時間帯は休息を取れることをはっきりと示すことが、燃え尽き症候群や疲弊を防ぐうえで大いに役立ちます。

この記事の最後に、「新型コロナの流行に伴い、ビジネスリーダーにとって重要なスキルであるマインドフルなコミュニケーションもさらに複雑化し、適切なコミュニケーションを適切なときに行い、介入すべきときと一歩引いて見守るべきときとを見極められるようにすることが大切だ」と言っています。

新型コロナん感染が拡大し、緊急事態宣言が発出されようとしている今、テレワークの重要性はさらに増します。しかしテレワークによって、この記事にあるような燃え尽き症候群に陥る人や孤独感を味わう人が増えてきています。燃え尽き症候群や孤独感、生産性の低下を防止するために部下とうまくコミュニケーションをとることができるというのがこれからのリーダーに求められるスキルと言えそうです。